飯野海運---18年3月期は純利益9.2%増、効率配船及び運行採算の向上を図る

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2018年5月2日 14時42分

飯野海運<9119>は27日、2018年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比2.4%減の813.34億円、営業利益が同14.3%減の56.51億円、経常利益が同9.3%減の46.31億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.2%増の42.43億円となった。

外航海運業の売上高が前期比1.1%減の618.65億円、営業利益が同34.8%減の17.13億円となった。オイルタンカーは支配船腹を中長期契約に継続投入し、安定収益を確保した。ケミカルタンカーは、同社の基幹航路の一つである中東から欧州向けの数量輸送契約を新たに締結したことに加え、紅海及び西インドからの貨物を積極的に取り込み、より安定的な数量を確保した。また米国から極東向けの貨物を取り込み、高稼働を維持した。同社と米国オペレーターとの合弁事業会社では、既存の数量輸送契約更改に加え、効率配船に寄与する航路の開拓に努め稼働を維持した。プロダクトタンカーは、支配船腹を中長期契約に継続投入した。しかし、ケミカルタンカー及びプロダクトタンカーともに前期の採算を上回ることはできなかった。大型ガスキャリアは、LPGキャリア及びLNGキャリア共に既存の中長期契約へ継続投入することで安定収益を確保した。ドライバルクキャリアは石炭専用船とチップ専用船については順調に稼働した。ポストパナマックス船は市況上昇のタイミングを捉えた配船や数量輸送契約に投入する等により、収益の確保に努め、ハンディ船もスポット航海を中心に市況上昇のタイミングを捉えた効率的な配船・運航に努めた結果、両船型とも採算は改善した。

内航・近海海運業の売上高は同5.8%増の90.12億円、営業利益が同289.3%増の7.00億円となった。内航ガス輸送は、効率配船の実施と定期用船契約の有利更改により、採算を維持した。また、船隊の若返りを図るため新造船の提案を継続的に行い、新造代替船での長期用船契約を獲得できた。近海ガス輸送は、不採算船を返船することにより、船隊の効率化を図り採算向上に努めた。また新造船の流入圧力低下による大幅な市況回復を背景に、従前の契約に比べ有利更改を果たし、採算は改善した。

不動産業の売上高が同14.4%減の105.45億円、営業利益が同14.5%減の32.38億円となった。賃貸ビルは、一部持分を取得した飯野ビル近隣の築浅中規模ビルを含め、所有するビルを対象として良質なテナントサービスの提供に注力し、概ね順調に稼働した。イイノホール&カンファレンスセンターは、セミナー、講演会、映画試写会、その他催事の積極的な誘致により、稼働の維持に努めた。スタジオ関連事業を行うイイノ・メディアプロは、主力のスタジオ部門とプロダクション等の各部門で連携しての積極的な利用誘致で新規大型広告案件を獲得する等、稼働は堅調に推移した。

2019年3月期の連結業績予想について、売上高が前期比3.3%増の840.00億円、営業利益が同9.7%増の62.00億円、経常利益が同8.0%増の50.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同55.6%増の66.00億円を見込んでいる。

《MW》

提供:フィスコ

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