欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米国のイランや中国への対応を見極め

通貨
2019年6月24日 17時25分

24日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米トランプ政権の対イラン制裁が注目され、地政学リスクが意識されれば円買いに振れやすい。ただ、週末の米中首脳会談に向け貿易協議に関する進展が期待されるなか、円買いは抑制されよう。

前週末に発表された弱い米製造業PMIで連邦準備制度理事会(FRB)の早期利下げ観測が広がる反面、米10年債利回りは前週の2.0%を割り込む水準から持ち直している。本日のアジア取引時間帯では横ばい推移ながら2.05%台を維持し、ドル売りは後退したようだ。ドル・円は午前中、関東地方で震度4の地震で円買いに振れる場面もあったが、底堅く推移し107円半ばに値を切り上げた。

今晩の取引では米国のイランへの制裁が材料視されよう。前週発生したイランによる米無人偵察機撃墜に関連し、トランプ大統領は24日にも「大規模な追加制裁」を発動する方針。同大統領はイランへの攻撃をいったん承認した後に撤回した経緯があり、武力衝突への懸念が強まっている。制裁により地政学リスクが意識されればドルと円が買われやすく、ドル・円はクロス円の下落に連動する見通し。

一方、今週末に大阪で開かれるG20サミットに合わせて米中首脳会談が予定され、貿易摩擦の行方に思惑が広がりやすい。両国はこれまで譲歩する姿勢はみせておらず、協議は収束せず継続するとの見方から積極的には動きづらい。米国政府が現在発動を準備中の対中制裁第4弾も警戒されているようだ。ただ、首脳どうしの会談で事態打開につながるとの期待感は根強く、引き続き円買いは抑えられそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】

・17:00 独・6月IFO企業景況感指数(予想:97.4、5月:97.9)

・21:30 米・5月シカゴ連銀全米活動指数(予想:-0.05、4月:-0.45)

・23:30 米・6月ダラス連銀製造業活動指数(予想:-2.0、5月:-5.3)

《FA》

提供:フィスコ

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