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2017年11月29日 19時30分
特集

吉野家? 丸亀製麺? それとも…、誕生前夜・日本発「グローバル外食企業」 <株探トップ特集>

―急増・アジアの「日本ブランド外食店」、外需型変貌外食産業の行き先―

国内外食チェーンの海外展開が一段と拡大している。農林水産省が11月7日に公表した調査によると、海外にある日本食 レストランの数は約11万8000店(10月時点)で、前回調査の15年7月から3割増加した。うちアジアは5割増の約6万9300店と、世界全体の約6割を占めている。海外で高まる日本食ブームを追い風に、元来内需型とされてきた外食産業は急速な変貌を遂げている。

●訪日外国人の増加で関心高まる

アジアで日本食レストランが広がっている要因のひとつとして、訪日外国人の増加で日本食への関心が高まっていることが挙げられる。観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向」の17年7-9月期報告書では、外国人が日本を訪れる前に期待していることのトップは「日本食を食べること」。これを裏付けるように、同期間に訪日外国人が飲食に費やした金額は1人当たり3万4829円と旅行支出総額の20%超に上り、日本料理が観光資源になっていることがうかがえる。アジア経済の成長に伴って同地域の購買力が向上するなか、中国人など訪日客の増加で寿司屋やラーメン店などの人気が高まり、中国の日本料理店は過去5年間で約2倍増の2万店舗超まで拡大している。

また、日本貿易振興機構(ジェトロ)が3月に公表したリポートによれば、タイの日本食レストランは昨年6月時点で2713店舗。15年まで平均約20%を誇っていた増加率は16年に3.6%増と鈍化したが、バンコクでの1.4%増に対し、地方では7.7%増加しており、地方ではまだ出店余地があると指摘している。このほか、シンガポールに関するリポートでは、「SASHIMI(刺身)」「OMAKASE(おまかせ)」「IZAKAYA(居酒屋)」などの用語が根付き、現地向けにアレンジされた店舗が若い世代を中心に人気を集めているという。

一方で、国内市場を見渡すと、人口減の影響から大きな成長が見込みにくくなっており、16年の国内外食産業の市場規模は25兆4169億円と、ピークをつけた1997年の29兆702億円に届かない状況が続いている。海外(なかでもアジア)市場は国内外食企業にとって成長ドライバーとなり得るだけに、今後も日本ブランドの外食店が増加することが予想される。

●吉野家HDは中国・四川に出店

日本食ブームを追い風に、海外展開を積極的に推し進めているのが吉野家ホールディングス <9861> だ。8月末時点の海外店舗数は776店で、18年2月期第2四半期累計期間(3-8月)には54店舗を新たに出店する一方、11店舗を閉鎖した。足もとでは米国や中国での売り上げが堅調に推移しており、同期間の海外売上高は95億2500万円(前年同期比17.7%増)に拡大。今月27日には牛丼チェーン「吉野家」の海外20番目のエリアとして中国四川省に出店し、同エリアで今後3年以内に10店舗を出店する構えだ。

●トリドールHDはミャンマーに進出

トリドールホールディングス <3397> の18年3月期第2四半期(4-9月)末時点の海外店舗は375店で、同期間の海外売上収益は34億3300万円(前年同期比23.3%増)と好調だった。7月に米国の外食ファンドへの出資を発表したほか、8月には讃岐うどん専門店「丸亀製麺」をフィリピンに初出店。10月にはミャンマーに現地企業と合弁会社を設立するなど、同社も海外進出への意欲が強い。

●元気寿司の2Q海外売上高39%増

元気寿司 <9828> の9月末時点の海外店舗数は167店。18年3月期第2四半期(4-9月)にはシンガポール1店舗、香港4店舗、中国5店舗、インドネシア2店舗、フィリピン1店舗、オーストラリア1店舗を新たに出店した。フランチャイズ先への派遣指導などを充実させるとともに、季節メニューの紹介や食材の販売強化に取り組んだことが功を奏し、同期間の海外売上高は38億400万円(前年同期比38.6%増)と大きく伸びた。

●壱番屋、力の源HDなどにも注目

このほか海外で多店舗展開する企業としては、壱番屋 <7630> が155店舗(8月末時点)、大戸屋ホールディングス <2705> [JQ]が96店舗(うちフランチャイズ83店舗、9月末時点)、コロワイド <7616> が147店舗(うち直営94店舗、9月末時点)、力の源ホールディングス <3561> [東証M]が71店舗(9月末時点)。

ワイエスフード <3358> [JQ]は45店舗(9月末時点)、プレナス <9945> は204店舗(やよい軒185店舗、8月末時点)、アークランドサービスホールディングス <3085> のカツ丼専門店「かつや」は34店舗(6月末時点)、ワタミ <7522> は78店舗(9月末時点)を展開している。

●ホシザキ、福島工業などに追い風

外食企業が海外展開するうえで、品質と生産性を確保するための重要な要素となるのが厨房機器の調達だ。最近では独自の厨房機器開発を伴うメニューの特性がその店の目玉になっている場合も少なくなく、厨房機器メーカーの海外ビジネスはさらなる拡大が期待できる。

ホシザキ <6465> の海外売上高比率は30%超で、連結グループ会社は国内17社に対して、海外36社(17年3月末時点)とグローバル体制を構築。また、フジマック <5965> [東証2]と福島工業 <6420> は中国やタイ、シンガポールなどアジアを中心に生産・営業拠点を展開しているほか、マルゼン <5982> [東証2]はタイと台湾に関連会社がある。

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