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2016年10月12日 20時00分
特集

未知との遭遇、変わる世界―「プレステVR」あす発売で株価は <株探トップ特集>


―一般消費者がVRと初遭遇、高まる期待と関連株の行方―

 仮想現実(VR)を体験できるソニー <6758> の「プレイステーションVR(PS VR)」がいよいよ13日に発売となる。かねてから、大きな話題となってきたVRが一般消費者の手に届くようになることで、一気にVR関連市場が拡大することは必至だ。VRは今後、ゲームのみならずビジネス一般の世界へと入り込むことが予想されるだけに、ソニーを中心とする関連株は、本格的な見直し買い局面に突入しそうだ。

●4万円台の普及価格帯のHMDがついに登場

 PS VRでは、ゴーグル型のヘッドマウントディスプレー(HMD)を付けることで、仮想現実により異世界に入り込んだような感覚が味わえる。希望小売価格は税別4万4980円からで、6月から始まった予約は、人気殺到で品切れ状態となった。

 13日は量販店などの一部店舗での販売も行われる見通しだが、その前人気の高さからみて入手困難の状態は続きそうだ。PS VRは、ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」に接続して使うことになるが、PS4は全世界累計で4000万台超が売れているだけにPS VR普及の条件は整っている。また、PS VRの登場がPS4の販売を後押しするとの期待も大きい。

 ハイエンドのVR用ヘッドマウントディスプレーは、米国のフェイスブック傘下の「オキュラス」が手掛ける「Oculus Rift」や台湾のスマートフォン大手の宏達国際電子(HTC)の「HTC Vive」などがあるが、両社製品ともに価格は10万円前後と高額だ。一方、PS VRはその半額程度の価格を実現している。世界的に普及しているPS4を活用できることもあり、「一般消費者が家庭でVRを体験できる初の機会となる」(アナリスト)との期待は膨らんでいる。PS VRはクリスマス商戦の目玉となることが予想され、今年は文字通りの「VR元年」となる。

●ゲームソフトメーカーやミドルウエア関連企業が活躍へ

 VRの市場規模は2025年には8兆円に膨らむとも試算されているが、そのなかの中核銘柄となるソニーに加え、コンテンツを提供するゲームソフトメーカーへの注目度は高い。「サマーレッスン」を提供するバンダイナムコホールディングス <7832> や「白猫VRプロジェクト」などを制作するコロプラ <3668> 、「バイオハザード」のカプコン <9697> や「ファイナルファンタジー」のスクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> などのヒット作もVR対応バージョンの登場が見込まれている。IGポート <3791> [JQ]は、グループ会社のプロダクション・アイジーがVRコンテンツの制作を行っている。

 ハードとアプリの間で機能する「ミドルウエア」では音声・映像に特化したミドルウエア開発を展開するCRI・ミドルウェア <3698> [東証M]や、ゲーム用に3Dコンピューターグラフィック(CG)技術基盤のミドルウエアを開発するシリコンスタジオ <3907> [東証M]などが市場の関心を集めている。SHIFT <3697> [東証M]はVRコンテンツ検証サービスの提供を開始している。さらにソフトバンクグループ <9984> は、米ベンチャーのネクストVRに出資しているほか、社内に「VR事業推進室」を設置し注力している。カヤック <3904> [東証M]も「VR部」を作り広告的なVRコンテンツなどの企画・制作を推進している。

●ソニー株にとって本格復活への狼煙に

 VRは、まずはゲームなどを中心に市場はテイクオフする見通しだが、今後はスポーツ観戦やコンサート向けなどにVRの技術が使われるとの見方もある。

 また、「コンシューマー向けからよりビジネス用の市場開拓も進む」(アナリスト)との見方も多い。例えば、ソニーはオリンパス <7733> と資本業務提携しているが、「ソニーのVR技術とオリンパスの内視鏡の技術を融合することで、より高度な手術が可能になる」(同)との見方もある。また、住宅会社が顧客に対して完成後の住宅をVRを活用して見せることができる「バーチャル展示場」といった応用例も実用化の方向にある。

 期待の高まるVRだが、PS VRの登場によるソニーの株価動向への関心が高い。同社株は2012年11月の772円を底に上昇基調にあり、PS VRが業績を押し上げれば、ソニーは本格復活の狼煙を上げることになる。

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