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2017年6月5日 20時00分
特集

コメダ、タリーズ、星乃珈琲…、喫茶店株に“株高の夏”到来気配 <株探トップ特集>


―拡大する「高価格型」喫茶店市場、気温上昇の後押しにも期待感―

 いま喫茶店株に注目が集まっている。長く低価格路線を走って来た喫茶チェーン業界だが、ここ近年の“高級路線”へのシフトが功を奏し、業績も絶好調だ。さらに、今年の夏は「暑くなる」との思惑も喫茶店株上昇の大きな支援材料になりそうだ。暑い夏に向けて、熱い視線が集まりそうな喫茶店チェーン株を追った。

●シニア需要獲得で高価格型喫茶店が拡大

 依然としてデフレ脱却が進まないなか、厳しい経営環境が続く外食産業において、喫茶チェーンが異彩の輝きを放っている。一時は、喫茶店離れもささやかれ不透明な環境に覆われていたが、喫茶チェーンの多くが高価格帯の商品を前面に押し出した高級路線ともいえる店舗戦略をとり、これが顧客のニーズを捉えている。業界全体でみると、個人経営による喫茶店の減少が影響し全体の市場規模は縮小傾向が続いているが、それを喫茶チェーンが吸収している格好だ。

 それを裏付けるかのような調査結果が出ている。市場調査会社の富士経済によると、「喫茶」全体の市場規模は2015年には1兆4259億円だったものが、16年には0.2%減の1兆4235億円に減少する見込みだが、「高価格型喫茶店・コーヒー専門店」に限れば、15年の835億円から16年には5.1%増の878億円に拡大するとしている。

 これについて富士経済では、「11年に星乃珈琲店がオープンし、積極的に店舗数を増やしたことで、市場は大幅に拡大した。15年には、上位チェーンを中心に店舗数の増加が続いたことから市場は前年比9.9%増の835億円となった」。また「喫茶店・コーヒー専門店はコメダ珈琲店の積極的な出店により、シニア需要を獲得しながら拡大を続けている」と分析している。

●暑い夏到来で思惑も

 こうした時流を捉えた戦略の転換が収益にも反映し、業績はもちろん関連銘柄の株価も絶好調だが、ここにきてもうひとつ支援材料が発表された。気象庁が5月24に発表した6~8月までの3ヵ月予報によると、今年の夏は、全国的に暖かい空気に覆われやすく、気温は平年より高い見込みだという。特に8月は、厳しい暑さに見舞われることも予想されるとしている。

 “暑い夏”の到来は、外を歩く人がたまらず涼をとりたくなり、思わず喫茶店の扉を開けてしまうというケースなども考えられ、集客に寄与する可能性も指摘される。まさに真夏の熱風は追い風にほかならない。

●ドトール・日レスは「星乃珈琲」で攻勢

 コーヒーショップ関連株に注目が集まるのは、もちろん“猛暑思惑”だけではない。ドトール・日レスホールディングス <3087> は、「ドトールコーヒー」に加え、客単価の高い「星乃珈琲店」が好調で、4月14日に発表した18年2月期の連結業績予想では、2期連続の最高益更新を見込んでいる。株価は、5月12日に年初来高値2465円をつけたあと、26日には2335円まで売られ若干調整していたものの、ここにきて年初来高値を再び視野に入れてきている。

 同社では、「夏に向けて売り上げ、客数ともに上向くのは例年のことだ。やはり(顧客の)回転率などもよく、こちらは織り込んでいる。冬はコーヒーをゆっくりと飲まれる方が多いが、夏は喉が渇いて我慢できずに飛び込んでくるといった方が多いように見受けられる」(広報)という。既に、「織り込んでいる」とのことだが、今年は既に5月から夏日を観測するなど猛暑の片鱗(りん)を感じさせており、仮にイレギュラーともいえる暑さとなれば、業績上振れ要因につながる可能性もある。

●シルバー層の心理捉えるコメダHD

 ここ喫茶店関連株に注目が集まっているが、そのきっかけとも言えるのが、昨年6月のコメダホールディングス <3543> の上場だ。中京地盤で「コメダ珈琲店」を中心に一気に全国展開を加速、まさに喫茶店業界の風雲児といえる。高齢化社会が急速に進むなか、昭和レトロな店舗戦略もシルバー層の心理を捉え、需要を喚起している。4月12日に発表した18年2月期の連結業績予想は、売上高が前期比8.3%増の260億4700万円、営業利益は5.2%増の72億4300万円、純利益8.2%増の48億7600万円と連続最高益更新を予想している。こうした好業績を受け5月31日には1993円まで買われ年初来高値を更新、株式公開3日目の昨年7月1日につけた上場来高値2002円を射程に捉えている。

 高級喫茶「椿屋」などを展開する外食チェーンの東和フードサービス <3329> [JQ]も見逃せない存在だ。同社は5月29日に18年4月期の単体業績予想を発表、営業利益は32.0%増を予想している。そのほかでは、「喫茶室ルノアール」など展開する銀座ルノアール <9853> [JQ]、「サンマルクカフェ」や「倉式珈琲店」などのサンマルクホールディングス <3395> にも目を配っておきたいところだ。

●伊藤園は「タリーズコーヒー」で強気の攻勢

 また、喫茶店関連のダークホースともいえるのが伊藤園 <2593> だ。緑茶飲料「お~いお茶」ブランドで知られるが、傘下企業が喫茶業態の「タリーズコーヒー」を展開している。伊藤園では「出店攻勢は続けていく。現在671店舗を展開しているが、来年の4月時点で700店舗を目指している。まだまだ、伸びしろはある」(広報部)と強気の構えをみせる。また、猛暑ならば「需要が高まると予測される」(同)という。

 伊藤園の業績も好調で、1日に18年4月期の連結業績予想を発表し、売上高は前期比3.5%増の4925億円、営業利益は3.8%増の226億円、純利益が2.2%増の140億円と増収増益を見込んでいる。株価は5月以降上昇基調にあり、同日には17年ぶりとなる高値をつけたことから、いったん利益を確定する売りが出て翌日の2日には反落。ただ、同社はサマーストックの一角であり、暑い夏の到来が予想されるなか、今後の展開に期待が高まっている。

●日経平均2万円奪回で、さらなる期待感も

 こうした好調がつづくなか、富士経済のリポートでは「高品質なフードメニューやサービスで需要を喚起したが、相次ぐ参入もあって競争が激化しており、好調なチェーンと不調なチェーンとで明暗が分かれつつある」とも指摘している。まさに“喫茶チェーン戦国時代“ともいえるなか、勝ち残りをかけてより一層の差別化とサービス品質の向上が求められることになりそうだ。

 ある業界関係者は「日経平均株価が上昇すると、コーヒー需要が高まるという統計もある」といい、1年半ぶりに2万円を奪回したことで、需要が拡大する可能性もある。業績好調に加え、暑い夏という思惑も支援材料に今後も目の離せない状況が続きそうだ。

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