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2018年12月21日 19時30分
特集

「暴落の連鎖」日経平均2万円割れ寸前、年末大波乱相場とその行方<株探トップ特集>

―トランプ政権の迷走、FRB金融政策正常化へ「ノー」を突き付ける株式市場の思惑とは―

東京株式市場では世界的な株安の流れを受け、リスクオフ相場が加速している。21日、日経平均株価は大幅安で4日続落、一時2万円大台割れまで首の皮一枚、あと6円あまりというところまで水準を切り下げた。

きょうの安値まで4営業日で下げ幅は1500円に達した。東証1部の騰落レシオは21日終値時点で68%台と売られ過ぎとされる80%を大きく下回っている。下げ相場に輪をかけて、これまで頑強な値動きを続けていた銘柄についても片っ端から売り叩かれる展開に陥り、個人投資家の追い証(追加担保の差し入れ)発生に伴う投げ売りも誘発した。東証1部だけではない。個人投資家の土俵である新興市場も弱気一色に支配され、東証マザーズ指数は一時2年10ヵ月ぶりとなる800を割り込んだ。

●大方の予想を覆す「総悲観」のビッグウェーブ

外国人投資家がクリスマス休暇に入るなか、ここまでの“総投げ”相場を誰が予想しえただろうか。震源地は米国だ。18~19日の日程で行われたFOMCでは今年4回目の利上げを決めた。これは100%織り込み済みだったとはいえ、世界景気の減速懸念が取り沙汰されるなかにあって、会合後のパウエルFRB議長の会見では金融政策に対するハト派的な印象がみられなかったことがマーケットに嫌気された。さらに、翌20日にはメキシコの国境の壁建設に絡む予算の問題で米政府機関の一部閉鎖リスクが浮上、21日にはそれに追い打ちをかけるようにマティス国防長官が来年2月末で辞任することが伝わった。続けざまにボディーブローを撃ち込まれるごとく悪材料が噴出したことで、投資家心理は雪崩的に悲観に傾いた。

前日の米国株市場ではNYダウが一時700ドル近い下げを演じ、大引けは下げ渋ったものの460ドル余りの下落で約1年2ヵ月ぶりの安値圏に沈んでいる。12月4日以降、3週間弱でNYダウの下落率は7%を超えた。海外投資家による12月に入ってからの怒涛の日本株売りは、日本固有の問題ではなく、トランプ政権に対する失望売りの“とばっちり”であることは明らかだ。

●「政策催促相場」の色彩強めるマーケット

今回の世界株安は根底にはグローバル景気のスローダウンがある。そうしたなか、パウエルFRB議長の発言に“反トランプ的”な匂いを感じ取ったことで、それが売りの導火線に火を付けた。「パウエル氏の記者会見が下げ相場加速の引き金となったことからも分かるように、今の流れは政策催促相場的な色が強い」(国内証券株式部長)という見方がある。つまり、早期の利上げ打ち止めのシナリオをもっと強く前面に押し出せという市場の側からのメッセージである。

また、株式需給面では「ヘッジファンドなどの短期資金が顧客の解約売りに伴い運用資金をシュリンクさせている」(同)状況で、それが日本のみならず世界株安に反映されている。怖いのは外国人投資家の長期資金がまだ売りに動いていないことだ。「原油価格が下げ止まらない状況で、このままいけば長期資金であるオイルマネーが日本株売りに動き出す」(同)と警鐘を鳴らす。その場合は日経平均2万円割れはもとより、そこをボックス上限とする中期下降トレンドの扉を押し開いてしまう可能性も否定できない。

●マティス辞任で地政学リスクに要警戒

マティス国防長官の辞任についても市場で話題となっている。「軍事面のエキスパートで、対シリアやイラン、北朝鮮など米国の安全保障におけるキーパーソン。この要の人物が抜けた場合、トランプ大統領の暴走を止める人がいなくなる。一気に地政学リスクが高まるケースも考えられる」(国内ネット証券アナリスト)という。こうした、リスクオフモードの中で為替の動向も警戒される。「現在、ヘッジファンドがかなりの水準の円売りポジションを保持している。何かの拍子にこの解消に動けば急速な円高圧力につながる。100円近辺までの円高もあり得る」(同)と指摘する。その場合は、自動車セクターをはじめ主力輸出株には強力な向かい風となってしまう。

ただし、目先的にはリバウンドの機が熟している。個人投資家の追い証の投げが一巡し、21日の後場は下値抵抗力を発揮した。また、売買代金は3兆5000億円に膨らんでおり、ミニセリングクライマックス的な動きを反映した。前述したように東証1部の騰落レシオは68%台まで低下、70%を下回ったのは昨年4月中旬以来1年8ヵ月ぶりで、イレギュラーゾーンの極みにある。12月最終週はいったん戻り足に転じる可能性に言及する市場関係者も少なくない。

問題は年明け以降の相場で、再び下に振られる可能性を覚悟しておく必要はありそうだ。「中国の景気政策の効果が実勢経済に反映されるのは春節以降との見方が強く、それを確認するまでは下値リスクに対する神経質な地合いは続きそうだ」(前出の国内証券株式部長)との見方。今年に限って言えば“株を枕に越年”は避けた方がよさそうだ。

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