中国の景気刺激策への期待が下支え/オープニングコメント
17日の日本株市場は、米株高の流れを受けて買い先行後は、20500円処でのこう着感が強まりそうである。16日の米国市場はNYダウが140ドル超の上昇となった。大手行が相次いで予想を上回る10-12月決算を発表したことが好感されている。米連邦政府の閉鎖解除に向けて政府高官や一部議員が大統領への働きかけを強めていることへの期待感なども買いにつながったようである。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円高の20475円。円相場は1ドル109円台で推移している。
英議会はメイ内閣の不信任決議案を採決し、与党・保守党などの反対多数で否決した。離脱案の採決では大量の造反が出たが、不信任決議案では解散・総選挙で議席を失うことを恐れ、メイ首相の支持に回った格好。一先ず市場は落ち着きをみせそうだが、代替案の採決は30日までに行われる予定であり、引き続き混迷が続くことになろう。
物色としては、中国の景気刺激策への期待からボーイング、キャタピラーなど、同国での売上比率の大きい企業が買われており、この流れから機械や商社株などへの見直しも意識されやすいところである。一方で、米検察当局は提携先の米企業から企業秘密を盗んだ疑いで、中国の華為技術(ファーウェイ)に対する刑事捜査を進めていると報じられている。捜査は進んだ段階にあり、近く起訴につながる可能性があると米紙WSJが報じており、半導体関連への重石になりやすい。そのため、指数インパクトの大きい値がさハイテクの一角が日経平均の重石となるようだと、日経平均は20500円処でのこう着といった流れになりそうだ。
その他、メリルリンチのファンドマネージャー調査によると、「オーバーウエート」の回答比率から「アンダーウエート」を差し引いた数値が前月の+12%に対して、1月は-1%とマイナスになったようである。日本株の割安感は意識されているものの、米中貿易摩擦への影響が懸念されているとみられ、上値追いを慎重にさせやすい。
《AK》
提供:フィスコ