話題株ピックアップ【夕刊】(3):小野薬、出光興産、荏原

注目
2018年8月24日 15時27分

■小野薬品工業 <4528>  2,820円  +31.5 円 (+1.1%)  本日終値

小野薬品工業<4528>は5日ぶり反発に転じた。ここ調整色を見せていたが、SMBC日興証券が23日付で同社株の投資評価を「1」継続で目標株価を3100円から3200円に引き上げており、これが買い戻しを誘導した。オプジーボ国内販売・特許料の予想を増額し、中期業績予想を上方修正している。営業利益段階で19年3月期は従来予想の560億円から615億円(前期比1.3%増)に引き上げたほか、20年3月期については695億円から720億円に引き上げている。

■出光興産 <5019>  5,430円  +60 円 (+1.1%)  本日終値

出光興産 <5019> が3日続伸し、連日で上場来高値を更新した。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日付で同社の投資判断「オーバーウエート(強気)」を継続し、目標株価を5040円→6160円に引き上げたことが買い材料視された。リポートでは、石油製品スプレッドの前提引き上げや、昭和シェルとの経営統合によるシナジー効果を織り込み、同証券の業績予想を引き上げた。また、同社によると策定中の新統合会社の中期経営計画の株主還元性向は、50%以上(20年3月期の同証券予想の配当性向は24%)に強化される予定であると報告している。

■荏原 <6361>  3,690円  +35 円 (+1.0%)  本日終値

荏原<6361>が3日続伸。ポンプの総合メーカーであるとともに環境装置分野で高い実績を誇る。中国でエチレンプラントをはじめ化学プラントへの投資が拡大傾向にあり、これを受け同社のコンプレッサータービンなどが好調に受注を伸ばしている。ごみ焼却プラントでは好採算の修繕工事の増加が収益に寄与しており、会社側が計画する19年3月期営業利益370億円は上振れる可能性が指摘される。

■信越化学工業 <4063>  10,590円  +35 円 (+0.3%)  本日終値

半導体シリコンウエハー世界トップの信越化学工業<4063>が買い優勢となったほか、SCREENホールディングス<7735>など半導体製造装置関連の一角も上値指向。前日の米国株市場では画像処理半導体大手のエヌビディアが4連騰で直近の戻り高値を上抜くなど上げ足を強めており、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数も小幅ながら3日続伸と目先底入れの動きを示している。これが東京市場でも関連株に買い戻しの動きを誘発した。足もと外国為替市場では1ドル=111円台前半の推移と円安方向に振れていることも追い風材料となった。

■コマツ <6301>  2,997円  -54 円 (-1.8%)  本日終値

コマツ<6301>、日立建機<6305>が続落。23日に米国と中国の両政府がお互いに160億ドル分の輸入品に対する25%の追加関税を発動した。これ自体は相場全般織り込み済みの材料でサプライズはないが、前日の米国株市場では中国向け売上比率の高い建機大手のキャタピラーが2%を超える下落で全体指数の足を引っ張る格好となった。東京市場でも中国向け依存度の高い同社株など建機セクターには足もと機関投資家のポジション調整の売りが出て下値を探る動きを余儀なくされている。

■三井金属 <5706>  3,055円  -45 円 (-1.5%)  本日終値

三井金属<5706>が続落。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が23日の取引終了後、投資判断「ニュートラル」を継続しつつ、目標株価を5000円から3320円へ引き下げたことが弱材料視されたようだ。同証券では、成長ドライバーである極薄銅箔は顧客の裾野が広がらないことで、特定顧客の量産動向を受けやすい状況は変わらず、株価の上値余地は限定的と判断。また、第1四半期決算で、主要顧客1社に依存する「収益構造の弱さ」が顕在化したとして、19年3月期営業利益予想を450億円から330億円へ、20年3月期を同480億円から450億円へ下方修正している。

■アルメディオ <7859>  207円  +50 円 (+31.9%) ストップ高   本日終値

アルメディオ<7859>がストップ高。この日、高濃度・高分散のカーボンナノファイバー(CNF)のマスターバッチ(所定の割合で顔料を練り込んだペレット状の着色剤)と塗料ベースの開発に成功したと発表しており、これを好感した買いが入った。同製品は、これまでCNFのミルド粉末(CNFの原糸を粉砕した粉末状のもの)あるいは加工品では難しいとされた成形品細部への充填を高い分散力で安定的に作れるのが特徴。7月20日にサンプル出荷を開始しており、今後、市場の反響を見つつ本格的な量産化を進めるとしている。

■YKT <2693>  486円  +80 円 (+19.7%) ストップ高   本日終値

YKT<2693>がストップ高に買われたほか、エヌエフ回路設計ブロック<6864>は大幅高で3連騰、フィックスターズ<3687>も同じく3連騰と量子コンピューター関連に位置付けられる銘柄群に買い人気が集中。量子コンピューターは従来のコンピューターの基本コンセプトである「01」の世界から脱却し、量子力学的な重ね合わせにより、極微の世界で起こり得る物理現象を活用して並列コンピューティングを実現させるという技術分野で、世界的にIT企業を中心に研究開発が進んでいる。日本でも大手電機メーカーや通信メガキャリアが積極的に経営資源を注ぎ込んでおり、つれて関連銘柄への注目度も高まっている。直近では、「同分野の代名詞的企業であるカナダのDウェーブ社が開発した量子コンピューターが、トポロジカル位相遷移の実証に成功したと伝わったことが、関連株を強く刺激する格好となった」(国内中堅証券)という。

■エコモット <3987>  1,039円  +147 円 (+16.5%) 一時ストップ高   本日終値

エコモット<3987>が後場急伸。午後1時ごろ、古野電気<6814>と共同で、GNSS(準天頂衛星システム)を利用して地盤変位や人工構造物の変位をミリメートルオーダーで計測し、計測データをクラウド上で管理することのできる高精度3次元変位計測システム「DANA CLOUD(ダーナクラウド)」を開発したと発表しており、これを好感した買いが入った。「ダーナクラウド」は、変位観測エリア外に設置したセンサーの座標を基準点として、観測エリア内に設置した複数のセンサー(観測点)の変位量を、GNSSスタティック測位法により3次元で計測する独自の技術を活用することで、高精度な計測を可能したのが特徴。地すべりや火山活動の監視などの防災用途、鉱山の残壁などの地盤変位の監視や、堤防・護岸、ダム堤体、送電線鉄塔、橋梁、構造物、のり面、鉄道路盤などの変状監視や管理など、さまざまな場所での施工管理段階から維持管理まで幅広く対応できるとしている。なお、8月28日から幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催される建設・測量生産性向上展「CSPI EXPO」に出展するとしている。

■オルトプラス <3672>  788円  +100 円 (+14.5%) ストップ高   本日終値  東証1部 上昇率トップ

オルトプラス<3672>がストップ高。同社が開発協力を行い、フォワードワークス(東京都港区)が23日に配信を開始したスマートフォン向けゲームアプリ「アークザラッドR」が、この日午前のiPhone無料ゲームランキングおよびAndroid無料ゲームランキングで1位となっており、好調なスタートを切ったことが好感された。「アークザラッド」シリーズは、1995年に第1作が「プレイステーション」で発売され、これまで全世界累計実売本数が370万本以上を記録しているロールプレイングゲームの人気シリーズ。「アークザラッドR」は、「プレイステーション」用ソフトウェア「アークザラッド2」の10年後の世界を描いた完全新作で、新たな主人公であるハルトとミズハの二人が過去の英雄達とともに、世界を取り巻く悪意に立ち向かっていく冒険物語が描かれており、スマートフォンならではの手軽さと、シリーズの持ち味である奥深さをあわせ持ったシミュレーションRPGになっているという。

■大興電子通信 <8023>  744円  +100 円 (+15.5%) ストップ高   本日終値

テリロジー<3356>、トレンドマイクロ<4704>、デジタルアーツ<2326>、ソースネクスト<4344>、セキュアヴェイル<3042>、ラック<3857>、新日鉄住金ソリューションズ<2327>、ユビキタス AI コーポレーション<3858>、SIG<4386>、イー・ガーディアン<6050>、シグマクシス<6088>、大興電子通信<8023>などサイバーセキュリティ関連が軒並み上昇。ビッグデータ普及によるデータ利用の拡大やIoT時代の本格到来に伴ってサイバー攻撃によってもたらされる被害もネズミ算的に拡大していく可能性が懸念されている。法人、個人を問わずその対策が急務であるとの見方が強い。総務省では19年度から地域でサイバーセキュリティに精通した人材の育成を進める方針にあり、次世代通信規格「5G」が2020年に実用化されることにも備え、体制整備に向けた取り組みを加速させる方針が伝わっている。また、国家安全保障の観点からもサイバー攻撃への対応は喫緊の課題だ。ロシアが2016年の米大統領選でサイバー攻撃を実施した可能性が濃厚視されるなか、中国がロシアに倣って近隣諸国への"サイバー政治介入"に向けた技術開発に乗り出しているとの観測も浮上。そのなか、トランプ米政権は11月の中間選挙を控え、海外政府からの干渉に対する警戒モードを強めている。サイバー攻撃への対応がグローバルに叫ばれるなか、東京市場でも関連銘柄への視線が一段と熱を帯びてきた。

●ストップ高銘柄

エクストリーム <6033>  8,850円  +1,500 円 (+20.4%) ストップ高   本日終値

など、5銘柄

●ストップ安銘柄

ハリマビステム <9780>  4,280円  -1,000 円 (-18.9%) ストップ安   本日終値

など、1銘柄

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