FRB要人発言や米金利、ドル/円の動向に注目 住信SBIネット銀行(三井智映子)

経済
2019年3月26日 11時16分

皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター三井智映子です。まずは、先週のマーケットを振り返ってみましょう。

先週19-20日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を2.25-2.50%のレンジで据え置き、2019年の利上げ予想回数がゼロとなりました。そのほか、米経済や物価の見通しも引き下げ、保有資産の縮小が9月末で終了となるなどハト派的な結果となり、これを受けて米長期金利が低下しました。米市場では21日にナスダックとS&P500指数が年初来高値を更新するなど3指数ともに堅調推移となっていましたが、22日、ダウ平均は前日比460ドル19セント安の2万5502ドル32セントと急落、週間では米3指数は揃って小幅な反落となっています。

先週発表となった経済指標でも、ドイツ・フランス・ユーロ圏の製造業PMI速報値で全て予想を下回ったほか、米国の製造業PMIも速報値では1年9ヵ月ぶりの低水準となっており、世界的な景気減速懸念につながっています。日経平均は週間では176円高と続伸したものの、週明け25日は大幅下落となっています。

さて、今週のマーケットはどうなるのか?チェックすべきポイントについて住信SBIネット銀行の「ウィークリーレポート」を見てまいりましょう。

まずレポートでは、『今週は大半の本邦企業の決算期末のほか、米企業の1-3月期末に向けたドルに対する需給が為替市場にどのような影響を及ぼすのか』、『米財務長官と米通商代表部代表の訪中による米中通商交渉(3月28-29日)の動向』に注目するところからスタートしています。

そして為替市場では週末に大きくドル/円が円高に振れましたね。レポートでは、『今週は連日のようにFRB副議長や各地区連銀総裁などFRB要人の発言も聞かれるだけにFOMCでの議論についての詳細』が伝わる一方で、『日銀に金融政策に対する主な意見(3月14-15日分)や基調的インフレ率を補足する指標(いずれも26日)など日銀内でも追加緩和の必要性を巡る議論も聞かれる』ともしており、米国側と日本側の双方の動向をにらみながらドル/円の動向を注視しているようです。

米債券市場ではイールドカーブ(利回り曲線)で3ヵ月物と10年物間が約11年半ぶりに逆イールドとなったことも先行き不安につながったようですが『こうした動きが一時的なものに留まり収束に向かうのか、持続してしまうのか、今週発表される米10-12月期GDP確報値をはじめとする米経済指標やFRB要人らの発言に対する債券市場の反応も』注目と伝えています。決算期末、四半期末を控えてドルの需給とともにドル/円の動向は注視したいところですね。

欧州市場については、『先週22-23日のEU首脳会議の中で英EU離脱に関し、EU離脱協定修正案が今週の英議会で可決承認となれば、欧州議会選挙前の5月22日に秩序ある格好でEUを離脱することが決定』と解説しています。4月12日の期限にハードブレグジットとなることが懸念されますが、『メイ首相は、離脱期限を4月12日以降に再度延長する可能性を示唆しているものの、市場の一部からは離脱協定修正案が否決された場合、メイ首相の辞任につながる可能性も燻っており、英政局を巡る不透明感がポンドの上値抑制の一因になっており、今週の英議会採決の行方を中心に動向が注目されます』と考察しています。

加えて足元では欧州の経済指標は軒並み軟調という印象ですが、『今週も独3月IFO景況感指数は2月まで7ヵ月連続で前月から低下が続いているだけにユーロの下押しに拍車をかける結果となるか注目』とするほか、『ドラギECB総裁やプラートECB専務理事の講演も予定されており、欧州経済の先行き鈍化に懸念を示すことになればユーロ売りに反応する可能性もあり注意が必要です』と分析しています。

『そのほか、NZ中銀政策委員会や豪中銀要人らの発言も予定されており、年内利下げ観測が燻る豪ドルやNZドルの対ドル、対円での動向も注目されます』との見解となっています。

今週も頑張ってまいりましょう。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「ウィークリーレポート」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコマーケットレポーター 三井智映子

《CN》

提供:フィスコ

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