20日の香港市場概況::ハンセン1.0%高で反発、米中協議に期待感

市況
2019年2月20日 18時00分

20日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比285.92ポイント(1.01%)高の28514.05ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が112.51ポイント(1.01%)高の11229.43ポイントとそろって反発した。ハンセンは約半年ぶりの高値水準を切り上げている。売買代金は1086億4500万香港ドルに拡大した(19日は968億7600万香港ドル)。

投資家のリスク選好スタンスが強まる流れ。ワシントンで開催中の米中通商交渉に関しては、トランプ米大統領が19日、「協議は複雑だが極めてうまく運んでいる」とした上で、関税引き上げ期限(3月1日)の延長を再び示唆している。交渉決裂の警戒感がやや後退した。人民元安の懸念も後退。米中協議では、「人民元相場安定の保証を合意の枠組みに組み入れる方向で両国は一致した」と一部で報じられた。中国人民銀行は朝方、人民元の対米ドル基準値を2日続けて元高方向に設定。外国為替市場では元高が急速に進んだ。

ハンセン指数の構成銘柄では、生命保険で中国最大手の中国人寿保険(2628/HK)が4.3%高、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.5%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が3.4%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)とマカオ・カジノの銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)がそろって3.0%高と上げが目立った。

業種別では、マカオのカジノが高い。上記した銀河娯楽のほか、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が6.6%、永利澳門(ウィン・マカオ:1128/HK)が3.9%、美高梅中国HD(MGMチャイナ・ホールディングス:2282/HK)が1.6%ずつ上昇した。国務院が18日、広東・香港・マカオの経済連携などを強化するベイエリア構想「粤港澳大湾区」の計画要綱を正式発表したことが引き続き支援材料。新濠国際発展に関しては、傘下カジノ会社の四半期業績(10~12月)が大幅に伸びたことも好感されている。

元高メリットのある空運・紙パルプセクターもしっかり。中国南方航空(1055/HK)と中国東方航空(670/HK)がそろって2.5%高、中国国際航空(753/HK)が2.1%高、玖龍紙業(2689/HK)と理文造紙(2314/HK)がそろって2.2%高と値を上げた。

資源・エネルギーセクターも物色される。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が9.8%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が4.2%高、中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が2.4%高、中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が10.4%高、新奥能源HD(ENNエナジー:2688/HK)が3.9%高、港華燃気(タウンガス・チャイナ:1083/HK)が2.2%高で引けた。商品市況高が追い風となっている。

他の個別株動向では、バイオ医薬品の薬明生物技術(2269/HK)が3.1%高と反発。18年の通期業績について、純利益が前年比で245%以上の伸びを示すとの見通しを示したことが刺激材料だ。そのほか、18年通期業績の黒字転換見通しを手がかりに、香港航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)も7.8%値上がりしている。

一方、本土市場は3日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.20%高の2761.22ポイントで取引を終えた。空運・紙パルプが高い。不動産株、保険株、自動車株、消費関連株の一角も値上がりした。半面、医薬品株とハイテク株は値下がりしている。

【亜州IR】

《FA》

提供:フィスコ

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