韓国で観測されるPM2.5、中国由来が主 多くて8割=韓国気象専門家

経済
2018年10月18日 16時44分

朝鮮半島は冬季に差し掛かる秋に、中国からの大気汚染の影響を被る。韓国では10月中旬からPM2.5の濃度が高くなり、一部の人には長時間の屋外活動の停止を推されるレベルに達した。韓国の気象学者によると、滞留するスモッグは国内由来だが、偏西風にのり流れてきたスモッグは主に中国からだとしている。

ラジオフリーアジア(RFA)によると、夏を終えてすぐ、韓国の多くの都市では、白い雲と青空を眺めることのできる秋らしい晴れ日が続いた。北部の南山テレビ塔からは、南北境界線である38度線が確認できるほどだったという。

ソウルでは10月初旬まで、微細粉塵PM2.5などを計測する大気質指標(AQI)は8にとどまっていたが、中旬に差し掛かり35に急上昇。16日には、子供や高齢者、心臓や肺を患う人が長時間の屋外活動の停止を推される150を超えた。同期の北京の200ほどではないが、ソウルでは大気汚染による不快感を感じる人が増えているという。

あるソウル市民は韓国聯合ニュースに対して「このところ天気は良かったのに、マスクをつけることもないと思ってましたが…」と残念そうに述べた。

韓国国立環境科学院によると、スモッグは毎年11月から5月まで続く。同院は昼夜の寒暖差により引き起こされる大気の停滞と、偏西風にのって流れてくる中国由来のものだと説明している。

同院は、停滞する大気汚染は韓国から発生するもので、石炭火力発電、自動車や工場の排出ガスなどが原因としている。ソウルでは2018年3月、観測史上最悪のPM2.5を記録した。

韓国民間気象情報センター「Kweather」の気象予報主任・潘基成氏は同メディアで、韓国の秋冬に観測されるPM2.5のうち、中国由来は6~7割、最高で8割に上ると述べた。

長年、石炭暖房を主とする中国では、冬季の大気汚染が深刻になる。中国当局によれば2017年、北京、天津、河北省の暖房燃料を石炭からガスに変更したことで、大気汚染は前年より15%改善したという。

北京の冬は厳しく、12月~2月はマイナス5~9度になる。中国ネットユーザの情報によると、地域住民は当局による石炭ボイラーの使用禁止や強制撤去、ガス供給不足や関連インフラ不整備で、暖房のない過酷な冬越しを強いられたとして、不満を噴出させていた。

中国気象当局は8月、冬季の空気質は再び3%改善するとの予測を発表した。これにより、今冬は工業セクターに対する公害規制を緩和させるとみられている。韓国メディアは、米中貿易戦にある中国は、産業を停滞させられないため、公害対策を遅らせる可能性もあると伝えた。

(編集・佐渡道世)

【ニュース提供・大紀元】

《US》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.