ハピネット Research Memo(1):国内最大級の玩具卸売会社で映像音楽・ゲームソフトなども扱う

特集
2018年6月19日 9時21分

■要約

ハピネット<7552>の主要事業は、玩具や映像音楽ソフト、ビデオゲーム(ハード、ソフト)、アミューズメント商品などの卸売である。仕入れ先約700社、販売先約1,200社と取引のある業界トップクラスの企業である。バンダイナムコホールディングス<7832>の関連会社だが、(株)バンダイ以外の製品も幅広く取扱っている。

1. 2018年3月期は「Nintendo Switch」の寄与もあり30.0%の営業増益を達成

2018年3月期の連結業績は、売上高197,607百万円(前期比13.5%増)、営業利益4,806百万円(同30.0%増)、経常利益4,701百万円(同35.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,031百万円(同97.6%増)となった。主力の玩具事業はヒット商品に恵まれなかったことなどから減収減益となったが、映像音楽事業はM&A効果や一部ヒット商品に恵まれ増収増益、ビデオゲーム事業も「Nintendo Switch」の寄与などから大幅増益となった。加えて(株)SRAとの訴訟による受取賠償金1,198百万円を特別利益として計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大幅な増益となった。

2. 進行中の2019年3月期は微増益予想だが上振れの可能性も

2019年3月期の連結業績は、売上高230,000百万円(前期比16.4%増)、営業利益5,000百万円(同4.0%増)、経常利益4,800百万円(同2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,200百万円(同20.6%減)が予想されている。玩具事業で増益を見込むが、映像音楽事業では大きなヒット商品が見当らないことや新規連結子会社によるコスト増などから減益を予想している。ビデオゲーム事業とアミューズメント事業は前期の水準が高かったこともあり、利益は横ばいを見込んでいる。ただし各事業部門の予想はかなり堅めと思われ、年末商戦の状況などによっては全体の利益が上振れする可能性もありそうだ。

3. 第8次中期経営計画を発表:2021年3月期に経常利益56億円(過去最高)を目指す

2021年3月期を最終年度とする第8次中期経営計画「Shinka2020:ビジネススタイルのShinka(進化・深化・真価)による企業価値の向上」を発表した。基本戦略として、「流通事業をShinkaさせ、更なる成長を図る」「ビジネスネットワークを創出し、メーカー事業を強化する」「新規事業に積極的に挑戦する」の3つを掲げ、定量的な目標として2021年3月期に経常利益56億円(過去最高)を目指している。

4. 自社株買い、増配によって株主還元にも前向き

同社は過去5年間、毎年増配を実施してきた。この間、配当性向も20%台から30%超となっている。2018年3月期は年間40円配当を行ったが、特殊要因で当期純利益が大幅増となったため配当性向は21.6%に低下した。2019年3月期も年間40円配当(予想配当性向27.2%)を予定しているが、配当性向30%を目途とすると今後の業績次第では増配の可能性もありそうだ。また2017年3月期には自社株買いも行っており、このような同社の株主還元に対する姿勢は評価に値するだろう。

■Key Points

・国内最大級の玩具、映像音楽、ゲームソフトなどの卸売会社。バンダイ製品がメイン

・2018年3月期はビデオゲーム事業の回復で30.0%の営業増益を達成

・2019年3月期は微増益予想だが、中期経営計画で2021年3月期には過去最高の経常利益を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《MH》

提供:フィスコ

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