マグニチュード10の揺れでも倒壊しない紫禁城の秘密

経済
2018年9月18日 16時05分

中国の紫禁城(故宮)には多くの秘密があるとされ、古来より人々の研究と議論の焦点となってきました。約600年前の明王朝時代に建てられた紫禁城は今まで200回以上の地震を経験しましたが、倒壊することはありませんでした。紫禁城はどうやってこれほど多くの地震を生き残ってきたのだろうか?

紫禁城は明成祖永楽四年(1406年)から建設が始まり、永楽十八年(1420年)に竣工しました。その後、明王朝と清王朝の宮殿として使用され、合計24人の皇帝が暮らしました。敷地面積は72万平方メートル、建築面積は約15万平方メートルに及び、現存する最大の宮殿建築物となっています。紫禁城には非常に高い文化的価値があるため、1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。

何百回もの地震に耐えてきた紫禁城には一体どのような秘密があるのか。好奇心の強い欧米の専門家たちは中国を訪れ、紫禁城の代表的な宮殿を複製し模型を製作しました。正確さと真実性を保つため、専門家たちはプロの木工職人に頼み、伝統的な道具と技法を用いて5分の1サイズの復元模型を作らせました。模型を用いて耐震テストを行った結果、誰もが驚く結果を得ました。

梁(横木)と柱は紫禁城の建築の最も核心的な構造です。さらに専門家たちは、宮殿の梁と柱の間に花の形のブラケット構造があることに気づきました。これは「斗拱」(ときょう)と呼ばれる構造で、軒先と屋根を支えています。「斗拱」は、高い柱によって支えられている梁の上にあります。しかし、これらの柱は地面に埋め込まれておらず、ただ地面に置かれているだけです。これらの構造により建物全体が支えられています。

「斗拱」とは中国漢民族に特有な建築構造です。

荷重を支える弓型の木材である「拱」と、それを受ける「斗」(ます)からなり、「斗」と「拱」を組み合わせて「斗拱」と呼ばれています。

上図は遼王朝に建てられた山西省応県佛宮寺釈迦塔です。

モデルの複製が完了した後、専門家たちは地震シミュレーション実験を開始し、強度をテストしました。紫禁城のさまざまな部分が地震に対してどのように反応し、どの程度耐震強度があるかを確かめるために、様々な震度で実験を行いました。実験はマグニチュード9.0から始まりました。これは東日本大震災の震源地の揺れに相当するものです。模型は激しく揺れ、石基部も揺れ動きましたが、倒壊や損傷は見られませんでした。

次はマグニチュード9.5の地震でテストしました。これは人類史上最高レベル地震に匹敵し、解放されるエネルギーは二十億トンの爆発物に相当します。地震シミュレータは最終的にマグニチュード10.1まで達しましたが、模型は依然として揺れるだけでした。

この実験で最も驚くべきことはその柔軟性でした。紫禁城の建造物の模型はマグニチュード10.1に相当する非常に強い揺れでも損傷しませんでした。この結果に対し専門家は、「斗拱」構造により建築物の連結部位は柔軟性を持ち、地震の揺れを吸収・軽減するのに役立っているのではないかと分析しています。この実験に参加した専門家と職人はみな、数百年前の技術力に感心し、中国伝統建築の奥深さに驚きを隠せなかったそうです。

(編集・文亮)

【ニュース提供・大紀元】

《US》

提供:フィスコ

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