ナノキャリア--19/3期は売上高91.7%増、主要パイプラインの開発、新領域のパイプライン導入、提携先の開拓など推進

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2019年5月16日 12時47分

ナノキャリア<4571>は14日、2019年3月期決算を発表した。売上高が前期比91.7%増の4.96億円、営業損失が18.02億円(前年同期は53.51億円の損失)、経常損失が17.74億円(同53.04億円の損失)、当期純損失が18.08億円(同54.16億円の損失)となった。

主要パイプラインの進捗状況は、2品目に集中して開発を推進。シスプラチンミセル(NC-6004)は、ライセンス先と共同でグローバルに開発中。膵がんを対象とした第3相試験は、患者登録が完了しており、2020年上半期にはトップラインデータを受領予定としている。また、新しい併用療法として、免疫チェックポイント阻害剤(キイトルーダ)との併用試験を準備しており、頭頸部がんを対象として第2相試験を欧米アジアで開始するとしている。エピルビシンミセル(NC-6300)は、米国で軟部肉腫を対象に実施した第1相パート試験において本製剤の安全性及び忍容性が認められ、第2相パート試験への移行を準備している。

導出パイプラインであるパクリタキセルミセル(NK105)は、日本を含むアジア地域を対象としたライセンス先である日本化薬から、2018年2月、乳がんを対象に第2相臨床試験を開始した旨発表されている。

導入パイプラインは3つとなった。遺伝子治療薬VB-111は、導入先のVBL社により、米国を中心とした開発が進んでおり、2019年末には卵巣がんを対象とした第3相試験の中間報告が予定されている。この結果等を踏まえ、国内開発を検討するとしている。他、脳腫瘍や大腸がんを対象とした臨床試験もVBL社により計画されている。セオリアファーマから導入した耳鼻科領域における新医薬品等の開発候補品は、国内第3相臨床試験の準備を進めており、抗がん剤の開発と比べると早い承認申請が期待できるとしている。また、再生医療分野に参入し、難治性の不妊におけるPRP療法をサポートする製品の販売権を取得。産婦人科PRP研究会に参加する医師向けに製品を販売する。PRP療法に関する臨床研究では、子宮内膜に働きかけ、着床率を上げる中間成績発表がされている。

これら導入製品の早い製品化で、収益確保を急ぐとしている。

基礎研究では、抗体/薬物結合型ミセル「ADCM(Antibody/Drug-Conjugated Micelle)」を次世代型DDS医薬品技術として研究を推進。本技術進化に向けて、共同研究を実施しており、ADCMの最適化やさらなる発展を目指している。その一つとして、JCRファーマ株式会社とは同社が持つ「J-Brain Cargo(R)」と自社技術との融合による核酸等を含む脳内デリバリー創薬に関する共同研究を実施している。

化粧品事業は、アルビオンが販売する共同開発美容液において、エクラフチュールおよびイマキュレート2品のリニューアルが行われ、さらに、スカルプトータルケア製品「Depth(デプス)」のインターネット販売及びカウンセリング販売を行っており、販路拡大を推進している。

また、化粧品で培った皮膚浸透性の知見を活かし、皮膚科領域での医薬品開発を目指すとしている。

2019年3月期通期の業績予想は、売上高が前期比17.0%増の5.81億円、営業損失が15.20億円、経常損失が15.36億円、当期純損失が14.50億円を見込んでいる。

《SF》

提供:フィスコ

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