【投資部門別売買動向】海外勢が3週連続で大規模売り、個人など国内勢が買い向かうも相場下振れ (1月第5週)
●海外投資家による3週連続の大規模売りに対して個人投資家など国内勢が買い向かうも、押し切られレンジ相場を下振れる
東証が8日に発表した1月第5週(1月29日~2月2日)の投資部門別売買動向によると、米株市場の変調や円高でリスク回避の売りが優勢となり日経平均株価が2万4000円を上値の壁とする3週間にわたるレンジ相場から下振れたこの週は、海外投資家が4週連続で売り越した。売越額が3525億円と前週から若干減少したものの、3週連続で部門別売越額トップとなった。海外投資家の売買動向を月間ベースでみると、昨年10月に2兆2300億円と大規模に買い越したが、11月以降は3ヵ月連続で売り越している。3ヵ月合計の売越額は1兆2600億円と半分以上を売り抜けた形だ。証券会社の自己売買部門が3週ぶりに売り越し、売越額は3269億円だった
一方、個人投資家は2週連続で買い越し、買越額は2733億円と前週の1817億円から大幅に増加した。個人信用の買越額は1748億円と前週同様に約2年ぶりに大きさだったうえ、個人現金の買越額は前週比6.8倍の984億円に急拡大した。信託銀行部門も3週連続で買い越し、買越額は1787億円と前週から5.7倍に膨らんだ。投資信託部門も2週連続で買い越し、買越額は1322億円だった。
海外投資家による3週連続の大規模売りに対して個人投資家や信託銀行など国内勢が買い向かったものの、押し切られレンジ相場を下振れた格好だ。
■投資部門別売買代金差額 (1月29日~2月2日)
東証・名証2市場の1・2部と新興企業向け市場の合計[総合証券ベース(全52社)]
※単位:億円(億円未満切り捨て) ▲は売り越し
海外投資家 信託銀行 個人合計 [ 現金 信用 ] 日経平均 ( 前週比 )
1月 ―――
第5週 ▲3,525 1,787 2,733 [ 984 1,748 ] 23,274円 ( -357 円)
第4週 ▲3,560 313 1,817 [ 144 1,672 ] 23,631円 ( -176 円)
第3週 ▲2,222 505 ▲229 [ ▲624 394 ] 23,808円 ( +154 円)
第2週 ▲316 ▲121 1,774 [ 196 1,577 ] 23,653円 ( -60 円)
第1週 4,851 35 ▲5,746 [ ▲4,578 ▲1,167 ] 23,714円 ( +949 円)
12月 ―――
第4週 ▲22 ▲65 ▲1,186 [ ▲1,534 347 ] 22,764円 ( -137 円)
第3週 1,223 239 ▲3,340 [ ▲3,574 234 ] 22,902円 ( +349 円)
第2週 ▲122 991 ▲826 [ ▲1,984 1,158 ] 22,553円 ( -257 円)
第1週 ▲2,168 2,689 ▲750 [ ▲1,046 296 ] 22,811円 ( -7 円)
11月 ―――
第5週 ▲1,973 ▲304 ▲672 [ ▲1,704 1,031 ] 22,819円 ( +268 円)
第4週 ▲2,819 917 ▲433 [ ▲760 327 ] 22,550円 ( +154 円)
第3週 ▲3,211 ▲102 2,353 [ 1,342 1,011 ] 22,396円 ( -284 円)
第2週 670 117 ▲1,315 [ ▲2,766 1,450 ] 22,681円 ( +142 円)
第1週 528 ▲953 ▲1,326 [ ▲2,588 1,262 ] 22,539円 ( +530 円)
10月 ―――
第4週 6,703 ▲299 ▲5,951 [ ▲5,909 ▲41 ] 22,008円 ( +550 円)
第3週 4,452 ▲647 ▲4,955 [ ▲4,884 ▲70 ] 21,457円 ( +302 円)
第2週 4,593 ▲441 ▲3,475 [ ▲3,467 ▲8 ] 21,155円 ( +464 円)
第1週 6,575 255 ▲3,751 [ ▲3,619 ▲132 ] 20,690円 ( +334 円)
9月 ―――
第4週 2,017 ▲206 ▲2,326 [ ▲2,588 262 ] 20,356円 ( +59 円)
第3週 ▲611 ▲1,008 ▲3,180 [ ▲2,980 ▲200 ] 20,296円 ( +386 円)
第2週 ▲4,172 ▲1,043 ▲4,252 [ ▲3,523 ▲729 ] 19,909円 ( +634 円)
第1週 ▲2,948 1,073 662 [ 390 272 ] 19,274円 ( -416 円)
※「信託銀行」は年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)など年金基金の売買動向を映すとされる部門。「個人・現金」は個人投資家による現物取引の売買動向、「個人・信用」は個人投資家による信用取引の売買動向。
※日銀が金融緩和策の一環として実施しているETF(上場投資信託)の買い入れは、ETFを組成する証券会社の自己売買部門を通じて買い入れているとみられる。
株探ニュース