今週のマーケット展望「米中間選挙終了で戻りをたどる展開か」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(飯村真由)

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2018年11月5日 10時35分

こんにちは、フィスコリサーチアナリスト飯村真由の「マネックス証券の気になるレポート」です。今週は、6日にいよいよ米国中間選挙が実施されますね。民主党の躍進が予想されていますが、結果はいったいどうなるのか、注目してまいりましょう。さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、11月5日に配信されました。その中から今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。

まず広木さんは、今週最大のイベントは『米国の中間選挙である』と言及し、『上院は与党・共和党が過半を確保するのがほぼ確実とみられている一方、下院は予断を許さない。民主党が優勢だが激戦区も多く、また共和党が巻き返しているとの観測もある』と伝えています。

続けて、米中間選挙について『下院で民主党が勝てば、議会は「ねじれ」となる。法案が通過しにくくなるとの懸念から株安・円高になるとの見方もあるが、そうはならないだろう。第一に、下院は民主党優勢というのがメインシナリオだから、メインシナリオ通りに決まればサプライズにはならない。市場の反応は限定的となるだろう』と自身の見解を伝えています。

加えて、法案を通しにくくなるという懸念について、『既に減税は実施済みで、トランプ大統領が掲げた公約のうち残っている目玉政策は巨額のインフラ投資である。しかし、こうした大統領の政策に対して懐疑的なのは与党共和党のほうであって、実は民主党はインフラ投資の増額を長年にわたって推進してきた。下院が民主党となればインフラ投資案はむしろ推進しやすい』と考察しています。

下院で共和党が勝利した場合については『法人減税の効果が切れる2020年に向けて、追加の政策が打ち出されるとの期待から、株高・円安になるだろう』と分析しています。

また、『選挙の事前調査は当てにならないことはEU離脱を決めた英国の国民投票や2年前の米大統領選でも体験済みである』としており、従って『市場は中間選挙の結果について事前に確固としたビューを持っていない。下院については民主党、共和党どちらの勝利もあり得ると柔軟に構えている。従ってサプライズで波乱、ということにはなりにくい。上院・下院とも民主党が制するというのがサプライズだが、可能性はとても低いのでそのシナリオは棄てていいだろう』と示唆しています。

ダウ平均については『下げ幅の半値戻しを取引時間中の値動きで一時達成した。「半値戻しは全値戻し」の格言通りになるか。それにはまず終値でも半値戻しを固めること。もうひとつは米国長期金利の落ち着きである』と指摘しています。

続けて、『先週の雇用統計を受けて10年債利回りは再び3.2%台に上昇した』と伝えており、『米国株のPERはまだ妥当な水準にあるため、金利対比の割高感は高まっていない。この程度の金利上昇なら耐えられる。長期金利が3.2%だとするとイールドスプレッドで3%を確保する益利回りは6.2%、PERでは16倍強が許容範囲でS&P500で言えば2800ポイントあたりまで。それを超えるには業績の伸びが必要であるため、しばらく時間を要するだろう』との見解を示しています。

米国の金利上昇については『米国株にとって重石だが、ドル円相場を支え、日本株にはプラス材料である』と指摘し、『株式市場は大幅安になったがドル円は米国金利上昇を背景に非常に堅調であった』と伝えています。

先週2日の日経平均は556円高と急伸しましたが、この要因については『いくつかの要因のうち、米中貿易問題の懸念が後退したこともある。それを如実に表したのが午後に「トランプ米大統領が米中貿易合意の草案作成を指示した」との報道が伝わると相場上昇に弾みがついたことだ』と述べています。

しかし、『これは中間選挙を意識したリップサービスである可能性が高い』として、『選挙が終わってしまえば再び敵対路線に戻るリスクもある。月末のブエノスアイレスG20での米中首脳会談までは、まだ一波乱もふた波乱もあると思っておいた方がよさそうだ』と示唆しています。

日経平均については『フィボナッチの38.2%戻しを固めれば次の半値戻し2万2700円を試しにいける。だがその前に2万2500円という節目をクリアする必要がある。現在のEPSで2万2500円はPER13倍ちょうどだから、少しでもEPSが増額になれば12倍台に下がるので本来であれば楽にクリアできる水準だ。その意味でも6日のトヨタの決算発表が注目される』と分析しています。

最後に、今週の予想レンジについて『2万1800円~2万2500円とする』とまとめています。

飯村真由の「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを飯村真由の見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。

フィスコリサーチアナリスト 飯村真由

《HH》

提供:フィスコ

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