【植木靖男の相場展望】 ─ 上値余地あれば一両日中に反発も

市況
2018年10月7日 9時15分

「上値余地あれば一両日中に反発も」

●天井形成は材料よりも市場人気

日経平均株価は8月13日の2万1857円を安値に上昇、定石通り9月14日に待望の2万3000円大台を突破してから加速がつき一気に駆け上がってきた。

見事というほかはない。この間、好材料には大きく反応し、悪材料には小さく反応するという上昇相場の典型を絵に描いたような展開をみせた。

この立ち位置をどうみるかである。多くの市場関係者は、企業収益の好調、他市場からみてPERが出遅れていることを評価して年末高もしくは年度末高を期待しているようだ。

だが、テクニカル的には目下の上昇は長いスパンで考えれば、明らかに2008年リーマン・ショック後の長期上昇波動の大天井に向かってすでに走り出しているとの感がある。つまり、マラソンレースでいえば、いよいよゴールを目指しているのではないか、大天井が近いとの判断だ。

ところで、天井をつけるパターンは二つある。ひとつは、途中休むことなく一気に駆け上がって天井をつけにいくパターン、13年5月型だ。もうひとつは途中ラストスパート備えて息抜きをして、あとは一気に走り込むパターンだ。

いずれにしても、ラストスパートは連続上昇して高値をつけることが多い。

もちろん、日米金利差拡大から一段の円安への期待が株価押し上げ要因であることに異論はない。だが、天井をつけるときは材料というより市場人気で決まるのが大原則だ。

●株価の行方は来週後半に結論?

では、当面の株価をどうみるか。週末まで3日間の下げで、川でいえば危険水域に入ってきたようだ。上値余地ありとすれば、このあと急反発するのが常である。仮にさらに下落すれば、堤防が一部決壊する可能性も出てくる。

東京市場は3日連休に入る。また、NY市場も週明けは債券市場が休みとなる。いま長期金利が最大の株価決定要因になっているだけに、結論は来週後半に持ち越されることになる。

筆者は、堤防は一部決壊しても大事に到らず、一両日中に反発、危機を脱して上昇軌道に戻るとみているが、事と次第では調整は10月中旬まで長引く公算もあろう。

さて、当面、厳しい局面下での物色銘柄をどうみればよいのか。今の指数の立ち位置からして、やはりもっとも効率のよいのは指数のETFだ。天井圏では尚更である。日経平均ブル2倍上場投信 <1579> [東証E]などいかがか。

次いで注目されるのは金融の三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> だ。米国長期金利の上昇が国内にも波及してきた。TOPIXは日経平均に対して出遅れているが、その修正という意味でも金融株は注目したい。ソフトバンク・テクノロジー <4726> も面白そうだ。ソフトバンクグループ <9984> が高すぎて買えないという向きには格好の対象だろう。

2018年10月5日 記

株探ニュース

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