前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2018年12月12日 5時30分

■秋川牧園 <1380>  1,497円 (+268円、+21.8%)

秋川牧園 <1380> [JQ]が急反騰。前日は日々公表銘柄に指定されたこともあって5日ぶりに大きく利食われたものの、11日はすかさず下値を買われ再浮上に転じた。中国で猛威をふるっている豚コレラの国内上陸が岐阜県で確認されたが、10日に同県内の飼育施設で4例目となる豚コレラの陽性反応が出たことが発表された。同社は無投薬飼育による鶏肉加工を手掛けていることから、商機を得る関連有力株として投機性の強い短期資金の物色対象となっている。

■3DM <7777>  507円 (+80円、+18.7%) ストップ高

スリー・ディー・マトリックス <7777> [JQG]がストップ高。10日の取引終了後、吸収性局所止血材「PuraStat(ピュアスタット)」に関して、欧州の第三者認証機関であるBSIから後出血予防用途への適応追加が承認されたとの連絡を受けたと発表しており、業績への貢献を期待した買いが入った。今回適応追加となった後出血とは、手術中は止血が十分できているように見えても、手術終了後に出血が起こるケースのこと。現在、医療機器の市場には止血材は多く存在するものの、後出血を予防できる止血材は同社製品が世界で初となるとしている。また、後出血予防への適応承認があることで、術中・術後の実際の出血の有無に関わらず後出血を予防する目的で同製品を適応できるようになり、症例数及び使用量が飛躍的に増えることが期待されている。なお、19年4月期業績への影響は精査中としている。

■シルバーライフ <9262>  5,480円 (+705円、+14.8%) ストップ高

シルバーライフ <9262> [東証M]がストップ高。10日大引け後に発表した19年7月期第1四半期(8-10月)の経常利益(非連結)が前年同期比80.3%増の2.2億円に拡大して着地したことが買い材料視された。高齢者向け配食サービスのフランチャイズ店や高齢者施設の契約数が増加し、調理済み食材の販売が拡大した。取引先の増加でOEM販売も伸び、売上高は前年同期比26.9%の大幅増収を達成した。上期計画の3.4億円に対する進捗率は66.0%に達しており、業績上振れを期待する買いが向かった。

■京進 <4735>  1,290円 (+79円、+6.5%)

京進 <4735> [東証2]が急反発、年初来高値を更新した。1300円台が目前で、昨年9月につけた高値1320円をクリアすれば、実質上場来高値更新となる。京都、滋賀などを地盤に私立の中・高入試対策を中心とする学習塾を展開、個別指導も充実しており、生徒数拡大が続いている。また、保育園から介護事業まで一貫した人材分野のビジネスに精通していることも、同社株評価の背景にある。同社は政府の外国人就労拡大に向けた政策を背景に京進ランゲージアカデミー(外国人の日本語学校)運営が注目されており、これまでに日本語学校は全国に9校展開しており10月末現在で生徒数は約2180人と日本最大規模となっている。そうしたなか、前週末7日には日本語学校を運営するダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)を19年1月11日付で完全子会社化することを発表、業容拡大に余念がない。

■日本エスコン <8892>  708円 (+41円、+6.2%)

東証1部の上昇率5位。日本エスコン <8892> が急反発。10日大引け後、18年12月期の連結経常利益を従来予想の102億円→104億円に2.5%上方修正。増益率が70.3%増→74.5%増に拡大し、従来の11期ぶりの過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。マンションの引き渡し戸数は計画を若干下回るものの、収益不動産の販売で採算が上向くことが利益上振れの背景。業績好調に伴い、期末一括配当を従来計画の26円→32円(前期は18円)に増額修正した。前日終値ベースの期末配当利回りは4.8%に上昇し、権利付き最終日を25日に控え、配当取り狙いの買いなどが向かった。

■ピクセル <2743>  273円 (+13円、+5.0%)

ピクセルカンパニーズ <2743> [JQ]が6日ぶり大幅反発。同社は10日取引終了後、マカオでレギュレーションの申請を行っていたカジノゲーミングマシン「RGX-1000 シリーズ」開発第1弾全4タイトルについて、監理部門から承認を取得したことを発表。これを受けマカオ内カジノ施設への設置・販売を行う計画で、業績拡大に対する思惑が膨らんだ。株価は前週から急速に水準を切り下げ75日移動平均線を大きく下放れる形となっていたが、足もとは値ごろ感も働き買いを一気に呼び込んだ。

■Bガレージ <3180>  1,785円 (+76円、+4.5%)

東証1部の上昇率7位。ビューティガレージ <3180> が大幅反発。10日の取引終了後に発表した第2四半期累計(5-10月)連結決算は、売上高64億7300万円(前年同期比20.4%増)、営業利益2億1500万円(同5.8%減)、純利益1億2500万円(同36.8%減)と営業減益となり、これを受けて株価は朝安でスタートしたが、8-10月期営業利益は8.7%増益となっており、徐々にこれを評価する動きが強まり切り返した。上期は、物販事業で新ECサイトの不具合もありPB機器の販売が伸び悩んだことや為替相場が円安に推移した影響で売上総利益率が低下。また、新ECサイトに対する投資費用がかさんだことに加えて、海外拠点における投資が先行したことなども利益を圧迫した。ただ、8-10月期はEC売り上げの堅調な推移なども寄与し、やや改善に向かった。なお、19年4月期通期業績予想は、売上高136億2000万円(前期比16.6%増)、営業利益7億4200万円(同14.6%増)、純利益4億7100万円(同4.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■リボミック <4591>  336円 (+14円、+4.4%)

リボミック <4591> [東証M]が6日ぶりに大幅反発。10日の取引終了後、米プリツカー神経精神疾患研究コンソーシアムの一員であるミシガン大学と共同研究試料提供契約(MTA)を締結したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。プリツカーコンソーシアムは、3つの主要な精神障害である大うつ病性障害、双極性障害および統合失調症の神経生物学的および遺伝的原因の解明を目指す研究機関で、バイオマーカーや新規医薬標的の同定にも取り組んでいる。今回の契約によりリボミックとプリツカーコンソーシアムは共同で、各種のin vitro(細胞)モデルおよびin vivo(動物)モデルを用いて、リボミックが創製したアプタマーの精神疾患に対する効果を検証するとしている。

■日総工産 <6569>  1,908円 (+78円、+4.3%)

東証1部の上昇率9位。日総工産 <6569> が大幅反発。同社は11日、代表取締役社長の清水竜一氏がビジネス情報番組「賢者の選択 Leaders」に出演すると発表。放送日は、日経CNBC(CS全国放送)では16日の正午から、BS12トゥエルビ(BS全国放送)では16日の午後6時から、サンテレビ(地上波)では17日の午後10時からを予定。番組内では、ナビゲーターとの対談を通じて事業内容や取り組みなど、経営者としての想いを語るという。

■竹本容器 <4248>  3,060円 (+123円、+4.2%)

竹本容器 <4248> が5日続伸。10日、同社が12月31日現在の株主を対象に1→2の株式分割を実施すると発表したことが買い材料視された。最低投資金額が現在の2分の1に低下することから、株式流動性の向上と投資家層の拡大を期待する買いが向かった。

■泉州電業 <9824>  2,711円 (+98円、+3.8%)

泉州電業 <9824> が6日ぶりに大幅反発。10日大引け後に発表した18年10月期の連結経常利益は前の期比18.8%増の41億円で着地。続く19年10月期も前期比4.3%増の42.8億円に伸びる見通しとなったことが買い材料視された。今期は機器用・通信用電線を中心に販売が伸び、3期連続の増収増益を計画する。業績好調に伴い、前期の年間配当を50円→55円に増額し、今期も前期比5円増の60円に増配する方針としたことも支援材料となった。併せて、発行済み株式数(自社株を除く)の1.51%にあたる15万株(金額で5億円)を上限に自社株買いを実施すると発表しており、株主還元の拡充を好感する買いも向かった。

■ZOZO <3092>  2,469円 (+78円、+3.3%)

ZOZO <3092> が3日続伸。衣料品通販サイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を展開する。ゾゾタウンは取り扱いブランド数が拡大し増収基調にあるが、プライベートブランド拡大に向けた先行投資が利益面では重荷となっており、株価も7月下旬以降は一貫して調整局面にあった。ただ、足もとは売り一巡感が出ている。ここにきて急激に気温が低下していることから、冬物衣料が伸びるとの思惑も株価にプラスに働いているもよう。

■スギHD <7649>  5,030円 (+135円、+2.8%)

スギホールディングス <7649> が反発。10日の取引終了後に発表された11月度の月次速報で、スギ薬局事業とジャパン事業を合わせたスギ薬局全体の既存店売上高が前年同月比1.1%増となり、2ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。単価が同1.1%減と下落が続いているものの、客数が2.2%増と増えたことが寄与した。なお、全店売上高は6.6%増だった。

■NIPPO <1881>  1,988円 (+50円、+2.6%)

NIPPO <1881> が続伸。大和証券が10日付で、投資判断を「3」から「2」としたことが好感されている。同証券では19年3月期業績について、原材料高や、独占禁止法違反による1ヵ月の営業停止処分、自然災害の影響などを受けて、営業利益360億円(前期比7%減)と減益を予想。ただ、過去2年にわたる原材料高のトレンドが反転する可能性が高まったことや、堅調な舗装需要が期待できることなどから、20年3月期は同410億円(同14%増)と急回復を見込む。更に中長期的には、M&Aによる地域子会社の拡大や東南アジアでの合材事業拡大による緩やかな成長を想定している。なお、目標株価は2400円を継続した。

■ソフトバンクグループ <9984>  8,827円 (+211円、+2.5%)

ソフトバンクグループ <9984> が4日ぶり反発。ここ全体リスクオフ相場で先物主導の裁定解消売りを浴びたほか、通信障害問題やファーウェイ副会長逮捕など同社株にはネガティブな材料が相次いだ。しかしPERは10倍を割り込んでおり、目先需給面では空売り筋の買い戻しなども株価切り返しに反映されている。前日に通信子会社ソフトバンク <9434> の売り出し価格が1500円に決定、19日に東証1部に上場する予定で、同社は約2兆6000億円を調達することになる。これは、1987年に上場したNTT <9432> を大幅に上回る国内最大規模で、師走相場の最大のビッグイベントとなる。

■シリコンスタ <3907>  1,212円 (+30円、+2.5%)

シリコンスタジオ <3907> [東証M]が6日ぶりに反発。前引け後に同社のポストエフェクトミドルウェア「YEBIS3(エビス3)」が、セガゲームス(東京都品川区)が発売するプレイステーション4用ゲームソフト「JUDGE EYES:死神の遺言(以下「JUDGE EYES」)」に採用されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。「JUDGE EYES」は、セガゲームスの龍が如くスタジオが放つ本格リーガルサスペンスアクションの最新作。12月13日に発売予定で、俳優・アーティストの木村拓哉氏が主役を演じるなど、龍が如くスタジオらしく豪華俳優陣が起用されていることが特徴という。今回、同タイトルに採用された「YEBIS3」は、グレア、被写界深度、カラーコレクション、アンチエイリアスなど、ポストプロセスでさまざまなエフェクトを付加できるポストエフェクトミドルウェアで、「JUDGE EYES」の重厚なルックの構築に貢献しているという。

■アイリック <7325>  1,800円 (+39円、+2.2%)

アイリックコーポレーション <7325> [東証M]が7日ぶりに反発。10日大引け後、9月25日のマザーズ上場に伴う記念株主優待を実施すると発表しており、これを好材料視する買いが向かったようだ。18年12月末時点で100株以上を保有する株主を対象に、抽選で30人に10万円相当のJTB旅行券を贈呈する。

■カプコン <9697>  2,150円 (+44円、+2.1%)

カプコン <9697> が反発。11日午前10時ごろ、「モンスターハンター:ワールド」の超大型拡張コンテンツ「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を、19年秋に配信開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。「モンスターハンター」シリーズは、雄大な自然の中で巨大なモンスターに立ち向かうハンティングアクションゲームで、04年に第1作を発売して以降、今でも確実にファンを増やし、プレイステーション4、Xbox Oneおよびパソコン向け最新作の「モンスターハンター:ワールド」は1000万本を突破し、シリーズ累計販売本数5200万本を超える大ヒットシリーズ。「モンスターハンターワールド:アイスボーン」は、「ワールド」の有料での大型拡張コンテンツとして配信されるタイトルで、新たなクエストランク、アクション、フィールド、モンスター、武器防具を追加し、「ワールド」のエンディング後から始まる、さらなるストーリーを楽しむことができるとしている。

■ALBERT <3906>  14,830円 (+300円、+2.1%)

ALBERT <3906> [東証M]が反発。同社はディープラーニングを活用したビッグデータ分析サービスや、AIアルゴリズムの開発、システム実装までワンストップで手掛ける強みを持っている。今年5月のトヨタ自動車 <7203> との資本・業務提携で一躍その技術力の高さにスポットが当たり、株価は大きく居どころを変えた。また、構造的な人材不足が浮き彫りとなっているデータサイエンティストの派遣・育成事業に注力、国内トップクラスともいえる人員の層の厚さも株価評価の礎となっている。今18年12月期営業損益は1億5000万円の黒字を見込むが、これは期中に2回の上方修正を行っており、期初予想は2000万円だった。今期はさらなる上振れの可能性を内包するほか、来19年12月期については3億8000~4億円と今期予想比2倍以上の伸びを見込む声も出ている。

■ウエルシア <3141>  5,880円 (+100円、+1.7%)

ウエルシアホールディングス <3141> 、クリエイトSDホールディングス <3148> 、ツルハホールディングス <3391> 、クスリのアオキホールディングス <3549> 、スギホールディングス <7649> などドラッグストアに堅調な株価が目立つ。全般軟調相場のなか、主力輸出株を避け内需の好業績株に資金をシフトする動きがみられる。ドラッグストア業界は前年同月比売上高がプラスで推移する企業が多い。ウエルシアHDやスギホールディングスは前日に11月の月次売上高を発表しているが、全店ベースで前者は9.2%増、後者は6.6%増といずれもプラスとなっている。

■NTTドコモ <9437>  2,577.5円 (+26円、+1.0%)

NTTドコモ <9437> やKDDI <9433> など通信株が堅調。19日に株式上場を予定しているソフトバンクの売出価格は10日に1500円で決定した。11日から14日までが申込期間となっており、市場には、ソフトバンクの初値に対する期待が膨らんでいる。個人の多くは新規資金を投入した様子だが、一部投資家は他の保有株を換金してソフトバンクの購入資金に充てる動きも出ていた様子。同じ通信株のNTTドコモやKDDIなども換金売りの対象となっていたとの見方が出ているが、「ソフトバンクIPOの換金売りはほぼ一巡してきたのではないか」(アナリスト)との観測も市場には出ていた。

■日本航空 <9201>  3,903円 (+38円、+1.0%)

JAL <9201> 、ANAホールディングス <9202> がいずれもプラス圏で推移。前日のWTI原油先物価格は1ドル61セント安と急落、1バレル=51ドルまで水準を切り下げており、鉱業や石油セクターには売りがかさんでいるが、空運セクターにおいては、燃油コストの低下につながるためポジティブ材料として受け止められている。ただ、原油価格の下落基調は世界景気の減速懸念が背景にあり、これは世界的な旅行需要を減退させることにもつながるだけに、積極的に上値を買う動きは見られない。両銘柄とも時価は25日移動平均線を大きく下回る水準に位置している。

※11日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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