今週の【早わかり株式市況】 トルコショック急落後は値を戻す底堅さ発揮

市況
2018年8月18日 6時40分

今週の株式市場は、トルコショックによる急落後は急速に買い戻され、日経平均株価は3週続落も小幅安にとどまり、底堅さを発揮した。

週初の13日はトルコリラ 急落という「トルコショック」による前週末の世界株安を引き継ぐ形で終始売り優勢の展開となった。為替の円高進行や中国・上海株市場などアジア株安に加え、海外ヘッジファンドによる高速売買による売り圧力もあって、日経平均は440円安と続急落した。

翌14日はトルコリラ 急落による影響が一服したことを受け、海外ヘッジファンドなど短期筋を中心とした先物主導による買い戻しが膨らみ急反騰。為替が円安に振れたこともあって日経平均の上げ幅は498円と今年3番目の大きさとなり、前日の急落を1日で取り戻した。15日は前日の米株高や円安進行で寄り付きこそ高かったものの、その後はトルコ情勢懸念と中国株安が重荷となったうえ、前日急反騰の反動もあって大幅に反落した。16日は中国の景気減速懸念や為替が円高に振れたことで大幅安でスタート。前場中ごろに中国商務次官が貿易交渉のために訪米すると伝わり買い戻しを誘発し、日経平均は急速な戻り足となり小幅続落にとどまった。ただ、東証1部の8割の銘柄が下落と全体の地合いは売り圧力が強かった。

週末の17日は前日のNYダウが396ドルと急反発したことを受けて先物を絡めた海外ヘッジファンドなどの買い戻しが入り日経平均は3日ぶりに反発した。ただ、朝高後は2万2300円をはさんだ狭いレンジでもみ合う展開となり、東証1部の売買代金は2兆円を下回り5月28日以来の低水準だった。

日経平均株価は、前週比27円(0.12%)安の2万2270円と小幅ながら3週続落して取引を終えた。トルコショックによる急落後は買い戻しが入り前週末の終値まで値を戻し、下値が固いことが確認された格好だ。週間の値幅は528円と、前週の527円とほぼ同じだった。

来週もトルコ情勢や中国景気減速への懸念があるだけに不安定な相場展開が続きそうだ。

重要イベントとしては、国内では24日朝に発表される7月全国消費者物価指数が注目される。海外では20日-23日に開催される米国政府による対中報復関税に関する公聴会や23日-25日に開催される米国経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」に注視が必要だろう。

◆マーケット・トレンド(8月13日~17日)

【↓】   8月13日(月)―― 440円安、トルコリラ急落を受け世界株安の流れ

日経平均 21857.43( -440.65)  売買高15億2364万株 売買代金 2兆5144億円

【↑】   8月14日(火)―― 498円高、トルコリラ急落による影響一服で急反騰

日経平均 22356.08( +498.65)  売買高12億0624万株 売買代金 2兆0533億円

【↓】   8月15日(水)―― 反落、トルコ情勢懸念と中国株安などで買い続かず

日経平均 22204.22( -151.86)  売買高12億4476万株 売買代金 2兆0402億円

【↓】   8月16日(木)―― 小幅続落、中国の景気減速懸念や円高が重荷

日経平均 22192.04(  -12.18)  売買高15億4677万株 売買代金 2兆5867億円

【↑】   8月17日(金)―― 3日ぶり反発、米株高や円安でリスク選好の買い優勢

日経平均 22270.38(  +78.34)  売買高11億1629万株 売買代金 1兆8455億円

◆セクター・トレンド(8月13日~17日)

(1)日経平均は小幅安も、全33業種中27業種が下落

(2)原油安でJXTG <5020> など石油株が業種別下落率トップ

(3)住友鉱 <5713> など非鉄、神戸鋼 <5406> など鉄鋼、信越化 <4063> など化学といった素材株が売られた

(4)日立 <6501> など電機、コマツ <6301> など機械、トヨタ <7203> など自動車といった輸出株も安い

(5)大成建 <1801> など建設、スタートトゥ <3092> など小売りといった内需株も総じてさえない

(6)金融株では東京海上 <8766> など保険業だけが上昇

(7)商船三井 <9104> 、飯野海 <9119> など海運業が買われた

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