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2017年7月5日 19時30分
【特集】 バリュー株が来る! 今、狙うべき有望低PBR「10銘柄」 <株探トップ特集>


―復活観測のバリュー株に物色の矛先、グロースからの資金シフトに乗る―

 足もとの東京株式市場は、再び不透明感が増している。北朝鮮に絡む地政学リスクが意識されるなか売りが厚みを増し、5日の日経平均株価は後場に戻り足をみせたものの、2万円大台攻防を視野に悩ましい展開が続く。1強体制に向け盤石とみられた安倍政権も支持率低下で揺らぎをみせ始めており、東京株式市場全体にやや重苦しい雰囲気も漂ってきた。

 米ナスダック市場の急速な調整を演出したハイテク株安が、これまで相場を牽引してきた半導体関連やネット関連など「グロース株」に位置するセクターに影を落としており、これが全体指数の上値を重くしている。

●マネーフローの変化がバリュー株復活をもたらす

 世界的な景況感回復を背景に、米国だけでなく、欧州でも金融緩和政策の出口戦略が意識されるなか金利上昇思惑が漂い始めた。セオリーを当てはめれば、金利上昇局面とグロース株の相性は決して悪くはない。だが、足もとのマネーフローの変化が、これまで成長期待という看板を背に行き過ぎに買われていたグロース株に、利益確定の動きを促していることは事実だ。

 その一方で、体を入れ替えるように、今まで動きの鈍かった低PBR銘柄、いわゆる「バリュー株」の一群に物色の矛先が向き始めている。国内外の機関投資家にもバリュー株復活の流れに着目する向きが徐々に増えている。

 このグロース株からバリュー株に向かう流れが、果たして一過性のリターンリバーサルの動きに過ぎないのか、ある程度のタームで資金シフトの動きにつながっていくのかは、まだ定かではない。ただ、日経平均が“アベノミクス高値”である、2015年6月の2万868円を払拭して2万1000円台へと歩を進めていく過程では、バリュー株の底上げは必須の条件といってもよい。次の上昇ステージで、バリュー株が輝きを増す可能性は高い。

●「鉄鋼」「海運」のローテーションが意味するもの

 ブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏は「外国人投資家だけではなく、国内の機関投資家も一部バリュー株に資金をシフトさせる動きはあるようだ。これは皆が買うから大丈夫といった“安心物色”に支えられていたグロース株が、ここにきて行き詰まりが出てきたことの裏返しであろう。米国ではFANG株と呼ばれる成長株の一群が調整局面に入り、それに追随した象徴的な銘柄が東京市場では任天堂 <7974> といえる。同時に割安株を見直すタイミングともなった。投資の大勢トレンドを変えるような大きな変化ではないが、必然的なローテーションの一つと認識している」という見解を示す。

 バリュー株、いわゆる低PBR(もしくは低PER)の銘柄を見直す動きの代表的なものが鉄鋼セクターへの物色資金の流入だ。「鉄鋼」は業種別値上がり率でも上位に顔を出すことが多くなった。それもそのはずで、5日現在でジェイ エフ イー ホールディングス <5411> が7連騰、神戸製鋼所 <5406> は10連騰と気を吐いている。両銘柄ともPBRは0.6倍程度と格安で、見直し人気を誘っている。このほか、低PBR株の宝庫である海運セクターも日本郵船 <9101> をはじめ総じて株価底入れの動きをみせている。

 ちなみに、米金利上昇を背景に活気を蘇らせた三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> をはじめとするメガバンク3社も、究極の低PBR株である。

●ジリ高で思惑膨らむ双日、市況上昇追い風の三菱マ

 流れにつくことは相場の鉄則である。バリュー株の“顔”を持つ銘柄でここから水準訂正余地の大きいものに照準を絞ってみたい。

 別掲の10銘柄は東証1部の時価総額500億円以上の銘柄を対象に、2%を超える配当利回りを確保しながら、PBRが0.8倍以下に放置されるバリュー株を中心に特に有望なものを厳選した。

 双日 <2768> はニチメンと日商岩井を母体とする総合商社で18年3月期は資源分野の回復で増収増益が見込まれる。値運びは地味だがジリ高基調を継続、配当利回りが3.5%強と非常に高く、にもかかわらずPBR0.6倍台前半は評価不足歴然で早晩300円台替えが有力視される。

 日本製紙 <3863> もPBR0.6倍前後と割安感が強い。製紙業界大手で今後は値上げによる収益メリットが物色テーマとして株価を後押しする可能性がある。ここ調整局面にあったが25日移動平均線との上方カイ離を解消した時価近辺は再び狙い目。

 鉄鋼と同様に非鉄関連株も動きが出ている。銅などの市況上昇の動きも追い風に三菱マテリアル <5711> の戻り相場は注目される。セメントも東京五輪関連工事や都市再開発の需要を取り込むほか、米国ではインフラ投資拡大政策を背景にフォローの風が吹く。

 自動車向けダイカストのトップメーカーであるリョービ <5851> も底値圏もみ合いから離脱する動きで、ここは仕込み場だろう。ダイカストは中国向けに需要旺盛でPERも10倍前後と割安感が強い。

●設投拡大で東芝機に好機、戻り初動のケーヒン

 東芝機械 <6104> は世界的な設備投資需要の拡大が業績先行きに明るさをもたらしている。前期に続いて18年3月期も営業2ケタ増益が濃厚、成長株セクターにありながらPBR0.8倍弱に位置しており、早晩株価の居どころを変えてくる公算は大きい。

 日立造船 <7004> は18年3月期業績について営業利益段階で16%減と2ケタ減益予想を発表、これが引き金となって5月中旬に急落したが、明らかに売られ過ぎ。保守的との見方が強く、上方修正の可能性を内包しており株価も戻り途上だ。

 ケーヒン <7251> はホンダ系の自動車部品メーカーで18年3月期は減収減益予想だが、海外も含め投資に積極的で19年3月期以降に回収期を迎える。底入れ確認から戻りに転じた矢先、ここはタイミング的にも注目場面だ。

●三拍子揃うジャックス、ヤマダ電は意外性魅力

 三井物産 <8031> は三井グループの中核を担う総合商社で、原油や鉄鉱石などの保有権益では業界断トツのポジションを占める。ここ原油を含めた商品市況の回復は同社にとって追い風が強い。前出の双日と同様に配当利回りが3.7%と極めて高い点もポイント。

 ジャックス <8584> はMUFGグループの信販大手で、堅実的な経営路線に評価が高い。今期大幅増収増益見通しで、低PER、低PBR、高配当利回りと三拍子揃った銘柄で上値の伸びしろは大きそう。

 家電量販店大手のヤマダ電機 <9831> は、積極的な多角化で活路を開く。本業の家電販売事業では4Kテレビが収益に貢献。住宅関連事業の採算が改善するなか、スマートハウス関連の一角としてテーマ買いの流れにも乗る。材料性豊富で意外性を発揮しそうだ。

◆バリュー株ルネッサンス 新潮流発生「生まれ変わる10銘柄」◆

銘柄 <コード>    PBR  配当利回り  株価
双日 <2768>     0.64   3.57    280
日本紙 <3863>    0.60   2.69   2229
三菱マ <5711>    0.72   2.33   3435
リョービ <5851>   0.71   2.11    474
東芝機 <6104>    0.80   2.33    514

日立造 <7004>    0.82   2.14    561
ケーヒン <7251>   0.70   2.47   1622
三井物産 <8031>   0.77   3.69   1624.5
ジャックス <8584>  0.67   2.95    542
ヤマダ電 <9831>   0.81   3.17    568

※株価は7月5日終値(単位:倍、%、円)

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