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2017年1月18日 20時00分
特集

地合い悪ネジ伏せる“昇り竜”12銘柄、低PBRが急騰を呼ぶ <株探トップ特集>

―材料出現で株価一変の可能性、4連続「ストップ高」山王の再現は?―

全体相場はにわかに風雨にさらされる格好となっている。英国のEUからのハードブレグジット(強硬離脱)の可能性が高まったことで、リスク回避の流れが世界市場に波及、トランプ氏の米大統領就任を目前に買い手控え感も漂うなか、3連休明け17日の米国株市場ではNYダウナスダック指数ともに下値模索の展開を強いられた。外国為替市場でもトランプ氏のドル高牽制発言を受け一気に1ドル=112円台まで円高が進行するなど不安定な動きが続く。18日の東京株式市場は後場に入り、為替が円高一服となったことで切り返しに転じたものの、先行き不透明感は拭えず、大幅高でスタートした大発会の高揚感は既に失われているといってよい。

●山王の急騰劇も低PBRが導火線に

しかし、結論から先に言えばここは弱気になるタイミングではない。むしろ押し目があれば買いの好機到来と強く構える場面である。これまでの主力株を中心とした「トランプ相場」に買い疲れ感が見られることは事実だが、個別株重視の姿勢でマーケットを俯瞰すれば、全体相場とは軌道を異にした強力な上昇波動を形成している銘柄も数多く存在していることに気付かされる。ポイントはPBR(株価純資産倍率)の低さで、会社解散価値を大きく下回る低PBRの中小型株は、その割安さを担保に買いを呼び込み、材料株特有の足の軽さをみせつけるケースが相次いでいる。

18日のジャスダック市場では、電子部品の金メッキなど金属表面処理加工を手掛ける山王 <3441> [JQ]が4日連続のストップ高に買われ、わずか4日間で株価は540円から1190円まで2.2倍に変貌した。この間に取引時間中の商いは成立していない。同社は12日の引け後、東工大と水素の効率的な製造法について特許を取得したことを発表、これが材料株に飢える投機資金の琴線に触れ、一気にマネーゲーム的な様相となった。しかし4日前に遡れば、動意前の同社株のPBRはわずか0.5倍と1株純資産1048円のほぼ半値に過ぎなかったという現実がある。

●「ライジングドラゴン・アット・バリュー」銘柄を探せ

「低PBRの銘柄はその割安さは認知されていても、出来高流動性の低さから買いが集まりにくいという側面を持つ」(市場関係者)。しかし、いったん株価を刺激する材料が出て注目度が高まると必然的に売買活況となり、この割安さが最強の“足場”となる。山王の場合は株価が4連続ストップ高で2倍になってもやっと会社の解散価値を超えてきた程度で、現時点で「指標面では妥当な株価水準まで戻したに過ぎない」という判断も成り立つ。

これは日経平均株価の先行きに不透明感が意識され、投資対象が絞りにくい今の地合いにおいて、ひとつの有力な投資のヒントとなる。中小型のテーマ株や材料株の一群は短期売買が主流であり、ともすれば主力株の幕間つなぎ的な物色対象ともみられがちだった。ところが、実際は水準訂正余地が大きく、中長期的に上昇トレンドを形成するものも少なくない。日経平均など株価指数との連動性が低く、全体が軟調相場であっても上値を突き進む低PBRの“昇り竜”が、別掲でリストアップした12銘柄だ。

●マド開け急騰のKG情報は現在進行形、オハラも調整一巡で狙い場か

中国・四国地方を地盤に求人情報誌やライフ関連情報誌を展開するKG情報 <2408> [JQ]は、16年12月期は価格競争激化の影響から営業10%減益で着地したが、17年12月期については24.6%増益と急回復を見込む。時価700円未満の株価はPBR0.6倍台で割安感があるほか、17年12月期は記念配当実施で41円90銭を計画、配当利回りは実に6%を超えることが人気化の背景で、まさに現在進行形の相場を形成している。

秀英予備校 <4678> は昨年10月下旬を境に大勢上昇波に転換、売買高をみる限り足もとは音無しの構えだが、潜在的な瞬発力は折り紙付きだ。2015年の年央には教育分野向けに設立されたファンド系資金の買い思惑などで、300円台半ばの株価をわずか半月で1000円近辺まで急騰させた過去がある。

オハラ <5218> はスマートフォンやデジカメなど情報機器向けを主力とする光学ガラスの大手メーカー。技術に裏打ちされた商品競争力が強みで、結晶化ガラス技術を進化させ、優れた機械的特性や高透過率を実現した「ナノセラム」がスマホ向けなどで引き合い旺盛となり、急速に株価水準を切り上げてきた。業績も回復色を強め17年10月期営業利益は9億円(前期比6.3倍)に急拡大する見通し。足もとは高値圏で利益確定売りをこなしているが、PBR0.5倍台は割安さが際立っており、押し目買いの間合いを計りたい。

●西芝電に低位株ならではの魅力、「元号関連」で上値思惑広がる光村印

テクノスマート <6246> [東証2]はフィルム化工機や塗工機を手掛けるが、スマホ用光学フィルムやEV普及を背景としたリチウムイオン電池向け装置が収益を牽引、17年3月期は営業利益段階で前期比93%増と高変化を見込むが、豊富な受注残を武器に一段の上乗せも視野に入る。

西芝電機 <6591> [東証2]は株価が100円台であることがポイント。同社が手掛ける船舶用電機システムは価格競争の波にもまれ、17年3月期営業利益は9億円見通しと2ケタ減益基調が続きそうだが、中間期時点の通期に対する進捗率は65%に達しており、増額含みとの見方もある。天井はそれほど高い銘柄ではないが、PER11倍、PBR0.5倍台で160円近辺に放置された株価は魅力がある。

光村印刷 <7916> も変身期待を内包している。天皇陛下が在位30年を節目として譲位を希望されていることを受け、政府が検討している皇位継承では「元号関連」の一角として急動意をみせた。株価は目先中段で動きを止めているが、0.4倍台の超低PBRを考慮すれば再人気化のタイミングが待たれる局面だ。

●ASTIはIoT時代が活躍の舞台に、都市再開発追い風のタカノ

ASTI <6899> [東証2]は昨年8月に上放れて以降、13週移動平均線を一度も下回らず一貫した上昇波を形成。ワイヤーハーネスなど車載や家電用電装品を生産しIoT時代の到来を前に新技術にも期待が大きい。PER9倍弱でPBRも0.5倍台と割安感が際立つ。

タカノ <7885> も目先の押し目は仕込み好機である可能性が高い。同社は液晶向けなどの画像検査装置を生産するほか、オフィス用いすのOEM供給を展開する。都市再開発の動きをフォローの風にオフィス用いすの需要好調、液晶検査装置は中国や台湾の設備増強の動きをとらえている。

◆ライジングドラゴン・アット・バリュー 12銘柄◆

今期営業

銘柄 <コード>        増益率   PBR   株価

KG情報 <2408> [JQ]    24.6   0.68   685

日化産 <4094> [東証2]    45.6   0.67  1003

秀英予備校 <4678>       89.1   0.79   432

オハラ <5218>          6.3倍  0.54   817

Tスマート <6246> [東証2]  92.9   0.77   748

西芝電 <6591> [東証2]   ▲17.5   0.55   163

ASTI <6899> [東証2]   34.2   0.57   446

アールビバン <7523> [JQ]   5.3   0.55   553

タカノ <7885>         12.4   0.49   874

光村印 <7916>         89.4   0.46   251

イワキ <8095>         39.2   0.51   248

イーストン <9995>        3.5   0.64   546

(単位:%、倍、円)

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