注目銘柄ダイジェスト(前場):アルテリア、楽天、ミンカブ・ジ・インフなど
日ペHD<4612>:4275円(-145円)
大幅続落。豪州の塗料メーカーであるDulux社の買収を本日発表している。全株式を現金対価で取得、買収費用は約3000億円となるもよう。Duluxはオセアニアの塗料市場でシェアトップ、建築用塗料に強みを持っているもよう。直近の営業利益実績は約179億円であるようだ。買収資金は金融機関からの借入を想定している。アジア地域での展開強化につながるものの、資金負担拡大を懸念視する動きが先行している。
九州電力<9508>:1196円(-27円)
続落。前日に発表した業績予想の下方修正が嫌気されている。通期連結経常利益は従来予想の800億円から500億円へ引き下げ。市場予想は820億円レベルであったとみられる。暖冬による販売電力料の減少、修繕費や諸経費などの上振れ、海外投資案件での損失が背景。修正幅の大きさがネガティブに捉えられているほか、投資案件での損失の詳細が不透明であることなども買い手控えにつながっている。
ニューテック<6734>:871円(+31円)
大幅に3日続伸。企業のIT環境全体を守るデータ保護サービス「Newtech Cloud」を5月から販売開始すると発表している。「Newtech Cloud」はデータのバックアップに加え、仮想マシンによる迅速なユーザーマシン環境の復旧機能やクラウド上に置いたファイルを複数のクライアント間で共有できる機能などを備えたクラウドバックアップサービス。サービス開始が将来の利益拡大につながるとの期待から投資資金が流入している。
アルテリア<4423>:1047円(-300円)
急反落でストップ安。独占禁止法に違反する行為があった疑義を把握と発表している。競合他社との間で、相手方の顧客に積極的な切替営業を行わないこと、一部競争を控えることなどの取り決めが行われていた可能性としている。同社は18年12月に東京証券取引所に上場しているが、上場審査の過程で今回の件は申告していなかったともよう。コンプライアンスに対する懸念など、信頼性の低下が想定される状況となっているようだ。
日本電産<6594>:15705円(-70円)
もみ合い。オムロン<6645>の車載事業買収を前日に発表している。取得金額は約1000億円で、10月末の譲渡を予定。同事業の18年3月期実績は、売上高が1332億円、セグメント利益が58億円となっている。制御システムの内製化、モータとの一体化などで競争優位性の一段の強まりにつながるなど、シナジー効果は大きいとの評価が優勢。ただ、株価が高値圏にあるほか、短期的な業績寄与が限定的とみられることで、プラスインパクトは限定的に。
ミンカブ・ジ・インフ<4436>:1189円(+77円)
大幅に3日続伸。19年3月期の営業利益を従来予想の2.00億円から2.50億円(前期実績1.42億円)に上方修正している。メディア事業の広告収入や課金収入、ソリューション事業の初期導入が順調に推移した。また、継続的な月額利用料にかかる売上高が計画を上回ったことなども利益を押し上げる見通し。4日に直近高値(1233円)を付けてから株価が軟調に推移していたことも値頃感からの買いにつながっているようだ。
楽天<4755>:1160円(+96円)
大幅反発。大和証券では投資判断を「2」から「1」に格上げ、目標株価も1000円から2700円に引き上げている。10月に開始するモバイル事業が同社の成長を再加速させる起爆剤になるとみているもよう。モバイルサービスのマーケティングとして楽天スーパーポイントを活用すれば、ここ数年伸び悩んでいた国内ECの再加速が期待できるとしている。修正粗利の伸長率は、過去3年平均の13%から今後3年間は19%へと上昇を見込んでいる。
テックファム<3625>:1256円(+14円)
大幅に続伸。19年6月期の営業利益を従来予想の4.50億円から5.00億円(前期実績5.52億円)に上方修正している。ソフトウエア受託開発事業でIoT・AI関連の高付加価値案件やサービスデザインを中心とした上流工程案件が増加する見通し。また、純利益予想を2.00億円から6.20億円(前期実績2.32億円)に引き上げた。子会社株式の持分再評価による評価差益(段階取得に係る差益)3.01億円を特別利益として計上する。
《ST》
提供:フィスコ