明日の株式相場見通し=反動安も警戒、FOMCを固唾を飲んで見守る市場
あす(20日)の東京株式市場は、FOMCとパウエルFRB議長の会見次第といわざるを得ないが、きょうは売り方の買い戻しで上昇しており、この流れが継続する可能性はある。株主総会シーズンということもあって「自社株買いの思惑など足もとの需給は買い方に味方する」という市場関係者も多く、きょうの戻り相場で日経平均株価は25日移動平均線を上放れ、全体のムードはやや強気に傾斜した感も受ける。
ただし、油断はできない。今週の最大のビッグイベントでもあるFOMCに市場関係者の視線が集中している。7月利下げの線をマーケットはほぼ織り込んだ状態といってよく、「更に最もハト派寄りのシナリオとしては9月と12月を含め年内あと3回の利下げを想定する向きもある」(国内証券マーケットアナリスト)と指摘されているだけに、やや行き過ぎた利下げ期待が反動安の形で現れる可能性も否定できない。
きょう1日の日経平均の値動きを振り返ると、大きく買い優勢で始まったあと開始20分後には2万1300円台に浮上、それ以降はほぼ2万1300~2万1350円台の狭いレンジを横に這う展開となった。これは先物を絡めたアルゴリズム売買の影響が色濃く反映されたもので、実需の買いが流入した感触には乏しい。ちなみに、前日にNYダウが350ドル強上昇した米国株市場の値動きも、これと瓜二つだった。裏を返せば“自動運転”的な相場であり、そこには悲鳴も歓喜の声も聞こえてこない。きょうの記憶は強気を担保するものではなく、日付が変われば無機質に急反落するケースも十分に考えられる。
個別で目先マークされるのは1万円近辺でもみ合うソフトバンクグループ<9984>の値運びがどうなるか。そして、ここ全体相場とは軌道を異にして上げ足を強めるソニー<6758>の動きが注目される。また、中小型株では光通信<9435>の子会社で法人向け電話機やOA機器販売を手掛けるエフティグループ<2763>やソフトウェアの「アジャイル開発」で注目される豆蔵ホールディングス<3756>などの動きがよい。このほか、5G基地局インフラが今後進捗していくなか、有力関連株としてマーケットに認知され始めたETSホールディングス<1789>も面白い存在だ。
日程面では、あすは日銀の金融政策決定会合の2日目で黒田日銀総裁の記者会見が予定される。また、4月の全産業活動指数、5月のコンビニ売上高も注目。海外では、EU首脳会議(~21日)のほか、米1~3月経常収支が発表される。(中村潤一)
出所:みんなの株式(minkabu PRESS)