早稲アカ Research Memo(3):2019年3月期業績は期初計画を据え置くも、利益ベースでは上振れ余地が大きい

特集
2018年12月12日 15時53分

■業績動向

2. 2019年3月期業績見通し

早稲田アカデミー<4718>の2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比9.7%増の24,299百万円、営業利益で同53.6%増の1,708百万円、経常利益で同52.4%増の1,686百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同43.9%増の1,047百万円と期初計画を据え置いている。第2四半期累計では経常利益で計画を6.7%上回ったが、例年、第4四半期の塾生募集シーズンに生徒数が変動する可能性もあるためだ。ただ、足下の問合せ件数や2019年春の合格実績も前年を上回りそうなことから塾生数は下期も順調に推移すると見られること、また、費用面でも広告宣伝費を中心に保守的に見積もっていることから、利益ベースでは計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。

会社計画の前提となる期中平均塾生数は、前期比6.0%増を見込んでいる。内訳は、小学部で同11.1%増、中学部で同1.3%増、高校部で同1.3%増となる。足下の資料請求件数や見込み顧客数が前年比2ケタ増と順調に伸びていること、現在の塾生の成績状況から2019年春の難関中学、高校、大学受験の合格者数がいずれも前年を上回る実績を達成しそうなことなどから、2019年1月?2月の新規生徒募集も順調に進むことが期待でき、計画達成可能な水準と見られる。また、「早稲田アカデミー」の生徒当たり平均単価については通期でも若干の上昇を見込んでいる。

費用面では、売上原価率で前期比0.5ポイントの改善を見込んでいる。下期は新基幹システムの導入により校舎の事務職員の最適化(正社員1人で2校舎を担当等)やペーパーレス化等による費用削減が進むほか、校舎当たり塾生数の増加もあり労務費率、地代家賃比率の低下が見込まれる。また、販管費率についても前期比1.5ポイントの低下が見込まれる。集学舎ののれん費用113百万円や新基幹システム稼働に伴う償却費の増加、教材配送費用などを、新基幹システムの稼働による経費削減や広告宣伝費用の抑制効果で吸収する。特に、広告宣伝費については第2四半期までに通期計画の採用人数を充足したことから、採用関連の広告費用が引き続き減少するほか、広告手法見直しの効果もあって計画を下回る可能性が高い。

子会社の業績についても堅調に推移している模様。新規子会社となった集学舎は売上高で708百万円を計画しているが、第2四半期までの塾生数は計画を上回っており、通期でも上振れする可能性が高い。集学舎は千葉県内で難関県立高校を目指す進学塾「QUARD」を展開している。同社グループに入って以降、難関県立高校の合格者実績でトップを目指すためのプロジェクトとして、共同で特別カリキュラム3コースを開発し、2018年秋から「QUARD」の教室でスタートしている。今後はグループ採用によって課題であった講師の拡充も可能となるため、千葉県内での新規校舎開設も進めていく予定にしている。

なお、2019年3月期下期は「早稲田アカデミー 練馬校」1校を開校する(小学部2019年2月、中学部2019年3月)。移転リニューアル(中村橋校→練馬校)となるため、校舎数は変わらないが練馬校では新たな取り組みとして、生徒からの授業に関する質問から保護者からの相談まで、豊富な経験に基づき対応する“教務カウンセラー”を設置。また、関連書籍や映像配信用の液晶ディスプレイを設置した保護者専用ラウンジを用意するなど「次世代型」校舎となっており、今後の校舎展開を進めていくうえでのモデル校として、設備環境面を中心に新たな取り組みを行っていく予定にしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《SF》

提供:フィスコ

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