日米首脳会談の行方は?米FOMCでの利上げペース見通しの修正は? 住信SBIネット銀行(三井智映子)

経済
2018年9月26日 16時11分

皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。

先週20日、21日のダウ平均は、8ヵ月ぶりに、連日で過去最高値を更新しましたね。米10年債利回りは再び上昇し、節目の3.0%を固めているように見受けられますが、米中貿易摩擦への過度な警戒感が後退したことでリスクオンの流れとなっています。

住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」では、先週の振り返りについて『年内10%関税との方針や中国の報復関税の税率が市場の想定を下回ったこともあり、今後の米中貿易問題に交渉余地を残したとの見方も聞かれるなど過度な懸念が和らいだとの見方も』と述べており、加えて『トルコリラが上昇するなど新興国通貨下落警戒感が後退したこともリスク選好の流れに勢いをつけることになりました』と伝えています。

日本では、日経平均株価が25日の月曜の引けで7日続伸。自民党総裁選が安倍3選で無事に通過し、東証1部の売買代金は連日で3兆円を超えており、出来高を伴って上昇してきています。

では、今週のマーケットはどうなるのでしょうか。

レポートでは、まず25-26日に開催される米FOMCに注目し、『0.25%の利上げが確実視されるほか、FRBメンバーによる政策金利見通し(ドットチャート)やインフレ見通しが6月時点から上方修正されるとの予想を背景に堅調地合いが続くものと見られます』と分析しています。

市場ではすでに関心は2019年のFOMCの利上げペースに移っており、『6月のFOMCで示された2019年の想定利上げ回数が3回でしたが、今回2回に近い想定へ下方修正されることになれば緩やかな利上げペースが維持されることになります』とのことで、『リスク選好の動きが一段と高まるだけにドル/円は113円台を試すと見られます』と予測しています。

さらにFOMC声明については、『「金融政策は引き続き緩和的」との象徴的文言が削除されるか、この点も注目されます』と伝えており、『仮に削除となればFRBの金融政策が正常化から引締めに大きく舵を取ることになり、NY株式市場の下落要因にもなりかねません』と注意を促しています。

次に、アメリカを中心とする貿易問題に言及し、『17日のトランプ大統領による2,000億ドルの制裁関税発動に中国が600億ドルの報復関税で応酬したことで、当初予定されていた中国商務部副部長を代表とする交渉団として米国と協議し、劉鶴副首相自らの27-28日のワシントンを訪問が白紙となるなど米中貿易問題が激化する可能性もあるだけに引き続き影響が懸念されます』と米中貿易摩擦について見解を伝えています。

アメリカと日本の交渉については、『当初21日に開催予定の第二回日米通商交渉が24日に、さらに25日には日米首脳会談でトランプ大統領が安倍首相に対し、日本からの対米輸出全体の37%(5兆5,300億円)の自動車に高関税を課すことになるのか』と、特に日本車に対する関税発動を巡る議論が注目されると解説しています。

続けて、会談の影響について『EUやメキシコとの交渉では米国に悪影響が及ぶのを避け、交渉相手国からの譲歩を引き出す戦略を取り、報復措置を回避する交渉戦術を巧みに生かしており、対日での過度な強硬姿勢は封印されるとの予想もあるだけに過度な円高は回避されると見られます』と考察しています。

そして、米経済指標と為替の値動きについて、『9月半期末という季節要因もドル買い需要に影響を及ぼす可能性もあり、112円台前半から半ばでの底堅さを固められるか焦点となりそうです』と分析しており、『加えて27日に発表される米4-6月期GDP確定値が速報値から上方修正された改定値から一段と上乗せされる結果となるか、さらに米8月個人消費支出デフレーターの結果次第ではドル上昇に弾みが付く可能性もあるだけに注目されます』と伝えています。

最後に、気になる英EU離脱交渉について、『今週23日~26日の英労働党大会、30日~10月3日にかけて開催される英保守党大会を前に円滑な離脱交渉に進めるのか、メイ首相の求心力の低下傾向が顕著となる中での英政局を巡る不透明感に発展するか注意が必要です』と注意喚起をしています。

今週は重要なイベントが多くなっていますので、しっかり確認してまいりましょう。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子

《HH》

提供:フィスコ

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