明日の株式相場見通し=疑心暗鬼で投資意欲後退、円高進行で業績不安も
あす(15日)の東京株式市場では、市場参加者は引き続き外国為替市場での円相場の動向を注視しながらの疑心暗鬼の心理状態で、投資姿勢が定まらない展開となりそうだ。きのう、きょうと連日で、前日の米株高を好感して朝方は堅調にスタートしたものの、買い一巡後に円高・ドル安進行を嫌気して大きく売り込まれる変動幅の大きな波乱展開に揺さぶられて、参加者の投資意欲が後退しているようだ。
市場関係者からは「きょうは、東京外国為替市場で午後1時過ぎに、一時1ドル=106円80銭台まで円高・ドル安が加速し、これを嫌気して自動車など主力の輸出関連銘柄が売られ日経平均株価は一時、前日比300円近く下落して、2万1000円台を割り込む場面もあった。1ドル=108~110円という多くの輸出企業の想定為替レートを大きく円高・ドル安方向に逸脱しており、18年3月期の業績下方修正はもちろん、19年3月期の業績想定にも大きなマイナス要因となりかねない事態となってきた」との見方が出ていた。
14日の東京株式市場は、前日の米株上昇を引き継ぎ高く始まったものの、買いが続かずマイナス圏に沈んだ。日経平均は一時、2万1000円台を割り込む場面もあり、後場後半に下落幅を縮小し終値は前日比90円51銭安の2万1154円17銭と3日続落した。
日程面では、12月の機械受注統計、13日時点の給油所の石油製品価格に注目。海外では、米1月の生産者物価、米1月の鉱工業生産・設備稼働率、中国春節休み(15~21日)が焦点となる。(冨田康夫)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)