前週末21日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2018年9月25日 5時30分

■スルガ銀 <8358>  620円 (+100円、+19.2%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。スルガ銀行 <8358> がストップ高。シェアハウス投資に絡む不正融資問題で株価を急落させ、1000円前後から9月14日には478円の安値に売り込まれた。ただ、足もとはリバウンド狙いの買いに厚みが加わってきた。信用取組は直近の信用倍率が0.81倍と売り長で、全体相場のセンチメント改善も買い戻しを誘発した。

■ジェネックス <9820>  42,000円 (+4,850円、+13.1%)

エムティジェネックス <9820> [JQ]の上昇が異彩を放っている。同社は森トラスト傘下の住宅リニューアル関連商社で、光通信 <9435> なども大株主に入っている。19年3月期は営業利益段階で前期比12.7%減の2億2000万円を計画しているが、第1四半期(18年4-6月期)時点で営業利益は6800万円と前年同期を3割上回り、対通期進捗率も30%を超えている。もっとも株価はファンダメンタルズとはかけ離れた需給相場の様相を呈しており、初動時の2000円台前半から2ヵ月半で既に17倍強に大化けしている。

■ブレインP <3655>  5,480円 (+525円、+10.6%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率9位。ブレインパッド <3655> が4日続伸、一時ストップ高となる異彩人気となった。株価は最高値圏を舞い上がる展開となっている。米国を中心に世界的に人工知能(AI)関連投資の流れが強まっており、ディープラーニング分野で先駆する同社株に海外ファンド筋などを中心に大口の買いが流入している。クラウドサービスやRPA(業務のAI化)などの市場拡大が加速するなか、株式市場でもIT投資の2大テーマとして盛り上がりをみせており、その両方で優位性を持つ同社株は一段と存在感を高めている。今春から経営効率化を支援する4つのサービスプランで構成される「+AI(プラスエーアイ)」を展開し、顧客企業の需要取り込みを進め、既に業績は18年6月期以降加速的な成長期に突入。前期営業利益は4倍化したが、今、来期も2ケタ利益成長が見込まれている。RPA分野は膨大な事務作業をともなうメガバンクをはじめ銀行業界で導入が本格化しており、RPAソフト拡充に力を注ぐ同社にもビジネスチャンス拡大への道筋が開けている。

■クスリアオキ <3549>  8,660円 (+610円、+7.6%)

クスリのアオキホールディングス <3549> が急反発。20日の取引終了後に発表した第1四半期(5月21日-8月20日)連結決算が、売上高617億1200万円(前年同期比13.4%増)、営業利益35億2300万円(同7.6%増)、純利益24億9900万円(同6.6%増)と増収増益となったことが好感された。ドラッグストアを16店舗出店しドミナント化をさらに推進したことに加えて、ドラッグストア併設調剤薬局を8店舗出店したことが寄与した。また、5店舗の全面改装を実施するなど既存店の活性化に注力したことも貢献した。なお、19年5月期通期業績予想は、売上高2570億円(前期比16.1%増)、営業利益131億2400万円(同10.6%増)、純利益93億円(同5.4%増)の従来見通しを据え置いている。

■Jマテリアル <6055>  1,485円 (+97円、+7.0%)

ジャパンマテリアル <6055> が急反発。20日大引け後、19年3月期の連結経常利益を従来予想の64億円→77億円に20.3%上方修正。増益率が7.7%増→29.6%増に拡大し、従来の6期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。半導体工場向け供給配管設計施工の受注が想定より増加することが寄与。特殊ガス販売や半導体製造装置のメンテナンスが伸びることも上振れに貢献する。

■神戸物産 <3038>  6,000円 (+360円、+6.4%)

神戸物産 <3038> が大幅4日続伸。20日、同社が10月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■三桜工 <6584>  820円 (+39円、+5.0%)

三櫻工業 <6584> が続急伸。同社の800円台回復は5月16日以来約4ヵ月ぶり。同社は世界的に需要拡大傾向にあり、電気自動車(EV)向け動力源としても実用化が期待される全固体電池分野への展開に注力している。今月11日に、独自技術で全固体電池分野開発を手掛ける米コロラド大学発のベンチャー企業ソリッド・パワーに出資したことを発表、これが株高の原動力となっている。全固体電池は現行のリチウムイオン電池の電解液の部分を固体材料に変え、すべての部材が固体化された電池。発火リスクの解消やコンパクト化で優位性を持ち、電気貯蔵能力にも優れ、EVの航続距離延長や長寿命化を実現する次世代2次電池として期待されている。そのなかソリッド・パワーは昨年12月にBMWとパートナーシップ契約を結び、EV用全固体電池の開発を進めており、今回の三桜工の出資は同分野における収益機会につながるものとして、投機筋の食指を動かしている。

■FCC <7296>  3,430円 (+155円、+4.7%)

エフ・シー・シー <7296> が反発。東海東京調査センターが20日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を3680円から3900円へ引き上げたことが好材料視されたようだ。同センターでは、フォードやGM向けAT(自動変速機)用クラッチでは量産が進むにつれて収益が拡大中であり、そのペースは同センターならびに会社側想定を上回ると評価。また、米国での先行投資は本格的な回収期に入ったと見込まれるとしている。

■古河電気工業 <5801>  3,940円 (+175円、+4.7%)

古河電気工業 <5801> が6連騰。今年春先から株価は一貫して調整色を強めていたが、21日は3月下旬以降初めて75日移動平均線を上回り、底入れの兆しをみせている。光ファイバーが好調なほか、中国で在庫調整が進む光伝送部品も回復傾向にある。前日に耐熱性に優れた無酸素銅条「GOFC」の増産体制を整えたことを発表、これも足もとの株価を刺激している。

■ソラスト <6197>  1,413円 (+57円、+4.2%)

ソラスト <6197> が大幅続伸で上場来高値を更新。20日の取引終了後に発表した、8月の介護サービス利用状況で、訪問介護サービス利用者数が7060人(前年同月比9.8%増)、デイサービス利用者数が7763人(同70.3%増)となり、増加基調の継続を確認できたことが好材料視された。なお入居率は、グループホームが98.7%(前年同月98.0%)、有料老人ホームが94.6%(同97.3%)、サービス付き高齢者向け住宅95.5%(同94.7%)といずれも高水準で推移している。

■邦チタ <5727>  1,315円 (+53円、+4.2%)

東邦チタニウム <5727> が大幅続伸、9月中旬を境に一気に上げ足を強め25日移動平均線を大きく上放れてきた。航空機向け中心にスポンジチタンや、半導体材料向け高純度チタンを製造、19年3月期は営業2ケタ増益見通しと好調だ。チタンなどを配合することによる高出力の固体電解質の生産技術を持ち、従来品の5倍以上の高イオン伝導率を有するリチウムイオン透過固体電解質の開発に成功、全固体電池関連株の一角としても注目される。株式需給面からも1300円台は比較的滞留出来高が薄く、値運びが軽くなる可能性もある。

■IRジャパン <6035>  1,771円 (+69円、+4.1%)

アイ・アールジャパンホールディングス <6035> [東証2]が大幅反発。20日、東証が同社を27日付で市場1部に指定すると発表したことが買い材料視された。発表を受け、TOPIX連動型ファンドの組み入れ需要を見越した先回り的な買いに加え、知名度の高まりや株式流動性の向上を期待する買いが向かった。

■コマツ <6301>  3,511円 (+115円、+3.4%)

コマツ <6301> が6連騰。前日の米国株市場ではNYダウが大幅高で約8ヵ月ぶりに最高値を更新、建機のキャタピラーが2%以上の上昇をみせその牽引役となった。米中貿易摩擦問題に対する行き過ぎた懸念が後退、その象徴株として中国向け売上比率の高いキャタピラーが買われており、この流れを東京市場でも引き継いでいる格好だ。コマツは連騰前の9月12日終値が3000円ちょうどで、21日の高値まで既に17%近い上昇をみせている。

■エフティ <2763>  1,766円 (+35円、+2.0%)

エフティグループ <2763> [JQ]が続伸。20日の取引終了後、情報セキュリティー監視ソフト「LOOOC(ルック)」の開発販売を行うコムソル(東京都渋谷区)と業務提携し、日本国内における総販売代理店として「LOOOC」の販売を開始すると発表しており、これを好材料視した買いが入っている。「LOOOC」は、従業員のパソコンの操作履歴を全て「画面キャプチャー」および「キータイプログ」で取得し、動画ログとして再現。これにより内部不正に対する抑止効果や情報漏洩・改ざんの防止、セキュリティーインシデント発生時の追跡調査で高いパフォーマンスを発揮する製品。FTグループでは、販売するネットセキュリティー装置などとの親和性が高いと判断し、同製品を販売ラインアップに入れることで、情報通信サービスのさらなる拡販につながると期待している。

■新日鉄住金 <5401>  2,376.5円 (+37円、+1.6%)

新日鐵住金 <5401> が6日続伸。上値のフシとなっていた2300円台前半を上放れ、戻り足を強めてきた。中期トレンドでも週足で26週移動平均線を上回ってきたことから上昇相場入りの兆しをみせている。同社は20日、ステンレス線材の中で、バネや金網に使うニッケル系線材の9~11月契約価格を引き下げることを発表したが、ステンレス線材の需要は自動車や建材向けに好調でフル生産体制が続いている。

■凸版 <7911>  923円 (+14円、+1.5%)

凸版印刷 <7911> が反発。21日、モバイル端末の生体認証機能で安全・簡単にログインできる認証サービスの提供を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。新サービスは、従来入力していたID・パスワードをモバイル端末の生体認証機能に置き換えることで、ID・パスワードを一切使用しないログイン認証が可能になるというもの。モバイル端末にインストールした専用アプリを立ち上げ、モバイル端末に搭載されている生体認証を実施。ID・パスワード認証画面の代わりにパソコンやタブレットに表示されたQRコードをモバイル端末でスキャンし認証が完了するという。企業にとっては、ID・パスワード忘れによる顧客のサービス離脱やパスワードの盗難、不正アクセス防止につながるほか、顧客満足度の向上につながるとしている。

■アルファ <4719>  2,970円 (+42円、+1.4%)

アルファシステムズ <4719> が5日続伸。20日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の6.07%にあたる90万株(金額で26億3520万円)を上限に、21日朝の東証の自己株式立会外買付取引「ToSTNeT-3」で自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。

■LINK&M <2170>  1,269円 (+15円、+1.2%)

リンクアンドモチベーション <2170> が5日続伸、5日・25日移動平均線がゴールデンクロスを示現するとともに、75日移動平均線との下方カイ離解消でトレンド転換を印象づけている。同社は20日取引終了後、日本最大級の社員クチコミによる就職・転職向け情報プラットフォーム「Vorkers」を運営するヴォーカーズと資本・業務提携することを発表。これによる業容拡大効果に期待した買いを呼び込んだ。

■王子HD <3861>  816円 (+9円、+1.1%)

王子ホールディングス <3861> が反発。20日の取引終了後、地球環境に配慮した生分解性プラスチックと、さらなる機能を加えた紙製品の開発を加速すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。生分解性プラスチックの開発では、「生分解性プラスチックとパルプ複合素材」の開発を行っており、現在顧客へのサンプル提供を行っているほか、生分解性プラスチックの原材料の自社開発も進めているという。また、さらなる機能を備えた紙製品の開発として、バリア性を有する包装材料の開発や、紙コップ蓋の製品開発と紙製ストロー原紙のサンプル提供を開始したとしている。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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