カナミックN Research Memo(2):地域包括ケアをクラウドで支えるITメガベンチャー

特集
2018年12月14日 15時32分

■会社概要

1. 会社概要

カナミックネットワーク<3939>は、医療・介護・子育て関連情報システムをクラウドで提供する会社である。社名の由来は「介護」と「ダイナミック」を掛け合わせたものであり、キャッチコピーは「人生を抱きしめるクラウド」。子育てから介護までをICT活用により生き生きと活性化させたいという思いが込められている。同社の経営理念は「超高齢社会の地域包括ケアをクラウドで支える」。そのサービスの特徴は、医療と介護の枠を越え、法人や職種の枠を越えて情報共有できるプラットフォームを提供している点にあり、国が推進する地域包括ケアの具現化に不可欠なものである。社長の山本拓真(やまもとたくま)氏は(株)富士通システムソリューションズでエンジニアの経験を持ち、同社入社後には総務省や厚生労働省、東京大学や国立がん研究センターなどで委員や研究員を歴任し、官民のパイプ役としても活躍する。同社のシステムは、現在761地域で導入されており、導入地域数では圧倒的な業界No.1である。クラウドサービスは、典型的なストックビジネスであり、売上げが安定して積み上がり、損益分岐点を超えた現在、収益性が非常に高いことが特徴である。

2. 沿革

同社は2000年に、医療・介護情報サービスを行う目的で設立された。2001年にはケア情報共有システムの提供、2002年には在宅ケア活動管理システムの提供、2006年には地域包括支援センター向けシステムの提供など、介護関連の様々なニーズに対応したシステムを開発しながら土台を固めた。飛躍のきっかけとなったのは2010年の医療・介護情報共有プラットフォームサービスの開始である。同年、大阪及び福岡に営業所を開設し、地域密着の取り組みを加速させる。2016年9月に東京証券取引所マザーズ市場へ上場。2018年7月に東証1部に昇格した。

3. 事業構成

同社が手掛けるサービスは、「カナミッククラウドサービス」と「コンテンツサービス」と「その他サービス」の3つに分類される。「カナミッククラウドサービス」は、地方自治体や医師会、介護サービス事業者などの多職種連携を可能とする地域連携型の「情報共有プラットフォーム」や「介護業務管理システム」、「子育て支援システム」を中心としたクラウドサービスである。全社売上高の86.3%(2018年9月期)を占め、同社の主力サービスである。「コンテンツサービス」は、クラウドサービスのユーザーである医療介護従事者に対して医療・介護に関連する情報を提供するインターネット広告サービス、介護事業者向けのホームページ作成サービスである。全社売上高の4.5%(同)とまだ規模は小さいが、ポテンシャルは大きい。「その他サービス」は、大口顧客向けカスタマイズ開発、厚生労働省や総務省等のプロジェクト請負や地方創生事業等におけるコンサルテーションサービスなどカナミッククラウドサービスに付随するサービスである。全社売上高の9.2%(同)であるが、年により変動が大きい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《HN》

提供:フィスコ

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