ユーロ週間見通し:もみ合いか、リスク回避の円買い縮小で下げ渋る可能性も

通貨
2018年6月23日 14時51分

■強含み、ユーロ圏の経済指標改善などを好感

先週のユーロ・ドルは強含み。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が「ECBは、利上げ開始時期の決定では辛抱強い姿勢を保つ」との見方を示したことから、ユーロ売りが先行した。しかしながら、22日発表のユーロ圏6月総合PMI速報値が上昇したことや、イタリアの下院予算委員長が、「政府はユーロ離脱を望んでいない」との見方を示したことから、ユーロを買い戻す動きがみられた。取引レンジ:1.1509ドル-1.1675ドル。

■伸び悩みか、米国との金利差拡大を意識

今週のユーロ・ドルは伸び悩みか。欧州中央銀行(ECB)の利上げ時期は2019年夏以降とみられ、ユーロ売りは継続するとみられる。イタリアの政治不安はやや緩和されたが、米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げ継続の方針を堅持しており、米国とユーロ圏の金利差拡大を意識したユーロ売り・米ドル買いがただちに縮小する可能性は低いとみられる。

予想レンジ:1.1550ドル-1.1750ドル

■弱含み、ユーロ圏諸国の政治問題などが嫌気される

先週のユーロ・円は弱含み。ドイツの移民・難民問題をめぐりメルケル与党内で対立が表面化したほか、イタリア議会の上院財政委員長にユーロ懐疑派が指名されたことが懸念された。米国とユーロ圏の金利差拡大観測も影響を与えた。しかしながら、ユーロ圏6月総合PMI速報値の上昇や、イタリアの政治不安はやや緩和されたことから、ユーロ売り・円買いは一服。対円レートの下げ幅は縮小した。取引レンジ:126円65銭-128円60銭。

■もみ合いか、リスク回避の円買い縮小で下げ渋る可能性も

今週のユーロ・円はもみ合いか。欧州中央銀行(ECB)の利上げ時期は来年夏以降になると予想されており、ハト派寄りの見解を受けユーロは売られやすい地合いが続きそうだ。ただし、米・中貿易戦争への過度な警戒が後退し、リスク回避の円買いが縮小した場合、ユーロは対円で下げ渋る可能性がある。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント

・29日:6月消費者物価コア指数(前年比予想+1.0%)

予想レンジ:127円00銭-130円00銭

《FA》

提供:フィスコ

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