エードット---IPO企業 ~社長の横顔

材料
2019年6月20日 17時04分

「東京に出れば何かできるんじゃないかと思ったんです」と語るのは、広告業界のベンチャー企業として3月に東証マザーズに上場したエードット<7063>の伊達晃洋(だて あきひろ)社長。

高校時代はバスケットボール部の主将を務め、インターハイにも出場、学校中の注目の的だった。2人の兄とは違う道を歩みたいと大学には進学せず、上京したものの、清掃員などの仕事を転々とした。「朝起きて仕事があるという生活は、何て幸せなんだろうと思いました」

昼食時のファミリーレストランでは、隣の席で歓談している同年代の大学生たちが眩しく見えたこともある。

「そのころ、人間を肩書ではなくフラットに見る見方が身についたと思います」

カメラマンの父親が広告代理店と仕事をしていた影響もあったかもしれない。2年間のフリーター生活の後、選んだのは広告代理店でのアルバイト。すぐに営業マンとして頭角を現した。その後、転職したSP(セールスプロモーション)会社で大手広告代理店の請負をするうち、業界構造の非合理性に気が付いた。クライアントに対してもっと価値を提供できるやり方があるはずだという思いは確信に変わった。27歳でエードットを起業した。

「何十年と続いてきた広告の枠を買って情報を拡散させるというマス広告の価値は、TVCMを中心に下がってきていると思うんです」

単なる広告代理店でなく、商品企画からクリエイティブ、プロモーションを自社で制作し、直接クライアントに提供できれば、もっとニーズはあるはずだ。同社は、SNSを利用したコストパフォーマンスの高い情報拡散等、インターネットを活用したPRに対する顧客の評価が高い。最近の事例では、大手コンビニのおにぎりのプロモーションなどがある。

現在、顧客は300社以上に及ぶ。売上上位10社で売上構成の7割を占める。大手広告代理店を介さない直接の取引である。継続的に案件の引き合いがくる。若く新しい広告代理店は生まれていないため、競合は少ない。今後は着実に広告業界でのシェアを拡大していく他、アジアの事業を拡大していく。子会社であるエードット・アジアでは、アジア企業が日本に進出する際のサポート等をしていく。

「中国の経営者は、視点が世界に向いています。自分も世界で戦う必要があると思いました」

と語る伊達社長は目を輝かせていた。

《SF》

提供:フィスコ

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