デジタル資本主義がやってくるvol.7 新たな時代をとらえる力が重要【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】

経済
2018年11月21日 17時01分

◆フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議の主要構成メンバー

シークエッジ グループ代表 白井一成

フィスコIR取締役COO 中川博貴

フィスコ取締役 中村孝也

【フィスコ世界経済・金融シナリオ会議】は、フィスコ・エコノミスト、ストラテジスト、アナリストおよびグループ経営者が、世界各国の経済状況や金融マーケットに関するディスカッションを毎週定例で行っているカンファレンス。主要株主であるシークエッジグループ代表の白井氏も含め、外部から多くの専門家も招聘している。それを元にフィスコの取締役でありアナリストの中村孝也、フィスコIRの取締役COOである中川博貴が内容を取りまとめている。2016年6月より開催しており、これまでにも今後の中国経済、朝鮮半島危機、第四次産業革命後の日本経済の分析、仮想通貨と日本経済のゆくえなどの分析・考察を行ってきている。

◇以下は、フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議で議論したことをFISCO監修の投資情報誌『FISCO 株・企業報 2018年冬号 -10年後の日本未来予想図』(10月5日発売)の特集『デジタル資本主義がやってくる ~パワーシフトの波に乗れ!~』でまとめたものの一部である。全8回に分けて配信する。

「10年後の日本未来予想図」という今号の特集テーマに際し、フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議では、10年後の未来を考えるにあたり、その根幹を貫くキラーワードが「デジタル資本主義」であると考えた。「デジタル資本主義」とは何なのか。それが我々の住む日本に何をもたらすのか。同分析会議の主要構成メンバーの1人であるフィスコIR取締役COOの中川博貴氏に話を伺った。

~世の中の動向を読み解く能力が重要~

■歴史の流れに乗れるか、乗れないかで優勝劣敗が分かれる

すでに成長の萌芽が見え始めている仮想通貨とブロックチェーン技術は爆発的な普及を目前にしている。これから本格的に始まるであろう「仮想通貨社会」は、インターネットがそうであったように、すぐに目に見えるような変化は起こらない。気づいたころにはインターネットは重要な社会インフラになっていた?という状況と同じことが起こるはずである。

今後、デジタル資本主義時代が本格化すれば、マネーそのものの力より、情報による新たな時代をとらえる力が重要になるに違いない。その代表的なテクノロジーともいえる仮想通貨とブロックチェーンが社会に浸透すれば、大きなパワーシフトが起こる。かつて商業資本主義から産業資本主義へ移行したときや、産業資本主義からポスト産業資本主義に移行するときと同様に、その流れに乗れる人、乗れない人で優勝劣敗がはっきり分かれるだろう。

歴史は繰り返す。ITバブルでグーグルやアマゾンを見つけることができれば、大きな果実を手に入れることができたように、インターネット以来の大発明といわれる仮想通貨とブロックチェーンの普及前夜にいる私たちは大きな果実をもぎとる機会を与えられているのである。

■仮想通貨やブロックチェーンは既存の業界を大きく変革する

今後、仮想通貨が社会に浸透していく段階において、インターネットの普及で登場したGAFAのような新たなプラットフォーマーが登場する。この段階で、これまでには存在しなかった新たなサービス、0→1のサービスが誕生することになるだろう。たとえば、仮想通貨の取引が行われる「仮想通貨取引所」や、仮想通貨の財布である「ウォレット」など、仮想通貨が誕生するまでは存在しなかったビジネスがそれにあたる。今後も技術の進展によって、現時点では想像できない新たなビジネスでのプラットフォーマーも登場するはずだ。

もはや、グーグルやアマゾンの株価がこれから10倍になるのは容易ではない。テンパガーを探すのなら、今後の成長分野に目を向けるしかない。その可能性を大きく秘めているのが仮想通貨とその基幹技術であるブロックチェーンだといえる。

他方では、すでにAIなどのデジタル技術の進展やシェアリングエコノミーの浸透によって、これまでにない音楽サービスを提供する「Spotify(スポティファイ)」、民泊仲介サイト「Airbnb(エアビーアンドビー)」、自動車配車サービス「uber(ウーバー)」といった新しいサービスが誕生し、ITプラットフォーマーとして大きな力を持つようになっている。

こうしたことを勘案すると、仮想通貨やブロックチェーン技術が社会に浸透し始めると既存の業界を大きく変革する存在として加速度的に普及していく可能性は高いだろう。

なぜなら、スポティファイやエアビーアンドビーがデジタル技術の発展によって登場した新たなビジネスモデルを持ったイノベーターとして既存業界を大きく変える存在となったように、デジタル技術の発展によって誕生した仮想通貨やブロックチェーン技術も決済手段や記録保存手段の在り方を業界の垣根を越えて変革することで人々の生活を便利で快適なものへと変化させる可能性を秘めているからだ。

(つづく~「デジタル資本主義がやってくるvol.8 資産を築く道はこれまで以上に開けている【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】」~)

◆執筆者

シークエッジ グループ代表 白井一成

フィスコIR取締役COO 中川博貴

フィスコ取締役 中村孝也

提供:フィスコ

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