イーサリアム開発者「量子耐性3?5年で実装予定」【フィスコ・アルトコインニュース】

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2019年4月18日 18時06分

イーサリアムのコア開発者Danny Ryan氏が、シドニーで開催されたイーサリアム開発者会議「EDCON」で、海外メディアFinderのインタビューで、今後のイーサリアムの開発予定について言及した。

イーサリアム2.0へのアップデートは今年末か来年頭、新たなテストネット(フェーズ0:シャード未実装のビーコン・チェーン)については次の四半期に実装を予定しているという。

また、Ryan氏は仮想通貨に対する量子コンピューターの脅威についても言及。イーサリアムの量子耐性については、少なくとも3?5年の間に実装される予定とした。

量子コンピューターは、復号によって仮想通貨の暗号化されたパスワードを破ること、つまり公開鍵から秘密鍵を生成することが可能であるともされており、その脅威は今後10?20年間で現実的なものになるとの見方もある。

そして、Ryan氏は、イーサリアム2.0の今後の計画について、次のように発言した。

「システムレベルでPoSチェーンのコアとなるフェーズ0の完了は今年中を目指している。ただ、クライアントの開発に関しては把握しきれていない部分もあり、来年頭になることもあり得る。」

なお、先月にはイーサリアムのスケーリングソリューションに特化したクライアント企業Prysmatic Labsも、0フェーズのテストネットの開始が近づているとアナウンスしており、次のアップデートに向けて着々と動いている様子がうかがえる。

量子コンピューターが仮想通貨へ与える影響は

IBMのブロックチェーンおよびデジタル通貨担当副社長のJesse Lund氏によると、既存のブロックチェーンの少なくとも半分以上が、その公開鍵暗号の脆弱化という点で影響を受けるという。

また、ブロックチェーンだけでなく、ほぼ全ての暗号化システムに影響を及ぼすと指摘。企業は量子コンピューターの登場に備えるべきであるとの意見を示した。

しかし、一方では量子コンピューターの脅威は非常に限定的であるとの見方もある。例えば、「マスタリング・ビットコイン」の著者で知られるAndreas M. Antonopoulos氏は過去にそれについて次のように言及している。

「量子コンピューティングの脅威は、それが1人の利用者にとってのみ利用可能で、他の人には利用可能でない場合で現実的だ。ただし、もしも個人が自分自身のスーパーコンピューターの開発に成功した場合、ビットコインはターゲットとしては取るに足らないものとなるだろう。」

以上のように量子コンピューターがもたらす脅威については様々な見方があるが、今年に入ってIBMの世界で初となる商用量子コンピューター(ただし20Qbitときわめて小規模)の発表があったように、その技術が実現に近づいていることは確かだ。

(記事提供:コインポスト)

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