クリレスHD Research Memo(6):IFRS基準による中期経営計画(ローリングプラン)を推進

特集
2018年10月17日 16時40分

■成長戦略

1.中期経営計画

クリエイト・レストランツ・ホールディングス<3387>は、IFRS基準による3ヶ年の中期経営計画(ローリングプラン)を推進している。最終年度である2021年2月期の目標(M&Aを含まない)として、売上収益を145,000百万円、営業利益を9,300百万円、税引前利益9,100百万円、当期利益6,100百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益を5,000百万円と掲げている。積極的なM&Aを通じて成長性のある業態を同社の成長に取り込む「グループ連邦経営」のもと、1)オーガニックな出店、2)M&A、3)更なる海外展開により、持続的な成長を実現する計画となっている。

2. 中長期的な成長イメージ

同社は、「グループ連邦経営」をさらに発展させることにより、強いポートフォリオの構築による継続的成長を描いている。すなわち、これまでのM&Aを通じて、従来の商業施設立地に加えて、繁華街及び駅前(SFP)やロードサイド(KR)のほか、新たに追加された観光地、海外(中華圏、ASEAN、北米など)を含めて、立地の多様性が図られてきたことに加えて、業態(専門ブランド)の種類も拡充してきたことから、立地の多様性と様々なブランドの専門性の掛け合わせをさらに追求することにより、新たな成長機会を生み出す戦略である。

当面の目標として、M&Aを含む売上高2,000億円の早期実現を目指す。また、前述のとおり、「グループ連邦経営」をさらに進化させるため、テーマごとに「クロスファンクショナルチーム」を立ち上げ、グループ横断的な課題解決に取り組む方針を打ち出している。まずは、「購買」、「店舗設計」、「採用」にて大幅なコストダウンを進めており、いよいよシナジー創出に向けて本格的に動き出したと言える。

弊社では、成長の軸を担う居酒屋業態の出店余地が十分にあることや、M&A の環境が同社にとって追い風であること、海外事業もノウハウの蓄積や和食人気の後押しが期待できることなどから、中期経営計画の達成は可能とみている。前期及び今期における新規出店がこれまでのペースと比べてやや抑え気味となるものの、環境変化への対応や今後の成長加速を見据え、既存店の強化や新業態の開発などに早目に取り組んでいるのは、合理的な判断と評価できるだろう。また、これまで積極的なM&A により規模拡大を図ってきた「グループ連邦経営」についても、具体的なシナジー創出に向けた動きにより新たなフェーズに入ってきたものとみている。今後の注目点として、既存店強化(業態変更を含む)の成果、新業態の立ち上がり、海外展開の進展、M&A の実現に向けた動き、グループシナジーの創出などが挙げられる。特に、国内経済の成熟化が進むなかで、M&A の軸は海外(特に、北米)に向けられる可能性があるとみており、中長期的な視点からM&A を活用した海外展開にも注目している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《HN》

提供:フィスコ

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