欧米為替見通し:ドル・円は伸び悩みか、ユーロの地合いの強さを確認

通貨
2018年1月17日 17時25分

今日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想したい。欧州中銀(ECB)の引き締め観測後退でユーロが失速すれば、ドルの買戻しが入りやすい見通し。ただ、ユーロは地合いの強さが示され、ドルへの下押し圧力は継続しそうだ。

前日の取引で米政府の暫定予算は期限である19日が迫り、政府機関の閉鎖は必至との懸念からドル売り基調に振れた。不法移民の若年者の強制送還を保護する政策をめぐり、合意は困難との見方が背景。また、米株式市場でNYダウが26000ドルの大台を初めて上抜けたが、その後達成感により反落したこともドル売り要因。

本日のアジア市場では、ユーロ・ドルが節目の1.23ドルを上抜け、ユーロ買いが再開するとドルの下押し圧力が強まり、ドル・円は一時110円20銭まで弱含む場面もあった。その後、ユーロ・ドルの失速でドルは110円後半に浮揚したが、今晩もユーロ買いに押されやすい展開となるだろう。

一方、ドイツの第2党である社会民主党で、メルケル首相率いる保守系会派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との大連立に反対する動きが広がり、政局リスクが意識されている。また、欧州中央銀行(ECB)が25日開催の理事会で、資産買入れ継続のガイダンスを取り下げる可能性が低下。フランス中銀のビルロワドガロー総裁によるユーロ高けん制発言を手がかりに前日はユーロが売られた。

しかし、ドイツ連銀のバイトマン総裁のように引き締めに前向きな見解もあり、ユーロには買戻しが入りやすい。市場ではユーロの地合いの強さから先高観が広がっており、引き続きドル・円を押し下げる要因となりそうだ。

【今日の欧米市場の予定】

・19:00 ユーロ圏・12月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.4%、速報値:+1.4%)・21:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:+8.3%)

・23:15 米・12月鉱工業生産(前月比予想:+0.4%、11月:+0.2%)

・23:15 米・12月設備稼働率(予想:77.3%、11月:77.1%)

・24:00 米・1月NAHB住宅市場指数(予想:72、12月:74)

・24:00 カナダ中銀が政策金利発表(0.25ポイント引き上げ予想)

・04:00 米地区連銀経済報告(ベージュブック)

・05:00 エバンス米シカゴ連銀総裁とカプラン米ダラス連銀総裁が質疑応答米経済情勢と金融政策)

・06:00 米・11月対米証券投資収支(10月:ネット長期有価証券+232億ドル)

・06:30 メスター米クリーブランド連銀総裁講演(金融政策の伝達)

《CS》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.