後場に注目すべき3つのポイント~21000円固めを意識した押し目拾いのスタンス
27日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。
・日経平均は反発、21000円固めを意識した押し目拾いのスタンス
・ドル・円は小じっかり、日本株高継続で円買いは後退
・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■日経平均は反発、21000円固めを意識した押し目拾いのスタンス
日経平均は反発。64.58円高の21181.80円(出来高概算4億7000万株)で前場の取引を終えた。先週末にトランプ大統領は、米中協議で合意した場合には中国通信機器メーカーの華為技術(ファーウェイ)排除の動きを緩和させる可能性に言及した流れを受けて小幅に反発して始まると、一時21232.38円まで上げ幅を広げる局面もみられた。しかし、積極的な上値追いの動きは限られており、週明けの米国市場が休場となることもあって参加者が限られる中、次第にこう着感が強まる展開となった。日米首脳会談を見極めたいとする模様眺めムードもあったとみられる。
東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは鉱業、電力ガス、石油石炭、その他金融、空運、医薬品、証券が堅調。一方で、水産農林、繊維、食料品、パルプ紙、その他製品、海運が冴えない。指数インパクトの大きいところではファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>がけん引。一方で、ファナック<6954>、ダイキン<6367>が重石となった。
日経平均は先週末の米株高の流れを受けて買い優勢の展開とはなったが、結果的には5日線レベルに上値を抑えられている。トランプ大統領は日米の貿易交渉に関し「参院選までは交渉の多くのことで取引を待つ」とツイッターに投稿。夏の参院選が終わるまで合意締結を待つ考えを表明しているが、現在行われている日米首脳会談の結果を見極めたいとの模様眺めムードが強い。
また、ファーウェイ問題でのトランプ大統領発言についても、これまでツイッター発言に振らされる需給状況が続いていることもあり、市場反応は限られている。結局は6月下旬に開催予定の主要20カ国・地域(G20)首脳会議で米中首脳会談を予定していることから、それまでは大きな進展をみせてくることは考えづらい状況であろう。
また、メイ首相は6月7日に与党・保守党の党首を辞任する考えを表明したことで、英政治が混沌とするのは避けられない情勢の中、欧州情勢についても買い手控え要因になるだろう。需給面では週明けの米国市場はメモリアルデーの祝日のため休場となるため海外勢の資金流入は限られる。結果的には海外勢の売り圧力が低下する格好になりそうだが、上値追いというよりは21000円固めを意識した押し目拾いのスタンスは変わらないだろう。
■ドル・円は小じっかり、日本株高継続で円買いは後退
27日午前の東京市場でドル・円は小じっかり。日本株高を背景にやや円売り基調に振れ、ドルは109円前半から半ばに小幅に上昇した。
ドル・円は、前週末に米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が広がり米10年債利回りが大幅に低下し、ドルは109円20銭台まで軟化。週明けアジア市場も安値圏で寄り付いた。ただ、英米市場の休場でリスク要因は後退し、円買いは弱まった。
ランチタイムの日経平均先物はプラス圏を維持しており、日本株高継続を見込んだ円売りに振れやすい。ただ、上海総合指数は再び下げに転じたほか、米株式先物はマイナス圏での推移が続き、ドル売り・円買いフローが根強いだろう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円28銭から109円51銭、ユーロ・円は122円50銭から122円71銭、ユーロ・ドルは1.1202ドルから1.1213ドルで推移した。
■後場のチェック銘柄
・ファンドクリエーショングループ<3266>やビープラッツ<4381>など、9銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます
・値上がり寄与トップは、ファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>
■経済指標・要人発言
【要人発言】
・トランプ米大統領
「北朝鮮との間で良いことが起きるだろう」
「8月に日本との貿易に関し発表する」
<国内>
・14:00 3月景気動向調査・先行改定値(速報値:96.3)
<海外>
・休場:英国(スプリング・バンクホリデー)、米国(メモリアルデー)
《HH》
提供:フィスコ