話題株ピックアップ【夕刊】(1):竹内製作所、ビックカメラ、ソフトバンク
■竹内製作所 <6432> 2,552円 +202 円 (+8.6%) 本日終値 東証1部 上昇率5位
竹内製作所<6432>が急伸。同社が10日取引終了後に発表した18年2月期の連結決算は売上高943億4200万円(前の期比13.7%増)と2ケタ増収を確保し、最終利益は95億4700万円(同23.1%増)と大幅な伸びをみせた。欧米向けにミニショベルが好調で新型機投入効果も反映された。なお、19年2月期の売上高は970億円(前期比2.8%増)と増収を見込むものの、営最終利益は90億円(同5.7%減)と減益を見込んでいる。今期減益見通しながら、想定為替レートを1ドル=103円とかなり厳しくみていることや、前期の配当を従来計画より4円多い36円とし、19年2月期はさらに前期比4円増配の40円としていることが評価された。
■三井海洋開発 <6269> 2,785円 +200 円 (+7.7%) 本日終値 東証1部 上昇率6位
三井海洋開発<6269>、日本海洋掘削<1606>が急伸。早稲田大学が10日取引終了後、同大学の高谷雄太郎講師および東京大学の加藤泰浩教授らの研究チームが、南鳥島レアアース泥の資源分布の可視化とそれに基づく資源量の把握を行い、世界需要の数百年分に相当する莫大な資源量が存在することを確認したと発表。これを受けて、加藤教授が座長を務める「レアアース泥開発推進コンソーシアム」のメンバーである2社に買いが入った。発表によると、同時にレアアース濃集鉱物を選択的に回収する技術を確立し、資源開発の経済性を大幅に向上させることにも成功したという。なお、同コンソーシアムのメンバーではないものの、ボーリングマシンのトップメーカーで温泉、地下水開発などを手掛ける鉱研工業<6297>にもレアアース関連物色が波及した。
■ビックカメラ <3048> 1,863円 +131 円 (+7.6%) 本日終値 東証1部 上昇率8位
10日、ビックカメラ <3048> が決算を発表。18年8月期上期(17年9月-18年2月)の連結経常利益は前年同期比34.3%増の144億円に拡大し、従来予想の120億円を上回って着地したことが買い材料視された。ビックカメラ2店舗などを新規出店。商品別ではデジタルカメラやパソコン本体、ゲームなどの販売が大きく伸びた。業績好調を踏まえ、通期の同利益を従来予想の260億円→284億円に9.2%上方修正。増益率が6.7%増→16.6%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せした。併せて、発行済み株式数の5.33%にあたる1000万株(金額で149億7000万円)を上限に自社株TOB(株式公開買い付け)を実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。
■ツガミ <6101> 1,464円 +63 円 (+4.5%) 本日終値
ツガミ<6101>や牧野フライス製作所<6135>、オークマ<6103>など工作機械株が高い。米中貿易摩擦の懸念後退で、工作機械などに見直し買いが流入した。中国が自動車製造で外資の過半出資を認め、輸入拡大へ車などの関税を引き下げる方針を打ち出したことで、中国向け設備投資の需要拡大への期待も膨らんだ。また、この日発表された2月の機械受注が市場予想を上回ったほか、10日に発表された3月の工作機械受注総額の速報値は、前年同月比28%増だった。
■スギホールディングス <7649> 6,140円 +260 円 (+4.4%) 本日終値
スギホールディングス <7649> が急反発し、年初来高値を更新した。10日に発表した18年2月期の連結経常利益は前の期比8.5%増の259億円で着地。続く19年2月期も前期比2.3%増の265億円に伸び、4期連続で過去最高益を更新する見通しとなったことが買い材料視された。前期はドラッグストア「スギ薬局」80店舗を新規出店し、22期連続の増収を達成した。今期は診療報酬改定に伴う薬価引き下げが逆風となるが、他社との連携や生産性向上、営業体制の強化に注力し、5期連続の経常増益を目指す。業績好調に伴い、今期の年間配当は前期比10円増の70円に増配する方針としたことも支援材料となった。併せて発表した3月既存店売上高は前年同月比6.1%増と5ヵ月連続で前年実績を上回った。
■MonotaRO <3064> 3,905円 +140 円 (+3.7%) 本日終値
工場用間接資材のネット通販を運営するMonotaRO <3064> が大幅反発し年初来高値を更新した。10日、3月の売上高が前年同月比22.3%増の91.5億円だったと発表しており、これを好感する買いが向かった。同社はリスティング広告の出稿と検索エンジン最適化の取り組みを主軸とした積極的な顧客獲得活動を展開している。3月は前期と比べ営業日数が1日少なかったが、新規顧客獲得数を伸ばし、今期に入り3ヵ月連続で前年同期比20%以上プラスを達成した。
■ソフトバンクグループ <9984> 7,980円 +266 円 (+3.5%) 本日終値
ソフトバンクグループ<9984>が大幅続伸。10日の米株式市場がITなどハイテク株を中心に大幅高となり、「ビジョンファンド」を通じて世界のIT関連株に積極的な投資を行う同社株に見直し買いが流入した。また、同社傘下の米通信会社スプリントとTモバイルUSが、再び合併交渉を行っているとの報道が流れたことを受けスプリントの株価が急伸したことも、ソフトバンクの買い要因に働いた。
■住友金属鉱山 <5713> 4,516円 +140 円 (+3.2%) 本日終値
住友金属鉱山<5713>や三菱マテリアル<5711>、三井金属<5706>など非鉄株が高い。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は10日に前日比115ドル高の1トン=6945ドルに上昇。中国の習近平国家主席の講演を受け、米中貿易摩擦の懸念が後退し、世界景気拡大への期待が高まり銅価格が上昇している。海外市場でBHPビリトンやリオ・ティントといった大手非鉄株が上昇していることも追い風となった。
■ハーモニック <6324> 5,840円 +180 円 (+3.2%) 本日終値
ハーモニック・ドライブ・システムズ<6324>が大幅続伸。10日の取引終了後に発表した第4四半期(1~3月)受注高・売上高実績(単独ベース)で、受注高は前年同期比30.8%増(前四半期比7.3%増)の181億1300万円となり、四半期ベースで過去最高額となったことが好感された。前年同期比ではフラットパネルディスプレー製造装置向けが減少したものの、産業用ロボット向けや半導体製造装置向け、モーターメーカー向けギアヘッドや、石油掘削装置向けなどが増加。また、前四半期比では半導体製造装置向けやフラットパネルディスプレー製造装置向けが減少する一方、産業用ロボット向けモーターメーカー向けギアヘッドや、石油掘削装置向けなどが増加した。一方、売上高は108億5400万円(前年同期比47.4%増、前四半期比6.5%増)となり、四半期ベースで過去最高額となった。なお、第1四半期からの累計では389億8200万円となり、前年同期比43.6%増となった。
■国際石油開発帝石 <1605> 1,373円 +39 円 (+2.9%) 本日終値
国際石油開発帝石<1605>や石油資源開発<1662>、日本海洋掘削<1606>など石油資源関連株が高い。国際帝石は前日に比べ3%高、海洋掘削は一時15%高に買われている。10日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近5月物が前日比2.09ドル高の1バレル65.51ドルと急伸。サウジアラビアが減産を維持する意向を示したと伝わったことが好感されたほか、シリア情勢の緊迫化を受け原油への買いが流入した。
株探ニュース