前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年5月29日 5時30分

■ホープ <6195>  1,315円 (+300円、+29.6%) ストップ高

ホープ <6195> [東証M]がストップ高。27日大引け後、19年6月期の経常損益(非連結)を従来予想の1800万円の赤字→7200万円の黒字(予想レンジ中値)に上方修正し、一転して黒字に浮上する見通しとなったことが買い材料視された。新規事業であるエネルギー事業の取引規模が想定より拡大することが寄与。行政マガジン「ジチタイワークス」の発行数増加やBtoGマーケティング支援など高収益サービスの展開に加え、生産性向上で固定費が減少することなども上振れに貢献する。

■トーセ <4728>  950円 (+136円、+16.7%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率2位。トーセ <4728> が急騰、一時ストップ高まで買われた。スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> 傘下のスクウェア・エニックスは27日、スマートフォン向け「ドラゴンクエスト」新作発表会を6月3日正午に開催すると発表。これを受けて、スクウェア・エニックスが今年2月14日から配信を始めたニンテンドースイッチ版「ドラゴンクエストライバルズ」の開発や、昨年11月7日から配信された「ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランドSP」の開発などを手掛けた同社に思惑買いが流入したようだ。また、同社が27日に公表した中間株主通信で、「5G対応で新たな成長」と題した特集が掲載されていることも材料視されたもよう。このなかで、5Gなどの環境変化に対応し持続成長できる体制づくりを開始することなどが言及されている。

■ダイヤHD <6699>  1,072円 (+150円、+16.3%) ストップ高

ダイヤモンドエレクトリックホールディングス <6699> [東証2]が大量の買い注文を集めストップ高に買われた。同社は27日取引終了後に傘下のダイヤモンド電機子会社の田淵電機 <6624> を株式交換により完全子会社とすることを発表。両社が保有するコア技術の蓄積・共有や販売チャネルの総合活用など経営資源をより迅速に効率よく運用できる見通しとして期待がかかった。田淵電機1株に対してダイヤHD0.1株を割り当てる。株式交換の効力発生日は10月1日。28日は株式交換比率に基づく格好でダイヤHDの株価が急伸した。これに伴い、田淵電機は9月27日に上場廃止となる予定。また、ダイヤHDは東京証券取引所の上場基準を満たした場合、10月1日付で東証1部指定を予定している。

■そーせい <4565>  2,295円 (+278円、+13.8%)

そーせいグループ <4565> [東証M]が大幅高で5月23日につけた2149円を上回り約1年2ヵ月ぶりの高値圏に買われたほか、タカラバイオ <4974> 、ヘリオス <4593> [東証M]、ラクオリア創薬 <4579> [JQG]、ペプチドリーム <4587> などバイオ関連が軒並み高に買われた。市場では「そーせいは前週に、提携先のノバルティスから、開発中の喘息治療吸入薬の欧州医薬品庁への販売申請絡みで一時金を受領すると発表したことが買い人気の背景。この流れが横に広がりをみせ、個人投資家の短期資金が値動きの良いバイオ関連株に流入している。全般薄商いで主力株が動きづらい地合いで、消去法的に資金がシフトされている感が強く、個別材料で買われている銘柄を除けば、持続性には疑問が残る」(国内ネット証券アナリスト)としていた。

■大研医器 <7775>  588円 (+49円、+9.1%) 一時ストップ高

東証1部の上昇率4位。大研医器 <7775> が続急伸、一時ストップ高の639円に買われた。28日付の日本経済新聞朝刊で、「成長期待が高い中堅上場企業『NEXT1000』を対象に過去5年間の総還元額を調べたところ、上位には得意分野で高いシェアや独自のビジネスモデルを持つ企業が並んだ」として、なかで同社が1位となったことが紹介されていることが好感された。同社は、麻酔・病院感染防止関連製品を主力とする医療機器メーカーで、病院の手術室などで使われる血液や体液の吸引器や薬剤の注入器では国内トップ。19年3月期までの過去3年間の配当性向が6割を超えるほか、記事によると、「今後も配当性向60%を維持していく方針を掲げる」と紹介している。

■ディディエス <3782>  339円 (+25円、+8.0%)

ディー・ディー・エス <3782> [東証M]が急反発。27日の取引終了後、クラウド認証サービス「マガタマサービス」が、Dropbox Japan(東京都港区)が提供する法人向けコラボレーションプラットフォーム「Dropbox Business」と連携したと発表。今回の連携によって、利用者はスマートフォンやタブレット上で指紋認証を行うだけで安全に「Dropbox Business」にログインできるようになる。同社では、働き方改革で従業員の生産性向上がますます求められるなか、導入企業のワークスタイル改革への取り組みをサポートするとしている。

■イーソル <4420>  1,819円 (+122円、+7.2%)

イーソル <4420> [東証M]が急反発し、年初来高値を更新した。同社は28日、自社の機能安全対応マルチコアプロセッサ向けリアルタイムOS「eT-Kernel MCE(Multi-Core Edition)」を中核とするソフトウェアプラットフォームが、デンソー <6902> が開発した車両周辺監視システムに採用されたと発表。これが材料視されたようだ。

■スクエニHD <9684>  3,660円 (+240円、+7.0%)

東証1部の上昇率7位。スクウェア・エニックス・ホールディングス <9684> が急反発。傘下のスクウェア・エニックスは27日、スマートフォン向け「ドラゴンクエスト」新作発表会を6月3日正午に開催すると発表。期待感が高まるかたちとなっているようだ。同社によると、「ドラゴンクエスト」シリーズでスマートフォン向けタイトルの新作発表会を行うのは今回が初めて。当日はYouTube LIVEとニコニコ生放送で配信するとしている。

■ジーエヌアイグループ <2160>  2,982円 (+170円、+6.1%)

ジーエヌアイグループ <2160> [東証M]が大幅に3日続伸。27日に発表した中国で「アイスーリュイ」のじん肺治療薬としての治験許可申請が承認されたことが買い材料視された。

■メルカリ <4385>  3,040円 (+173円、+6.0%)

メルカリ <4385> [東証M]やアドバンテスト <6857> 、GMOペイメントゲートウェイ <3769> 、ペプチドリーム <4587> が高い。14日に発表されたMSCIの定期入れ替えでは、伊藤忠テクノソリューションズ <4739> を含む5銘柄が同指数に新規採用されることが明らかになっている。一方、除外銘柄のアシックス <7936> 、ディー・エヌ・エー <2432> 、高島屋 <8233> 、山口フィナンシャルグループ <8418> の除外4銘柄は軟調な値動きとなった

■ETS・HD <1789>  726円 (+36円、+5.2%) 一時ストップ高

ETSホールディングス <1789> [JQ]が一時ストップ高に買われ4連騰、2017年7月下旬以来1年10ヵ月ぶりの高値圏に浮上している。同社は電力向けを中心に送電線工事を手掛けるが、通信向けにも展開を図っている。27日取引終了後、5G用基地局関連の工事獲得に向け、通信分野に強みを持つWi-Fiサービスを展開するナビック(東京都千代田区)と業務提携することを発表、これを材料視する買いを呼び込む形となった。

■クスリアオキ <3549>  7,180円 (+320円、+4.7%)

クスリのアオキホールディングス <3549> が4日ぶりに大幅反発。同社は27日取引終了後に、5月度の月次営業速報(4月21日~5月20日)を公表。既存店売上高は前年同月比2.1%増となり、2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感されたようだ。同月度の既存店客数が前年同月比0.4%増と2ヵ月ぶりのプラスとなったほか、既存店客単価が同1.7%増と3ヵ月連続のプラスとなったことが寄与した。なお、全店ベースの売上高は同13.5%増となった。

■フジミインコ <5384>  2,119円 (+94円、+4.6%)

フジミインコーポレーテッド <5384> が大幅反発。28日午前9時ごろ、京都大学発ベンチャーのFLOSFIA(フロスフィア、京都市西京区)に追加出資すると発表しており、これを好材料視した買いが入った。FLOSFIAは、世界に先駆けてα-Ga2O3(酸化ガリウム)パワー半導体の事業化に取り組んでおり、「GaO」シリーズとしてサンプル出荷を開始している。今回の出資は、戦略的パートナーシップ構築と長期成長に向けた基盤づくりを目的としたもので、フジミインコでは出資とあわせ、保有する精密研磨加工技術及び精密洗浄技術をFLOSFIAのα-Ga2O3パワー半導体への適用を目指すとともに、戦略的パートナーとして協業を進めるとしている。

■アンリツ <6754>  1,691円 (+57円、+3.5%)

アンリツ <6754> が大幅続伸、一時70円高の1704円まで買われた。国内でも次世代通信規格「5G」向け関連投資が動き出すなか、通信計測器の販売拡大に期待がかかっている。20年3月期業績は、売上高、利益ともに急拡大した前期の反動もあって、営業利益段階で前期比11%減益を見込むが、これは研究開発など先行投資負担が反映されたもの。トップラインの今期2%増収予想は保守的で、5G関連中心に上振れが見込まれ、それに伴い利益も増額される可能性が指摘されている。28日、前場取引終了後にSCSK <9719> が、アンリツの製品であるネットワークの最適化を低コストで提供することを可能とした「PureFlow ドメインフィルタ機能ライセンス」の販売を開始することを発表、これも足もとの株価刺激材料となっている。

■ペプドリ <4587>  5,500円 (+170円、+3.2%)

ペプチドリーム <4587> が大幅続伸。28日付の日本経済新聞朝刊で「創薬の常識を一変させる可能性を持ち、世界の製薬大手が提携を求めて列をなす」と報じられており、これを好材料視した買いが入った。記事によると、医薬品の価格高騰に歯止めをかける潜在力を同社の特殊ペプチドは持っているとしている。また、18年6月期まで8期連続で最終黒字を計上しており、国内のバイオベンチャーの多くが赤字に苦しむなかで、異例の存在とも紹介している。

■東エレク <8035>  15,010円 (+395円、+2.7%)

東京エレクトロン <8035> が続伸。27日、同社が発行済み株式数(自社株を除く)の8.5%にあたる1400万株(金額で1500億円)を上限に自社株買いを実施すると発表したことが買い材料視された。需給改善や株式価値の向上といった株主還元が好感されたほか、株価浮揚策としてもポジティブに受け止められた。買い付け期間は5月28日から12月31日まで。

■富士通ゼ <6755>  1,546円 (+36円、+2.4%)

富士通ゼネラル <6755> が5連騰と気を吐いている。株価は前週を境に急速に底値圏から切り返してきた。前週の後半から気温が急上昇し、日本列島は夏場を前に早くも猛暑の気配を漂わせている。そうしたなか、株式市場でも猛暑関連に目が向いており、家庭用エアコンを展開する同社株はその象徴として短期資金が物色の矛先を向けている。業績面でも20年3月期は2ケタ増収予想で営業利益は前期比2割増の175億円を計画するなど、急回復見通しにあることも買い人気を後押ししている。

■北の達人 <2930>  573円 (+10円、+1.8%)

北の達人コーポレーション <2930> が続伸、前日は値幅制限上限のストップ高に買われる人気となったが、28日も目先筋の利食いをこなし上値を追い、一時44円高の607円まで上値を伸ばす場面があった。刺すヒアルロン酸化粧品「ヒアロディープパッチ」が大人気商品となっている。再先端の美容トレンドとして脚光を浴びているマイクロニードルだが、この人気の中心に位置するのが、同社がネット通販で手掛けるヒアロディープパッチだ。累計販売数約1000万枚の爆発的ヒットを記録し、現在予約待ちが3万人を超えている状況にあることを前週末24日取引終了後に発表、これが投資資金流入の号砲となった。株価は5月相場で大幅な調整を余儀なくされていたが、目先動きを一変させ4月18日につけた年初来高値625円奪回を一気に視界に入れる異彩の戻り足をみせている。

■ローム <6963>  6,480円 (+100円、+1.6%)

ローム <6963> が9日ぶりに反発。前日までの下落で値ごろ感が意識されるなか、時間外取引でNYダウ先物が堅調地合いとなっていることで自律反発を期待する買いが流入したもよう。また、同社は28日、車載アプリケーションの電源システム向け自己診断機能内蔵の電源監視IC「BD39040MUF-C」を開発したことを明らかにしている。「BD39040MUF-C」は、ADAS(先進運転支援システム)用センサーモジュールなどに搭載される電源に対して、既存の電源シーケンス(投入順番)を変更せずそのまま外付けするだけで、機能安全に必要な監視機能を付与できる電源監視IC。業界で初めて電源監視ICに自己診断機能を組み込んでいる。なお、同製品は今年2月からサンプル出荷を行っており、8月から当面月産10万個の体制で量産を開始する予定だとしている。

■ファンケル <4921>  2,880円 (+41円、+1.4%)

ファンケル <4921> が続伸、米中摩擦激化の影響による中国景気減速への警戒感が同社株など化粧品セクターの株価押し下げ要因となっていたが、ここにきて売り圧力が一巡している。75日移動平均線をサポートラインに上値を慕う動きに変わりつつある。同社は無添加化粧品で高いニーズを取り込んでおり、「マイルドクレンジングオイル」などが収益に大きく貢献している。また、男性層を中心に体脂肪を減らすサプリメント「内脂サポート」も売り上げを伸ばしており、足もとの業績は好調だ。営業利益は19年3月期の46%増益に続き、20年3月期も21%増の150億円と高成長が続く見通し。

■王子HD <3861>  593円 (+7円、+1.2%)

王子ホールディングス <3861> が反発。同社が27日に発表した新中期経営計画では2022年3月期の最終年度に、時価総額1兆円以上を念頭に、営業利益が1500億円以上、ROE10%を目指すとの計画を示した。同社は国内競合他社に比べ、国内・海外で収益源を複数確保し、高い利益率を実現していることが評価されている。今回の中期計画に対してもSMBC日興証券では27日、「アジアの総合製紙メーカーとして更なる成長を目指す姿勢が感じられる」と評価している。

※28日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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