ステップ Research Memo(4):2019年9月期から2年間は成長基盤を構築する期間と位置付け

特集
2018年12月12日 15時04分

■今後の見通し

1. 2019年9月期の業績見通し

ステップ<9795>の2019年9月期の業績見通しについて、会社側では売上高のみの開示とし、前期比3.7%増の11,442百万円を見込んでいる。今後2年間は中長期的な成長を続けていくための基盤づくりに集中的に取り組む期間として位置付け、IT投資や新たな取り組みを積極的に進めていく方針としているためだ。これら投資費用の増加により営業利益率が一時的に低下し、減益となる可能性があるものの、それほど大幅にはならないものと弊社では見ている。

(1) 生徒数の募集状況

生徒数については期中平均で前期比2~3%増を前提としている。2018年10月末時点の生徒数は前年同期比2.1%増となっている。内訳を見ると、小学生部門は5年生の入塾が低調だったことから同0.4%増にとどまっている。「私立大学の定員厳格化」報道が広がるなかで、付属校を中心とした私立中学への受験人気が高まった影響が考えられる。また、中学生部門については同2.7%増と堅調に推移している。特に、中学3年生は同4.4%増の7,529人と好調で、定員に達したスクールも24スクールと例年を上回っている。11月は私立付属高校の内定が決まったことで退会者が増えたため前月比で若干減少したものの、2019年春の公立トップ校合格者数も前年実績を上回る可能性が高い。また、県立高校入試で現在10校で実施されている特色検査(記述式)が、2020年より新たに9校で導入されることが決まり、計19校で実施されることとなる。前述したとおり、特色検査導入校でのステップ生の合格率は他の生徒を上回る成績を収めていることから、2019年度次の中学3年生の生徒数はさらに伸びることが期待される。

一方、高校生部門の10月末の生徒数は前年同期比1.2%増と伸びとして鈍化傾向となっている。これは2015年春に14校体制となって以降、新規の開校がなく、既存校でも1年生についてはほぼ定員に近づき募集を打ち切っている校舎も出ているためだ。ただ、2年生以降ではまだ伸ばす余地があると見ている。高校2年生後半か3年生の春にかけての予備校入会のピーク時に、部活を引退して通塾を始める生徒の募集に強くなることが課題であり、そのために、志望難関大学への合格者実績を増やしていくことに注力していく。

(2) 開校予定スクール

2019年9月期は、小中学部で「高校受験 犬蔵」(川崎市宮前区)、「高校受験 藤沢駅南口」(藤沢市)の2スクール、高校部で「大学受験 横須賀」(横須賀市)1校を新たに開校する予定となっている。「高校受験 犬蔵」については駅から徒歩30分圏と交通の利便性は決して良くないものの、同社のスクール展開で空白エリアとなっている地域でもあり、地元の生徒を獲得していく戦略だ。また、高校部では4年ぶりの新規開校となる。こちらも近隣にライブ授業で全教科を扱っている競合塾が少ないこと、また、横須賀市内には小中学部で4スクールを展開しており、これらスクールの卒塾生が継続して入塾することが期待されることから、順調な立ち上がりが予想される。

学童保育部門では、現在の「STEPキッズ湘南教室」(藤沢市)のスペースが手狭となったことから、新たに建築中の「高校受験 藤沢駅南口」校(6階建て)内に2019年3月に移転し、2~3階部分を学童保育で利用する予定となっている。定員数としては現在の約140名から約200名まで増加する。2019年9月期の設備投資額としては校舎新築工事費用を中心に、全体で1,141百万円を予定している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

提供:フィスコ

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