前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年2月22日 5時30分

■コマツ <6301>  2,836.5円 (+103.5円、+3.8%)

コマツ <6301> 、日立建機 <6305> がいずれも上昇。米中貿易交渉への進展期待から世界株市場はリスクオンの流れにある。中国では政府による経済政策の効果が今後発現してくることが予想され、これを見込んで中国株市場では2月に入り上海総合指数が急速に水準を切り上げている。中国関連に位置付けられる両銘柄も目先海外ヘッジファンドとみられる短期筋のショートカバーを絡め、リターン・リバーサル狙いの買いが流入している。

■そーせい <4565>  1,193円 (+39円、+3.4%)

そーせいグループ <4565> [東証M]が大幅続伸。20日の取引終了後、クッシング病を含む内分泌疾患治療を対象とする新規低分子HTL0030310の自社開発において、第1相臨床試験を開始したと発表しており、これを好感した買いが入った。クッシング病は、コルチゾールホルモンの過剰分泌によって引き起こされる衰弱性の内分泌障害。症状には体重増加や中心性肥満、むくんだ赤ら顔、重度の疲労感および脱力感、脈理(紫色のストレッチマーク)、高血圧、うつ病、不安などがあり、年間1000万~1500万人が発症するといわれている。今回行われる第1相臨床試験は英国で実施され、最大64例の被験者を対象に安全性、忍容性、薬物動態および薬力学を検討するという。なお、HTL0030310は、臨床試験入りした同社グループの医薬品候補薬として6番目になる。

■住友鉱 <5713>  3,301円 (+99円、+3.1%)

住友金属鉱山 <5713> やDOWAホールディングス <5714> 、三菱マテリアル <5711> など非鉄株が高い。ロンドン金属取引所(LME)の銅相場は20日、前日比86ドル高の1トン=6405ドルに上昇。昨年7月以来、7ヵ月ぶりの水準に上昇した。銅在庫が低水準にあるほか、米中通商交渉が合意に向かっているとの期待も相場をサポートした。アルミやニッケル相場も上昇するなか、非鉄株には見直し買いが流入した。

■レンゴー <3941>  942円 (+23円、+2.5%)

レンゴー <3941> が4日続伸。21日付の日経産業新聞で、「段ボール箱の新型梱包システム『パルミラ』を今春発売する」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、梱包物の底の広さに加えて、従来機種だと対象にしていなかった高さも計測し、最適なサイズに段ボールを組み立てられるという。ネット通販を中心に箱の小型化や緩衝材の節約で配送コストを抑えたい要望が高まっていることから、新装置と段ボールをセットで売り込むとしており、顧客の囲い込みに貢献するとの期待が高まっているようだ。

■日本郵船 <9101>  1,838円 (+44円、+2.5%)

日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> など海運株が軒並み高。鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数は年明け以降、大きく水準を切り下げ2月11日には600を下回る状況にあった。米中貿易摩擦の余波で中国景気の減速や世界景気の減速に対する思惑が反映されるものとして警戒されていたが、ここ最近の非鉄市況の上昇などと合わせ、世界景気の減速懸念も後退、バルチック指数も2月12日を境に戻り足に転じている。海運株もリバウンド狙いの買いが足もと優勢となっている。

■レオパレス <8848>  210円 (+5円、+2.4%)

レオパレス21 <8848> は売り買い錯綜のなか、前日終値水準を上回って着地。売買高は東証1部で首位を争う状況。アパートの施工不良問題で株価を暴落させたが、約6割の下落となった200円近辺ではリバウンド狙いの買いも流入し強弱感が対立している。ただ、直近の東証信用残は買い残が急増、信用倍率は2.3倍と大きく買い長に傾いており、一時の踏み上げ期待による上値への思惑は後退している。

■JT <2914>  2,891.5円 (+64.5円、+2.3%)

JT <2914> が4日続伸、ここにきて上値追い基調を強めており、21日は2900円台目前まで買われ、今年に入ってからの高値を更新している。同社が前日発表した1月の国内紙巻たばこ売上高が前年同月比3.6%増と前年実績を上回った。昨年12月は紙巻きたばこの売上高が8.4%減と落ち込んでいただけに1月の動向が注目されたが、好調な数字だったことから買い安心感が台頭した。信用取組は大幅に買い長だが、自社株買いに積極的なほか、配当利回りは5.3%前後と高く、高株主還元銘柄として市場の注目度が高い。

■安川電 <6506>  3,270円 (+70円、+2.2%)

安川電機 <6506> が3日ぶりに反発。21日、スポット溶接用ロボット「MOTOMAN-SP」シリーズの新たなラインアップとして、高速動作タイプの中空スポット溶接ロボット「MOTOMAN-SP180H-110」の販売を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。近年、エコカーの開発が世界規模で進められ、自動車ボディーの製造工程では低燃費性能の実現に向けた車体軽量化のために、アルミニウムやハイテン(高張力鋼板)など従来の鋼材とは異なる新しい素材が採用。それら新素材を使用した自動車ボディーの溶接工程では、高加圧スポット溶接への対応が求められるため、それに合わせたライン作りが必要とされており、従来にも増してラインの短縮による省スペースや工程統合による高付加価値ラインの構築が求められている。新製品はこれに対応して高速動作や高密度配置を実現することで、高付加価値を追求した次世代の生産ライン構築への適応力を強化しているのが特徴としている。 

■日立キャピ <8586>  2,592円 (+50円、+2.0%)

日立キャピタル <8586> が4日続伸。21日、日立製作所 <6501> 子会社で海水淡水化RO(逆浸透)システムなどの設計から製造・販売・メンテナンスを手掛けるヒタチ・アクアテック・エンジニアリングと同社は、モルディブのフルマーレ島の都市開発プロジェクトにおいて、資金融資枠の設定を含めた海水淡水化ROシステムや配水管などの設備・機器一式を受注したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。受注金額は880万ドル(約9億7000万円)で、20年6月までに納入予定としている。

■朝日インテク <7747>  5,570円 (+80円、+1.5%)

朝日インテック <7747> が続伸。東海東京調査センターが20日付で、投資判断「アウトパフォーム」を継続し、目標株価を5000円から6300円に引き上げたことが株価を下支えしたようだ。同証券では、19年6月期営業利益は、会社計画145億円(前期比5.8%増)に対して、148億円を予想。下期に米国におけるアボット社との併売終了で、直販化効果が本格寄与すると見込んでいる。また、中国は上期に競合他社の供給不安が発生し、下期はそれにより一時的に同社製品を使ったドクターが、操作性の高さなどを背景に継続使用する可能性が高いと指摘しており、20年6月期営業利益は177億円に拡大すると見込んでいる。

■花王 <4452>  8,407円 (+79円、+1.0%)

花王 <4452> が5日続伸、今年に入ってからの高値圏で強調展開を続けている。中国を中心とするインバウンド需要の恩恵もあり化粧品事業が全体収益に寄与。19年12月期は前期比5%増近い増収を確保する見通しで、営業利益も同8%増の2250億円予想と好調だ。紙おむつ事業も、最大消費国である中国への注力姿勢を高めており、従来の「メリーズ」1ブランドにこだわらず、複数ブランドでの展開を検討するなど改革を進めている。

※21日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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