IPO企業　～社長の横顔～　ポート

インターネットメディア事業を展開するポート<7047>。就活・転職を中心に全ての人のキャリア選択に役立つノウハウサイト「キャリアパーク！」は良く知られているが、2016年には、ファイナンス（金融）領域に参入し、お金に関するライフサポート型サイト「マネット」の運用を開始、現在では収益の多くをこの2つの事業で稼いでいる。2017年には第３の領域であるメディカル（医療）に進出し、2018年12月に東証マザーズ市場及び福証Q‐Boardに上場した。ファイナンス領域の「マネット」の成長スピードが加速化している。

同社の収益構造は広告掲載料と送客数に応じた成果報酬と広告収入であり、キャリア領域を例にとると、ビジネスモデルは以下の3つのプロセスからなる。

1.　ユーザーの抱える悩みに対する記事を開発し、情報提供する（例「リクルートスーツとは」）、

2.　記事に訪れたユーザーに対して、記事の内容と関連性の高い自社、または同社顧客のサービス等をサイト内等で紹介する、

3.　ユーザーが同社の紹介からイベントやサービスに登録・申し込みをすると、顧客は成果に応じた報酬、または広告掲載料を同社に支払う。

同社のノウハウサイトは、専門家によって監修され、人の普遍的な悩みや課題に答える記事で構成されている。コンテンツは時間の経過とともに陳腐化するものではなく、ストックとして蓄積される。現在では、送客による収益に加え、人材サービスなどリアルなプロダクトやサービスを自社で提供することで更なる成長を目指す。

創業者の春日博文（かすがひろふみ）社長は、大学在籍中から大手企業の採用マーケティング支援を行っていた。大学四回生のときには、東日本大震災の復興支援を実施した。その支援実績による顧客基盤やノウハウをもとに、当時日本で流行し始めていたソーシャルメディアを用いた採用支援事業を開始、2011年4月、両親からの50万円を元手に、人材採用支援事業のソーシャルリクルーティングを設立した。

そんな春日社長だが、大学一回生の冬まで起業には全く興味がなかったという。起業サークルに入っていた先輩と偶然出会い、こんな生き方もあるのだと感動したことが、自分でも何か事業を起こしてみようと思うキッカケだったと語る。

「世界中に存在する社会課題に人生を賭けて挑戦したい。大海原に港（ポート）を作り多くの人々の交流の場にしたい」と熱い思いを語っていた。

《SF》

提供：フィスコ