今週の【早わかり株式市況】 5週続伸・半値戻し達成、円安や好決算が追い風
今週の株式市場は円安や好決算を追い風に、日経平均株価は5週続伸し、1月からの下げ幅に対して半値戻しを達成した。
週初の23日は前週末に米株市場でアップル株が急落するなどハイテク株が売られたことを受け、戻り売りが優勢となり日経平均は続落した。
翌24日は米長期金利の上昇とそれに伴う急速な円安進行が好感され、銀行株や輸出株が買われ日経平均は3日ぶりに反発した。25日は前日の米株急落を受け、主力株を中心にリスク回避の売りに押され反落した。ただ、下値では買いが厚いうえ、円安基調も下支えとなり、後場は下げ渋った。26日はさらに円安が進んだことで終始買い優勢の展開。半導体関連株が上昇相場を牽引し、日経平均は反発した。
週末の27日は前日の米株市場が大幅高となったことを受けてリスクオンの動きが強まり、日経平均は続伸し、終値ベースで2月5日以来約2ヵ月半ぶりの高値を付け、2万2400円台に乗せた。東証1部の売買代金は3兆3000億円強に膨らみ、約1ヵ月ぶりの大きさとなった。
日経平均株価は、前週比305円(1.38%)高の2万2467円と5週続伸して取引を終えた。1月23日の今年最高値から3月26日の底値までの下げ幅に対して半値戻しを達成した。週間の値幅は430円と、前週の588円から縮小した。
今週末の日経平均は2月の急落時に空けた「窓」の水準に差し掛かっており、来週以降に窓を埋めてくれば「半値戻しは全値戻しにつながる」の相場格言通り、全値戻しへの期待が高まる。
重要イベントとしては、国内は連休の谷間で2営業日しかなく、伊藤忠商事 <8001> などわずか65社が決算発表を予定している。海外では5月1日-2日に開催されるFOMCが最大のイベントだ。そのほか、4月30日に発表される中国4月製造業PMIや5月3日発表の米国3月貿易収支、4日発表の米国4月雇用統計にも注視が必要だろう。
◆マーケット・トレンド(4月23日~27日)
【↓】 4月23日(月)―― 続落、アップル株急落を受け半導体関連が安い
日経平均 22088.04( -74.20) 売買高13億4383万株 売買代金 2兆1614億円
【↑】 4月24日(火)―― 3日ぶり反発、円安を追い風に約2ヵ月ぶり高値
日経平均 22278.12( +190.08) 売買高14億6994万株 売買代金 2兆4349億円
【↓】 4月25日(水)―― 反落、米株急落受け売り先行も後半下げ渋る
日経平均 22215.32( -62.80) 売買高14億2346万株 売買代金 2兆4679億円
【↑】 4月26日(木)―― 反発・2ヵ月ぶり2万2300円台乗せ、半導体関連に買い
日経平均 22319.61( +104.29) 売買高15億2037万株 売買代金 2兆7856億円
【↑】 4月27日(金)―― 続伸・2ヵ月半ぶりの高値、米株高でリスクオンの買い
日経平均 22467.87( +148.26) 売買高18億8212万株 売買代金 3兆3144億円
◆セクター・トレンド(4月23日~27日)
(1)菱地所 <8802> など不動産業が業種別上昇率トップ
(2)東電HD <9501> 、関西電 <9503> など電力・ガス株は連騰
(3)第一生命HD <8750> など保険、三菱UFJ <8306> など銀行、三菱Uリース <8593> などその他金融株が買われた
(4)輸出株はトヨタ <7203> など自動車株が上昇も
コマツ <6301> など機械、ソニー <6758> など電機株は低調
(5)JR東日本 <9020> など陸運、大成建 <1801> など建設といった内需株は総じて堅調
(6)郵船 <9101> など海運株は上げ一服
新日鉄住金 <5401> など鉄鋼、住友鉱 <5713> など非鉄といった素材株はさえない
株探ニュース