クイック Research Memo(1):専門職の紹介に強み、期待される中長期成長

特集
2018年12月14日 15時11分

■要約

クイック<4318>は、就業希望者と求人企業を結び付ける総合人材サービスを事業としている。求人広告、人材紹介、人材派遣、紹介予定派遣、業務請負の人材サービス4事業形態のほか、人事労務コンサルティングなど周辺事業も運営している。なかでも労働需給がタイトになりがちな専門職の人材紹介に強みがあり、同社の専門職向けの求人サイトは人気である。そのほか、企業経営者や人事担当者向けのポータルサイトや、海外における日系企業向け人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングなどの事業も行っている。同社は人材サービス事業、リクルーティング事業、情報出版事業、その他(ネット関連事業、海外事業)の5事業を展開しているが、人材サービス事業とリクルーティング事業で売上高の82%、営業利益の93%(連結調整前)を占める。しかし最近、その他の2事業も活発な動きを見せている。

人材サービス事業では、人材紹介や人材派遣、紹介予定派遣、業務請負などを行っている。人材紹介は登録型人材バンクで、医療機関を対象とした看護師や建設・プラント系エンジニアなど、専門・特定分野の紹介に強みを持っている。こうした分野でも競争は徐々に激化しており、運営する求人サイトのサービスやコンテンツなどを強化するとともに、若手コンサルタントの育成や能力開発を進めることで対処している。人材派遣では、地域特性や得意分野に絞って登録者を派遣する業務を展開している。派遣スタッフの登録数獲得が課題となっているが、募集サイトにおけるプロモーションやコンテンツを強化することで対応している。ほかに、保育士の派遣・紹介や保育園の運営も行っている。

リクルーティング事業は、求人企業が抱える採用・人事に関する課題解消に向けたコンサルティングと同社では位置付けており、採用活動の企画・提案から入社後の育成サポートまでワンストップのサービスを提供している。情報出版事業では、北陸3県と新潟県において、地域情報誌の出版やポスティング、コンシェルジュサービス(対面相談サービス)などの事業を行っている。ネット関連事業では、人事・労務に関する情報ポータルサイト「日本の人事部」やHR(Human Resources)イベント「HRカンファレンス」の企画・運営などHRビジネス(人事支援ビジネス)を行っている。海外事業では、米国や中国、ベトナム、メキシコ、英国において、現地の日系企業を対象に人材紹介や人材派遣、人事労務コンサルティングサービスなどを行っている。

2019年3月期第2四半期の業績は、売上高9,938百万円(前年同期比18.2%増)、営業利益2,017百万円(同19.1%増)と2ケタの増収増益となり、期初の同社計画に対して超過達成となった。人材派遣とリクルーティングの一部がやや弱い動きとなったが、他の事業は概して好調に推移した。2019年3月期業績見通しについて、同社は売上高18,500百万円(前期比10.3%増)、営業利益2,300百万円(同4.6%増)と期初の予想を変更しておらず、やや保守的な印象である。

同社は2030年に1,000億円企業を目指して、既存事業の成長と新規事業の育成に向け積極的な投資を継続する一方、M&AやAI技術により新たなビジネスモデルの開発を進めている。当面の目標として、2021年3月期売上高23,850百万円、営業利益3,430百万円を目指すが、既存事業強化のほか、人材サービス事業では人材派遣での戦略変更、リクルーティング事業では求人情報専門の検索エンジンIndeedを活用したサービスの提案強化などを進める考えである。

■Key Points

・専門職の人材紹介に強み。海外での展開を積極化

・2019年3月期第2四半期は好調で期初計画を超過達成

・2030年売上高1,000億円を目指す体制を構築しつつある

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《HN》

提供:フィスコ

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.