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2017年11月30日 19時30分
特集

新「中国関連株」が来る、環境規制強化で商機つかむ銘柄は <株探トップ特集>

―熱烈歓迎・中国環境規制強化策、クリーン技術優位の日本企業にビジネス機会―

「中国が環境規制を強めている」と聞くと「何を今さら」と言われそうだが、近年の大気汚染 土壌汚染 事件の摘発を受けて、中国国民の環境問題に対する関心が高まっており、これまで国際的な環境負荷に対する批判に対して消極的な姿勢だった中国政府も、ここにきてようやく取り組みを本格化させている。その一方、現地企業には締め付けが強まる環境規制に対応できる企業や、問題を解決する技術を持つ企業は少ない。環境問題で先行する日本企業の商機になっており、新たな「中国関連」といえるこうした銘柄に注目したい。

●大気汚染よりも深刻な土壌汚染

テレビの報道番組などでよく目にするのが、中国におけるPM2.5(微小粒子状物質)の発生だが、さらに深刻なのが土壌汚染といわれている。工場や農業用ビニールフィルムなどから出た化学物質は長い年月をかけて地下水に入り、農産物を汚染し、身体にも悪影響を与えている。

中国の環境保護省が14年に発表した全国的な土壌検査でも、国土の3分の2に当たる約630万平方キロメートルのうち、約16%の土地と耕作地の約19%で基準値を上回る汚染が確認されたとしており、問題の深刻さがうかがえる。

こうした状況を受けて中国政府は11年に重金属汚染総合対策第12次5ヵ年計画を策定し、土壌汚染の防止・浄化に対する取り組みを本格化させたが、対策については成果は少なかった。

●土地汚染防治法の草案公表で対策加速

しかし、昨年5月に土壌汚染防止行動計画(土十条)が公布されて以降、法整備が加速。さらに、今年3月の全国人民代表大会において李克強首相が行った演説で、「われわれは土壌汚染について徹底的に調査し、この問題に対処するための分野別の政策を開発、実行する」と語ったこときっかけに風向きも変わっている。6月には土地汚染に対する土地使用者の責任を明確にした「土地汚染防治法」の草案が公表され、この動きに拍車がかかっている。

これを受けて中国でも土壌汚染調査や浄化ビジネスが活発化し、参入企業も増えているが、前述のように問題を解決する技術を持つ企業は少ないのが現状だ。また、これまでの土壌汚染は責任の所在が不明確であったため、対策資金のほぼ全てを政府が賄っていたが、今後は企業が土壌汚染対策資金を支出しなければならなくなる(農耕地の汚染対策責任は政府が負う)ことも、技術で優位に立つ日本企業にプラスに働いているようだ。

●実績を順調に積み上げる日本企業

中国における土壌汚染対策で注目されるのは、エンバイオ・ホールディングス <6092> [東証M]だ。既に複数件の浄化実績があり、浄化技術が現地で高く評価されていることから、今年1~6月だけでも中国で、調査工事8件、浄化工事2件の受注を獲得。土壌汚染防治法草案公表後も汚染調査・浄化の引き合いが増えている。

また、片倉コープアグリ <4031> は、中国のハウス農園土壌の改良により、施肥診断の実施や土壌病害の軽減を図るための事業を進めていたが、来年1月には、上海市に土壌診断・改良指導を行う合弁会社を設立する予定。これまで以上に中国の土壌汚染対策に力を入れる方針だ。

このほか、オルガノ <6368> は中国で8件の土壌調査実績があるほか、DOWAホールディングス <5714> も土壌浄化事業で中国に合弁会社を設置しており、実績を積み上げている。

●汚染物質の排出抑制で製紙業界にも恩恵

中国では、既に汚染された土壌の浄化だけでなく、汚染物質を出さないための規制の強化も行われている。中国国務院は2015年4月に中長期的な水質改善を目指して行動計画を作成した。20年に目標を置き、全体的な汚染物質排出抑制を行うとしており、製紙業種などで新規、小型、都市近郊などの工場閉鎖を進めるほか、新技術の導入や、汚染処理設備の更新などを促している。

これを受けて、中国では段ボールの原料になる古紙の輸入規制を強めているが、その分、日本からの輸入が増えており、レンゴー <3941> や王子ホールディングス <3861> などへの恩恵が期待できる。また、製紙業界では、日本企業の工場は環境対応に優れていることから、中国企業が規制で生産量を減らすなかにあっても生産量を増やしており、北越紀州製紙 <3865> では、白板紙の生産能力を3年以内に倍増させる方針だ。

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