来週の株式相場に向けて=米CPIに注目集まるが一進一退継続か

市況
2024年5月10日 17時19分

10日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、前日比155円高で取引を終えた。一時600円超上昇したが、その後は伸び悩んだ。この日は「先物で買われ、先物で売られた」(市場関係者)といい、やや方向感に欠けた。ゴールデンウイーク明けの今週は4日間の立ち会いだったが、週間では7円安とほぼ横ばいだった。日経平均株価の上値は25日移動平均線(3万8550円前後)に抑えられており、上値の重い展開となっている。

東京市場の上値の重さの要因には、第1には米金融政策への警戒感が挙げられる。また、第2にはトヨタ自動車<7203>の25年3月期業績予想が市場予想を下回るなど、業績面への不透明感もあるだろう。

まず米金融政策に関しては、先週の米4月雇用統計などを受け市場には再び利下げ機運が台頭しているが、この期待が続くかどうかだ。特に来週は15日に米4月消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、その結果を市場は注視しそうだ。また、15日には米4月小売売上高も発表されるほか、CPIに先立つ14日には米4月卸売物価指数(PPI)が公表される。加えて、大きな焦点である半導体関連株の動向に関しては16日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算発表が予定されており、その結果も関心を集めるだろう。

日本企業の決算では13日のソフトバンクグループ<9984>、14日のソニーグループ<6758>、15日の三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>などが注目される。決算発表は来週15日には一巡するが、今期業績予想に関しては「会社側からは控え目な数字も出ており、決して悲観的になる必要はないが、その内容を確かめるには夏場の第1四半期(4~6月)決算発表を待つ必要がありそうだ」(アナリスト)との見方もある。日経平均株価の高値をつけたのは3月下旬であり、「小回り3カ月」とすれば、次の転換点は6月下旬頃となる。こうしたなか、当面の相場は一進一退を予想する声も出ている。

上記以外のスケジュールでは、16日に米4月鉱工業生産、同住宅着工件数、17日に中国4月小売売上高などが発表される。15日にシスコ・システムズ<CSCO>、16日にウォルマート<WMT>の決算が予定されている。国内では15日に訪日外客数、16日に1~3月期国内総生産(GDP)が公表される。13日に大成建設<1801>、ブリヂストン<5108>、14日にSMC<6273>、楽天グループ<4755>、15日にリクルートホールディングス<6098>、エーザイ<4523>などの決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7800~3万8900円前後。(岡里英幸)

出所:MINKABU PRESS

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.