ログイン
2017年5月22日 18時45分
特集

桂畑誠治氏【上昇軌道“完全復帰”いつ? 漂い始めた割安感】(1) <相場観特集>

―日経平均PERに値ごろ感、バリュエーションからは上値余地―

22日の東京株式市場は、前週末の米国株市場が強調展開をみせたことを受け買いが優勢だった。しかし、トランプ米大統領の“ロシアゲート疑惑”に対する不透明感や、挑発を繰り返す北朝鮮など地政学リスクが重荷となり、相場全般は気迷いムードも拭いきれない状況だ。ここまで「セル・イン・メイ」を想起させるような展開とはなっていないが、先高期待も盛り上がらない5月相場。ここからの展望について、第一線で活躍する市場関係者の意見を聞いた。

●「日経平均は調整を交えながらも上値指向を継続」

桂畑誠治氏(第一生命経済研究所 主任エコノミスト)

トランプ米大統領のロシアゲート疑惑についてはすぐに結論が出る類いのものではなく、ここから紆余曲折があるだろう。トランプ氏が掲げていた大規模な経済政策の早期実行にも疑問符がつく状況だが、これはむしろ景気を刺激し過ぎないことで強健な米国経済を長続きさせる可能性があり、一概にネガティブとも言い切れない。

トランプ氏の弾劾については、共和党の賛成も必要となることから現時点での可能性は薄いといえる。今月30日以降にコミー前FBI長官の議会証言が行われる見通しにあるが、同疑惑に対する新たな材料が浮上して万が一弾劾が成立したとしても、米国株の大勢トレンドを揺るがすには至らないだろう。超保守派のペンス副大統領が大統領に昇格しても、政策運営が円滑になることはないものの、経済にとってマイナス面も少ない。仮にショック安があれば一時的なもので、そこは拾い場となり得るだろう。

北朝鮮を巡る地政学リスクも、もし核実験を実際に行った場合は緊張が一気に高まるが、今までの延長でミサイルの試射であれば、リスクオフの流れが一気に強まることもなさそうだ。この有事リスクとは常に背中合わせではあるが、株式市場は共存しながら戻りトレンドを維持することが可能とみている。

今週のスケジュールでは、まず25日のOPEC総会が注目されているが減産の方向でコンセンサスが固まっており、原油市況は強含みで推移することが予想され、これは株式市場にもポジティブに働こう。また、26~27日に行われるG7サミットは対中や対ロシアでまとまる感じはしない。ただ、マーケットはこのG7に大きな期待は寄せておらず、全般相場に下値リスクをもたらすようなことにはならないだろう。6月2日の米5月の雇用統計は強めの数字が予想され、6月13~14日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)は利上げが濃厚。相場はこれを既に織り込んでいるとしても、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見で債券の再投資停止によるFRBのバランスシート調整が俎上に載ることも想定されるだけに、その点は注意が必要だと考えている。

日経平均株価は下値があっても1万9000円台を割り込む公算は小さく、上値は調整を交えながら、2015年6月の高値2万952円を秋口までにチャレンジする展開が有力とみている。

(聞き手・中村潤一)

<プロフィール>(かつらはた・せいじ)

第一生命経済研究所 経済調査部・主任エコノミスト。担当は、米国経済・金融市場・海外経済総括。1992年、日本総合研究所入社。95年、日本経済研究センターに出向。99年、丸三証券入社。日本、米国、欧州、新興国の経済・金融市場などの分析を担当。2001年から現職。この間、欧州、新興国経済などの担当を兼務。

株探ニュース

相場観特集

第一線の市場関係者がズバリ斬る!

関連記事・情報

  1. 藤井知明氏【上昇軌道“完全復帰”いつ? 漂い始めた割安感】(2) <相場観特集> (05/22)
  2. 高岡隆一の【今日のポイントとヒント】 「トランプ波乱はあるが、流れは変わらず」 (05/22)
  3. 【植木靖男の相場展望】 ─ 辛抱を強いられる段階か (05/21)
  4. 【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ トランプ・リスクを跳ね返す新主役株 (05/21)
  5. 富田隆弥の【CHART CLUB】 「始まったセルインメイ」 (05/20)
  6. 買い場到来【RSI(20%以下)】低PBR 13社選出 <テクニカル特集> 5月22日版
  7. 18年3月期【利益成長株】ベスト30 〔中小型株編〕 <成長株特集> (05/21)
  8. 上昇相場は終わらない、株価躍進候補“最強セレクション10銘柄” <株探トップ特集> (05/20)
  9. 5万円以下で買える、今期最高益「お宝候補」28社選出 <割安株特集> (05/20)

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! (5月17日発表分) 注目
  2. 2
    令和相場“反撃のシナリオ”、爆速上昇!「AI」隠れ有望株5銘柄 <株探トップ特集> 特集
  3. 3
    20年3月期【最高益】銘柄リスト〔第2弾〕 42社選出 <成長株特集> 特集
  4. 4
    【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (5月17日現在) 特集
  5. 5
    【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ リバウンド狙い!米中懸念を織り込み相場反転へ 市況
人気ニュースベスト30を見る
ゲストさん プレミアム会員登録
ログイン PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘することを目的としておりません。
投資の最終決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、 China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.