前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

注目
2019年6月28日 5時30分

■田岡化 <4113>  3,495円 (+502円、+16.8%) ストップ高

田岡化学工業 <4113> [東証2]がストップ高。同社は27日、名古屋大学とナノグラフェン・グラフェンナノリボンの製造方法に関する共同研究契約を結んだと発表。また、名古屋大学が出願中であるグラフェンナノリボンに関する特許について、製造実施に係るオプション契約を締結。今後は両者でモノマーやグラフェンナノリボンの量産製造法の確立を目的とした共同研究を行い、量産化の進展によってさまざまな応用展開の促進を通じて実用化を目指すとしている。なお、グラフェンナノリボンとは、グラフェン(炭素原子がハチの巣状に互いに結合した単原子シート)をナノメートルサイズの幅に切り出した帯状の物質で、シリコン半導体を超える半導体特性や透明性・柔軟性などから、次世代のトランジスター、センサー、電子回路などへの応用が期待されている材料。

■クミアイ化 <4996>  791円 (+63円、+8.7%)

東証1部の上昇率4位。クミアイ化学工業 <4996> が急反発、5月8日以来となる800円台乗せを目前に捉えている。全農系の農薬専業メーカーで足もとの業績は好調、海外向けで収益主力を担う大型畑作用除草剤「アクシーブ」は北米を中心に売り上げを伸ばし、今後もシェア拡大が続くとの見方が強い。19年10月期営業利益61億円(前期比9.3%増)予想は2ケタ以上の伸びに上方修正される可能性が市場では意識されている。テクニカル的には一目均衡表の雲を抜けつつあり、フシ目の800円を突破すれば前方に青空が広がる。

■DMG森精機 <6141>  1,684円 (+116円、+7.4%)

東証1部の上昇率9位。DMG森精機 <6141> が急反発。米中貿易協議の進展期待で機械株に見直し買いが入っているほか、同社株には日経平均の臨時入れ替えに伴う新規採用予想が出ている。千代田化工建設 <6366> が前期末に債務超過となり、8月1日に東証1部から同2部に指定替えとなる見込みだ。SMBC日興証券では26日、この臨時入れ替えの候補銘柄としてDMG森精機を挙げた。臨時入れ替え銘柄の発表は7月第2週ごろに行われる見込みだ。

■クレスコ <4674>  3,515円 (+235円、+7.2%)

東証1部の上昇率10位。クレスコ <4674> が急反発。同社は金融分野を中心に幅広くソフトITソリューション事業を手掛けており、旺盛な情報システムを含む設備投資需要を取り込み、20年3月期営業利益が前年同期比6.0%増の34億円と10期連続増益となる見込み。26日取引終了後に、自己株式の取得を公開買い付け(TOB)で行うことを発表した。同社の株式の25.96%を保有する筆頭株主、イワサキコーポレーションが発行済み株式数の5.48%に相当する60万株の株式を売却する意向を表明しており、それに対応したもの。クレスコは上限66万100株を3050円(取得総額20億1330万5000円)で6月27日~7月25日の期間内に取得する方針。今回の自己株式取得に伴い一株利益の水準が高められるとともに、ROEなどの資本効率上昇効果も見込まれ、既存株主への利益還元につながる。

■フロンテオ <2158>  354円 (+22円、+6.6%)

FRONTEO <2158> [東証M]が5日ぶり急反発。同社は27日、子会社のFRONTEOヘルスケアが独自開発した人工知能エンジン「Concept Encoder(コンセプトエンコーダー)」を用いた「創薬研究支援AIシステム」の提供を開始したと発表。「創薬研究支援AIシステム」は、新規医薬品探索技術をベースに文献や遺伝子発現などの情報を含むデータベースをあらかじめパッケージ化し、クラウドサービスとして提供することで、より手軽に製薬企業の創薬研究における候補化合物発見のスピードアップを支援するもの。FRONTEOヘルスケアでは今後、更に「コンセプトエンコーダー」を軸とした情報解析ソリューションの提供を広げるとしている。

■JESCO <1434>  507円 (+29円、+6.1%)

JESCOホールディングス <1434> [東証2]が連日の年初来高値更新、昨年10月の戻り高値502円も上回ってきたことで上値期待が膨らんでいる。独立系の電気設備工事会社で海外では経済成長著しいASEANに積極展開、特にベトナムでの展開に強みを持っており収益成長期待が強い。今週25日にはベトナム子会社のJHE社がホーチミン市の集合住宅新築プロジェクトを受注したことを発表しており、これも株価上昇を後押ししている。

■オイシックス <3182>  1,380円 (+72円、+5.5%)

オイシックス・ラ・大地 <3182> [東証M]が急反発。前日に1400円ラインに位置する25日移動平均線を大陰線で下に放れたが、27日は一転して買いが集まる格好となった。同社は26日取引終了後、ヤマトホールディングス <9064> と資本・業務提携することを発表、これがポジティブサプライズとなった。ヤマトHDと農林漁業成長産業化支援機構を引受先とする58万6000株の第三者割当増資を実施する。発行価格は1365円で、調達する約8億円は食品流通全体サプライチェーンのネットワーク構築への設備投資に充てる方針。

■JSR <4185>  1,718円 (+78円、+4.8%)

JSR <4185> が大幅続伸。同社は26日、3Dプリンター事業を手掛ける米カーボンに対して優先株の増資を引き受け、1500万ドル(約16億円)を追加出資したと発表。同社はこれまで、カーボン社の革新的な技術とビジネスモデルに着目して計3000万ドルを出資し、日本及びアジアでの事業化を進めてきた経緯がある。同社は今回の追加出資により、カーボン社とのパートナーシップを強化するとともに、日本での事業展開を更に加速するとしている。

■スシローGH <3563>  6,260円 (+270円、+4.5%)

スシローグローバルホールディングス <3563> が3日ぶりに大幅反発。26日の取引終了後、株式売り出しの売出価格が1株5810円で決定したことが発表された。同社は18日、元気寿司 <9828> との資本・業務提携の解消を公表。これを受けて元気寿司の親会社である神明ホールディングス(神戸市)は保有するスシローGHD株式(949万3035株)のうち660万株を売り出す。99万株のオーバーアロットメントも実施する。申込期間は27~28日で受渡日は7月4日。株価は、売出価格決定期間に入った26日の引け際に急落したことが関心を集めていたが、同価格の決定を受け、売り方の買い戻しが流入している様子だ。

■荒川化 <4968>  1,415円 (+55円、+4.0%)

荒川化学工業 <4968> が4日ぶりに大幅反発。26日の取引終了後、ベトナムに製紙用紙力増強剤を製造する生産拠点を設立することで検討を開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。同社では、ASEAN地域で高い経済成長を背景に紙の需要が増大し、紙・パルプ産業が急成長していることを受けて、中国2拠点で製紙用薬品の製造・販売を進めていたが、今後更に海外展開を推進するためには、ベトナムにおいて新たな生産拠点の設立が必要と判断した。生産拠点は、バリア=ブンタウ省フーミー3特別工業団地が第1候補で、生産能力年4万トンとし、22年中ごろまでには製造・販売を開始する予定としている。

■アジャイル <6573>  1,085円 (+39円、+3.7%)

アジャイルメディア・ネットワーク <6573> [東証M]が大幅反発。26日の取引終了後、パーソナライズド動画の特許技術を持つクリエ・ジャパン(東京都渋谷区)の全株式を取得し子会社化すると発表しており、これを好感した買いが入った。今回の子会社化は、アジャイルのマーケティング支援サービスにクリエの動画ソリューションを有機的につなげることで生まれるシナジーにより業容拡大を図るのが狙い。クリエのパーソナライズド動画ソリューション「PRISM」はユーザーの特性に合わせてワン・トゥ・ワンマーケティングが実現できることから、顧客やファンの個別ニーズに合わせた動画を自動で生成・配信することで、動画マーケティングを活用したファン育成を望む企業への支援体制を強化するとしている。なお、取得価額は非開示で、株式取得による業績への影響は現在精査中としている。

■東エレク <8035>  15,075円 (+435円、+3.0%)

東京エレクトロン <8035> 、アドバンテスト <6857> など半導体製造装置関連や、SUMCO <3436> 、信越化学工業 <4063> など半導体シリコンウエハー関連が総じて買いを呼び込む展開。前日の米国株市場では、エヌビディアが5%超に買われたほか、インテルやザイリンクスなど半導体関連株が軒並み買われており、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%超の上昇ともみ合いを上放れる兆しをみせている。東京市場では半導体関連株の出遅れが顕著でこれに追随する動きとなっている。

■任天堂 <7974>  39,380円 (+1,130円、+3.0%)

任天堂 <7974> が商いを伴い1000円を超える上昇をみせた。27日は、外国為替市場で円安が進んだこともあって、時価総額上位の主力株を中心に全体相場はリスクオンの流れにあるが、そのなか同社株は機関投資家と思われる大口の買いに加え、個人投資家の信用取引を活用した短期資金が流入している。市場では「足もとの円安を追い風材料に、引き続き『ニンテンドースイッチ』の好調を背景とした業績上振れ期待が強い。10月の日経平均の入れ替えで新規採用に絡む思惑も物色人気を後押ししているようだ」(国内準大手証券ストラテジスト)という声が出ていた。

■パレモ・HD <2778>  349円 (+9円、+2.7%)

パレモ・ホールディングス <2778> [東証2]が9日続伸と上値指向が鮮明となっている。同社はティーンズ・ヤングをターゲットとした衣料・雑貨専門店の「ギャルフィット」を全国展開しており、20年2月期営業利益は前期比7.1%増の7億5000万円が見込まれている。26日引け後に6月度(5月21日~6月20日)月次売上高を発表。既存店売上高は前年同月比0.8%増と前月の同5.6%増からプラス圏で維持した格好となり、これが好感されたようだ。

■カネカ <4118>  4,050円 (+95円、+2.4%)

カネカ <4118> が反発。同社は27日、グループ会社のケイ・エムトランスダームが持つ粘着基剤技術がアルツハイマー型認知症治療剤に採用されたと発表。これは、小野薬品工業 <4528> 及びノバルティスファーマ(東京都港区)が、経皮吸収型製剤である「リバスタッチ パッチ」と「イクセロン パッチ」の改良のために採用したもの。これにより、肌に優しく、貼り心地が良い製剤が実現できるという。

■国際石開帝石 <1605>  981.1円 (+20.9円、+2.2%)

国際石油開発帝石 <1605> やJXTGホールディングス <5020> 、コスモエネルギーホールディングス <5021> など資源エネルギー株が高い。26日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近物が前日比1.55ドル高の1バレル59.38ドルに上昇。一時59.93ドルと5月下旬以来、1ヵ月ぶりの高値をつけた。米国の石油在庫統計が減少したことから需給改善期待が膨らんだ。イラン情勢を巡り緊張感が高まっているほか、7月の石油輸出国機構(OPEC)総会では協調減産の継続が決まることへの期待も膨らんでいる。

■TDSE <7046>  2,941円 (+63円、+2.2%)

テクノスデータサイエンス・エンジニアリング <7046> [東証M]が続伸。同社は26日、日本マイクロソフト(MS、東京都港区)との協力体制を強化すると発表。同社はMSが2015年に興したIoTビジネス共創ラボの発足企業として協業を開始して以降、クラウドプラットフォーム「Microsoft Azure」にある深層学習/機械学習機能を活用したソリューション展開など、互いの強みを生かしながら協業関係を構築。また、同社はこのほど、MSが進める「Microsoft Partner Network for Industry」(参加パートナー企業各社と連携して、各業種における最適な方法で、顧客のデジタルトランスフォーメーションの実現を支援することを目的とした日本独自の取り組み)に参画したことを明らかにしている。

■マンダム <4917>  2,597円 (+52円、+2.0%)

マンダム <4917> が6日ぶりに反発。SMBC日興証券は26日、同社株の投資評価を「2」から「1」へ引き上げた。目標株価は3060円から3720円に見直した。同証券では20年3月期の上期までは業績が厳しいとの見方を示していたが、「現状の株価は厳しい短期業績に加え海外事業の成長鈍化を過度に織り込んだ水準」と指摘し、今後はブランド投資の効果で再び成長軌道に乗ることができるとみている。同証券では20年3月期の連結営業利益は前期比9%増の78億円(会社予想78億6000万円)を予想しているが、21年3月期の同利益は今期推定比15%増の90億円を見込んでいる。

■キーエンス <6861>  66,030円 (+1,320円、+2.0%)

キーエンス <6861> が反発、1000円を超える上昇で戻り相場の色を強めている。米中貿易摩擦の影響に伴う中国向けセンサー需要の縮小を懸念されていたが、足もと米中首脳会談の実施により両国の貿易交渉が進展することへの期待感がある。仮に米国の対中追加関税が見送られれば設備投資関連株全般には追い風材料となる。また、同社のFAセンサーは世界的にも抜群の競争力を持ち、中国向け以外でも高水準の需要を確保できるとの見方があり、ここ最近の株価強調展開に反映されている。

■日本郵船 <9101>  1,716円 (+33円、+2.0%)

日本郵船 <9101> が7連騰と異色の上げ足。商船三井 <9104> 、川崎汽船 <9107> なども高く、海運セクターへの買いが目立つ。G20大阪サミットに合わせて行われる米中首脳会談では貿易協議への進展期待があるほか、ここ最近はばら積み船の運賃市況を示すバルチック海運指数が上昇基調を強め、直近は昨年12月以来約半年ぶりの水準を回復していることなどが買いの背景にある。足もと外国為替市場で1ドル=107円台後半まで円安に振れていることも、ドル建て決済の海運セクターには追い風となっている。

■コマツ <6301>  2,588円 (+45円、+1.8%)

コマツ <6301> や日立建機 <6305> など建機株やツガミ <6101> 、オークマ <6103> など工作機械株、安川電機 <6506> 、キーエンス <6861> などFA関連株といった中国関連の需要を捉える機械セクターの銘柄が軒並み高に買われた。G20大阪サミットに合わせて開催される米中首脳会談に注目が集まっているが、合意に達するとの見方は少数派ながら、トランプ米大統領が交渉に前向きな発言を示していることから良い方向に進展があるとの見方が強まった。ヘッジファンド筋の株価指数先物への買いも追い風に関連銘柄には売り方の買い戻しが観測される状況にある。

■三菱UFJ <8306>  512円 (+7.2円、+1.4%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> が続伸。4月中旬から5月中旬にかけて大きく調整しその後は500円近辺で底練りの状況が続いている。26日は米長期金利が上昇して2%台を回復、米国株市場では大手金融株が軒並み買い優勢だった。この流れが東京市場にも波及している。また、これまで三菱UFJはメガバンク3社の中では評価上位で配当利回りなどはそれを反映して最も低かった。しかし、最近は逆転現象が起こり、現在の4.9%前後の配当利回りはみずほフィナンシャルグループ <8411> や三井住友フィナンシャルグループ <8316> と比べても高くなっている。このギャップが同社株の押し目買いを誘う根拠になるとの見方もある。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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