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2017年7月29日 10時00分
市況

富田隆弥の【CHART CLUB】 「個別株盛況だが、警戒怠るべからず」

日経平均株価は2万円±300円の膠着が続くが、そのもたつきをよそに個別株物色の流れは健在で、個人投資家は活発に動いている。信用買い残(7月22日現在)は2兆6210億円と7週連続で増加し、評価損率も-6.42%と3月中旬来の水準に改善、買い方の資金がうまく回転していることを示している。ひと握りの値がさ株で日経平均を押し上げるよりも、いまのように日経平均がもたついている地合いの方が個人投資家には好ましいと言えるだろう。

◆もちろん、値がさ株を含め幅広い銘柄が動きだせば日経平均も動きだし、2年前の2万0900円台高値を目指す可能性はある。企業業績は好調だし、米国株は高値を更新しており、為替が落ち着けば日本株も同時株高の流れに乗るのは難しくない。

◆だが、いつまでも日経平均が動かないでいると、そのうち米欧株が調整に転じた時に「リスクオフ=円高」となり、「同時株安」の流れに素直に歩調を合わすことになりかねない。そうなると熱い個別株物色の流れに水を差しかねず、その点にだけは注意しておきたい。

◆それにしても、なぜ日経平均は動かなくなったのか。いくつか要因を挙げるなら、日銀の市場への異常介入(PKO)でマーケットから“ウネリ”を奪っていることや、売買高の7~8割を占めると言われる超高速取引の暗躍、そして証券会社がAI取引に傾注するなかプロと言われる証券ディーラーが姿を消したことなどがある。

◆少し前まで毎月第二金曜日の「SQ日」は出来高が膨れたものだ。先物との裁定取引の清算がその日に集中したからだが、昨今のSQ日の出来高は平日とほとんど変わらず、裁定取引がいま衰退していることを想定させる。

◆代わりに台頭しているのは「ETF」売買だ。「××ファンド」「○○ファンド」と名を変えながら数百銘柄をパッケージにしたETFを組成し、それを証券会社も機関投資家も運用機関(ファンド)もみな同じように取引を行っている。ナスダックのFANG(フェイスブック、アマゾンドットコム、ネットフリックス、グーグル)に世界のマネーが集まっているが、それも同じようなもの。つまり、世界に溢れている緩和マネーが運用難で、利回りの良い運用機関(ファンド)に資金を振り向けている。そして、膨大なマネーを預かったファンドはどこかで運用しなければならず、ETFやFANGにマネーをジャブジャブに注いでいる、それが実態と見ている。

◆日本のみならず世界のこうした異常取引は、歴史的に溢れている未曾有の緩和マネーによるもので、この異常取引の反動がどこかで訪れる可能性のあることを頭に入れておかねばならないだろう。「AI」なら必ず儲かる…そんな甘い投資の世界がいつまでも続くとも思えない。

◆過去最低にある米国VIX(恐怖指数)や日本のVI(ボラティリティ・インデックス)は「調整入りがそう遠くない」ことを示唆しているように映る。日経平均やNYダウが高値圏にあるうちは問題ないが、陰転の兆しを見せるなら侮ることなく、個別株も機敏に対応することが必要となろう。

(7月27日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

株探ニュース

富田隆弥

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