鈴木英之氏【フシ突破で上昇加速! リスクオン相場は続くか】(2) <相場観特集>

特集
2018年9月18日 19時15分

―2万3000円ライン突き抜け視界が変わった東京市場―

東京市場では前週後半を境に一気に視界が変わってきた。日経平均株価はこれまで度々跳ね返されてきた2万3000円ラインを遂に突き抜け、上値追いを加速。3連休明けの18日は一時380円以上の上昇で3連騰、3日間合計で880円近い上げ幅を記録したことになる。相場大転換の背景にあるのは何か。そしてここからの展望と物色の方向性はいかに。経験豊富でマーケットの先読みに定評のある市場関係者3人に意見を聞いた。

●「不透明感を徐々に織り込む展開、配当権利取りに妙味も」

鈴木英之氏(SBI証券 投資調査部長)

今後1ヵ月程度の10月中旬から下旬にかけての日経平均の着地点は、2万3000~2万4000円前後とみている。

足もとで株式市場は堅調な値動きとなっている。トランプ米政権は2000億ドル相当の中国からの輸入品を対象に第3弾の制裁関税を発動することを発表したが、貿易戦争への懸念は徐々に織り込まれつつあるとみている。

今月下旬にかけては日米通商協議(FFR)や日米首脳会談が見込まれている。FFRでは、日本の自動車産業への影響が懸念されているが、日本の自動車メーカーによる米国現地生産はかなり進んでいる。このため、FFRによる影響も織り込んでいるところだろう。

ただ、今後の状況を確かめることは必要であり年初の1月高値(2万4129円)更新までは見込んでいない。

為替相場は111~113円のレンジを予想する。当面は足もとの112円前後での値動きを見込んでいる。

個別銘柄やセクターでは、ここからは9月下旬にかけての配当権利取りが面白いとみている。高配当利回り銘柄などに注目したい。また、逆張り方針でインバウンド関連銘柄 の押し目狙いも面白いとみている。今夏は豪雨による水害や台風、地震などの災害が相次いだが、足もとでは復興が進められている。これからインバウンド関連銘柄で大きく下げる場面があれば、そこは狙い目となる可能性がありそうだ。

(聞き手・岡里英幸)

<プロフィール>(すずき・ひでゆき)

早稲田大学卒。リテール営業、調査部、株式部等を経て、SBI証券投資調査部長に。モーニングスター株式会社(投資調査部ゼネラル・マネジャー)へ転籍を経て2009年5月より現職。ラジオ日経、ストックボイス等で相場解説を行っている。

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