米国株式市場見通し:主要決算発表やFOMCに注目

市況
2018年4月28日 14時50分

北朝鮮と韓国による首脳会談が終了し、朝鮮半島の緊張緩和や非核化に向けた前向きな姿勢が好感され、地政学リスクが後退しつつある。主要決算発表も好調な内容が続いており、今週は決算発表や経済指標が堅調となれば、株式相場は素直に反応する展開となりそうだ。一方で、米中の貿易摩擦問題では、今週に複数の政権高官が訪中を予定しており、交渉の行方を注視したい。1-2日に連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。FOMCでは追加利上げの可能性は低いが、声明文などから6月利上げの可能性について何らかの示唆を得られるかが焦点となるだろう。

今週の決算発表は、衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(30日)、ファストフードのマクドナルド(30日)、通信大手のTモバイルUS(1日)やスプリント(2日)、製薬のファイザーやギリアド・サイエンシズ(1日)、スポーツ用品メーカーのアンダーアーマー(1日)、写真共有アプリを手掛けるスナップチャット(1日)、携帯端末のアップル(1日)、カード決済ネットワークのマスターカード(2日)、電気自動車のテスラ・モーターズ(2日)などの発表が予定されている。アップルは、複数のアナリストがアジアの部品サプライヤーの動向を受けて、「iPhone X」の足元の需要減退を予想しており、警戒感が広がっている。TモバイルUSとスプリントは、過去幾度も決裂した合併交渉が大詰めを迎えており、正式な合意発表間近との見方が広がっている。

来週は、製薬のバリアント・ファーマシューティカルズ(8日)、旅行口コミサイトのトリップアドバイザー(8日)、エンターテイメントのウォルト・ディズニー(8日)、高級ホテルのマリオット・インターナショナル(8日)、メディアの21世紀フォックス(9日)、ストリーミング端末のロク(9日)、半導体のエヌビディア(10日)などの発表が予定されている。21世紀フォックスは、英衛星テレビ大手スカイに対して未保有株の取得を試みていたものの、ケーブルテレビのコムキャストが阻止に動いており、今後の方針について何らかの情報が得られるかに注目したい。

今週の経済指標は、3月個人所得・支出(30日)、4月ISM製造業景気指数(1日)、4月ADP雇用統計(2日)、4月貿易収支(3日)、4月ISM非製造業景況指数(3日)、3月製造業受注(3日)、4月雇用統計(4日)などの発表が予定されている。来週は、4月生産者物価指数(9日)、4月消費者物価指数(10日)、4月輸入物価指数(11日)などの発表が予定されている。雇用統計は、失業率は4.0%増、非農業雇用者数は前月比19万人増が予想されている。3月に見られた雇用の軟調さは一時的な減少であり、堅調に推移すると考えられる。消費者物価指数(CPI)は3月に10ヶ月ぶりのマイナス成長となったものの、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIは堅調だった。同指標は6月の利上げ見通しに影響を与えるため、注目したい。

(Horiko Capital Management LLC)

《FA》

提供:フィスコ

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