前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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2019年7月11日 5時30分

■ユニゾHD <3258>  2,390円 (+400円、+20.1%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。ユニゾホールディングス <3258> がストップ高。10日午後1時30分ごろの日本経済新聞電子版で、「エイチ・アイ・エス(HIS)が、旧日本興業銀行系の不動産会社で東証1部上場のユニゾホールディングス(HD)の株式を買い増す方向で検討していることが10日、わかった。TOB(株式公開買い付け)を実施し、現在4.5%の保有比率の大幅な引き上げを目指す」と報じられており、TOBに対する思惑的な買いが入ったようだ。ユニゾHDは、オフィスビル賃貸を主力とするほか、都心や大都市、地方中核都市中心部において、「ホテルユニゾ」「ユニゾイン」「ユニゾインエクスプレス」の3つのブランドでビジネスホテルを展開している。一方、エイチ・アイ・エス <9603> は、ホテル事業で自社運営とM&Aを中心に中長期的に100軒を目指すとしていることから、ホテルに加えて人材の獲得などを図るために、株式の買い増しが図られるようだ。

■テクポイント <6697>  751円 (+100円、+15.4%) ストップ高

テックポイント・インク <6697> [東証M]がストップ高。10日の寄り前に、車載用4チャンネルHD-TVI対応映像受信用半導体「TP2824」が、中国車載機器メーカーの深セン普捷利科技(以下パーチェリー社)の自動車向け全方位モニターの新製品に採用されたと発表しており、これを好材料視した買いが入った。パーチェリー社は、全方位モニターやドライブレコーダー、後側方車両検知システムなどの車載機器関連製品を展開し、日系メーカーや欧州メーカーの中国法人にも採用されている中国大手車載機器メーカーの一つ。今回採用された「TP2824」は、標準画質のコンポジット映像信号だけでなく、ハイビジョン映像にも対応する映像受信用半導体で、同社の独自規格「HD-TVI」を採用し、ハイビジョン化と低コスト化の両立を実現。全方位モニターに活用すると、フルハイビジョン画質で自動車の周囲の状況をカーナビなどのディスプレーに表示するという。

■アイケイ <2722>  490円 (+51円、+11.6%) 一時ストップ高

アイケイ <2722> [東証2]が一時ストップ高。同社はカタログ通販の代行を主力事業として展開している。9日引け後に発表された20年5月期業績について、売上高が前期比3.8%減の169億4600万円となるものの、営業利益が同33.9%増の5億7700万円と大幅増益を見込んでいることが好感される形で買いを呼び込んだ。好採算のテレビ通販はPB(プライベートブランド)商品の投入や、化粧品の自社ブランド「LB」を中国などを中心に拡販することで収益力を高めることを見込んでいる。

■ハニーズHD <2792>  1,336円 (+138円、+11.5%)

東証1部の上昇率2位。ハニーズホールディングス <2792> が3日ぶりに急反騰。9日大引け後に発表した19年5月期の連結経常利益は前の期比63.6%増の46.6億円に拡大して着地。続く20年5月期も前期比9.4%増の51億円に伸びる見通しとなったことが買い材料視された。今期は自社サイトの利便性向上やマーケティング強化でEC事業の売上高が50%伸びる。販管費が減少することも大幅増益の要因となる。なお、新規出店は25店舗、退店20店舗、改装50店舗を計画する。併せて、今期の年間配当は前期比10円増の40円に増配する方針としたことも評価材料となった。

■CSランバー <7808>  1,240円 (+105円、+9.3%)

プレカット木材の加工販売を手掛けるシー・エス・ランバー <7808> [JQ]が6日続急伸。9日大引け後、19年5月期(6ヵ月の変則決算)の連結経常利益を従来予想の2.7億円→3.6億円に34.1%上方修正したことが買い材料視された。消費税増税前の駆け込み需要を主因として、利益率の高い受注が想定以上に伸びたことが利益を押し上げた。

■吉野家HD <9861>  2,049円 (+166円、+8.8%)

東証1部の上昇率4位。吉野家ホールディングス <9861> が3日ぶり急反発。9日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高527億9900万円(前年同期比6.0%増)、営業利益10億4400万円(前年同期1億7800万円の赤字)、最終利益10億9700万円(同3億8800万円の赤字)となり、大幅に黒字転換したことが好感された。主力の吉野家の既存店売上高が前年同期比6.1%増と好調に推移したほか、各セグメントの既存店売上高が堅調に推移したことが寄与した。また、積極的に出店を進めている、はなまる、京樽及び海外セグメントの売り上げも伸長し、アルバイトやパート時給の上昇による人件費の増加などを吸収した。なお、20年2月期通期業績予想は、売上高2080億円(前期比2.8%増)、営業利益10億円(同9.6倍)、最終利益1億円(同60億円の赤字)の従来見通しを据え置いている。

■パルHD <2726>  3,510円 (+255円、+7.8%)

東証1部の上昇率5位。パルグループホールディングス <2726> が続急伸。9日大引け後、20年2月期の連結最終利益を従来予想の55.3億円→70.5億円に27.5%上方修正。増益率が16.2%増→48.1%増に拡大し、従来の2期連続での過去最高益予想をさらに上乗せしたことが買い材料視された。連結子会社間の吸収合併に絡み、税金費用が15.2億円減少することが最終利益を押し上げる。同時に発表した3-5月期(第1四半期)の同利益は前年同期比54.3%増の23.9億円に拡大して着地。機動的な商品投入で衣料品の販売が伸びたほか、生産と在庫管理の適正化を進めたことも大幅増益に貢献した。

■豆蔵HD <3756>  1,447円 (+103円、+7.7%)

東証1部の上昇率7位。豆蔵ホールディングス <3756> が大幅高で3連騰、1400円台に乗せてきた。2018年2月2日につけた上場来高値1422円を約1年半ぶりに更新した。システム開発や情報化コンサルティングを展開、AI・IoT分野での実績が豊富で増収益路線を走る。優先度の高い要件ごとに設計、実装、テストなど細かい単位で迅速な開発を行う「アジャイル開発」が現在のソフト開発手法の主流となっているが、同社はこの導入支援ビジネスを展開し需要を捉えている。成長力を考慮した場合、15倍台のPERには依然として割安感がある。

■Fringe <6550>  780円 (+53円、+7.3%) 一時ストップ高

Fringe81 <6550> [東証M]が急反発。10日午前10時ごろ、小学館(東京都千代田区)及び集英社(東京都千代田区)と共同で、出版社のマンガアプリに対して、一元管理で広告出稿・運用できる共同プラットフォーム「MangaAdPlatform」(MAP)の提供を8月に開始すると発表しており、これを好感した買いが入った。MAPは、多数のマンガアプリで個別の掲載基準やフォーマットが存在するため、広告効果の追求や最適化が行いにくいといった声に対応して開発されたプラットフォームで、良質な作品を生み出している出版社のマンガアプリへ、一元管理された共同プラットフォームからの広告掲載とレポート作成が可能。また、マンガコンテンツに沿った広告表現が可能なほか、アプリ内独自データを活用したターゲティングと柔軟なクリエイティブの差し替えが可能であることや、参画する出版社の強みを生かしたアプリでの企画の検討がしやすくなるなどの特徴があるという。当初は小学館の「マンガワン」、集英社の「少年ジャンプ+」の2つのマンガアプリへの広告掲載からスタートするが、配信先のマンガアプリは今後追加する予定としている。

■力の源HD <3561>  925円 (+56円、+6.4%)

東証1部の上昇率10位。力の源ホールディングス <3561> が続急伸。10日、7月21日に投開票される参議院議員選挙にあわせ、7月21日から31日の期間限定で日本国内の「一風堂」93店舗で「選挙割」を実施すると発表しており、これが好感された。キャンペーン期間中は、参院選の投票済証明書を提示した来店客に対して、「替玉1玉」または「半熟塩玉子1個」のいずれかを無料でサービスするという。

■ITbook <1447>  370円 (+22円、+6.3%)

ITbookホールディングス <1447> [東証M]が急反発。同社は昨年10月、ITコンサルティングのITbookと地盤調査を手掛ける地盤HDとの経営統合で誕生。建築・土木とITの融合に向けた取り組みが進むなか、そのキーカンパニーとして存在感を示している。官公庁案件に強みを持ち、国土強靱化の政策テーマにも乗る。また、今年4月から「改正出入国管理法」の施行に伴い新在留資格「特定技能」新設による外国人労働者の受け入れが開始されているが、同社は外国人労働者の生活支援ビジネスを展開している点も注目される。

■リソー教育 <4714>  500円 (+29円、+6.2%)

リソー教育 <4714> が急反発。同社は9日大引け後に決算を発表。「3-5月期(1Q)経常は赤字縮小で着地」が好感された。20年2月期第1四半期(3-5月)の連結経常損益は2.3億円の赤字(前年同期は2.8億円の赤字)に赤字幅が縮小した。

■ライフコーポ <8194>  2,350円 (+136円、+6.1%)

ライフコーポレーション <8194> が続急伸。10日正午ごろに発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高1759億6000万円(前年同期比3.1%増)、営業利益33億1100万円(同23.5%増)、純利益21億9600万円(同31.6%増)と大幅増益となったことが好感された。3月に空堀店(大阪府)、玉出東店(大阪府)、4月に都市型小型店の新業態としてMiniel(ミニエル)西本町店(大阪府)の3店舗を出店(閉店1店舗)したほか、既存店舗の今里店、東有馬店、セントラルスクエア西宮原店の3店舗で改装を行ったことが寄与した。また、おいしさの追求などの商品施策の成果もあり、人件費や物件費などのコスト増加や償却費増を吸収した。なお、20年2月期通期業績予想は、売上高7200億円(前期比3.0%増)、営業利益124億円(同0.9%増)、純利益75億円(同1.3%増)の従来見通しを据え置いている。

■アイリッジ <3917>  912円 (+44円、+5.1%)

アイリッジ <3917> [東証M]が急反発。10日の午前中、LINE公式アカウント店舗向けゴールドパートナーのクラブネッツ(東京都渋谷区)と、サービス連携に関して業務提携したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。今回の提携は、7月に提供開始予定のアイリッジのファン育成プラットフォーム「FANSHIP」を利用する企業に対し、自社アプリとLINE公式アカウントを「FANSHIP」上で一元管理できる環境を提供するとともに、O2Oソリューションの共同開発と展開を推進するというもの。クラブネッツが提供する、SNSマーケティングで生じるさまざまな課題を解決するための統合的・複合的なソリューション型ASPサービス「+DIRECT」と連携することで、「FANSHIP」側からもLINE公式アカウントの「友だち管理」「属性管理」「セグメントPUSH配信」「One to Oneトーク」などを実現できるだけでなく、「FANSHIP」の強みの一つである「リアルタイムの位置情報を使ったO2Oアプローチ」をそのまま活用することが可能になるとしている。

■OSG <6136>  2,190円 (+100円、+4.8%)

OSG <6136> が大幅高で4日ぶりに反発。9日の取引終了後に発表した第2四半期累計(18年12月-19年5月)連結決算が、売上高656億2000万円(前年同期比1.9%増)、営業利益116億3800万円(同3.7%増)、純利益79億7400万円(同14.2%増)と増収増益になったことが好感された。主要ユーザーの自動車関連業界向けをはじめとして需要は引き続き堅調で、Aブランドをはじめとする主力のタップや超硬ドリルで生産能力の逼迫が続く。中国の景気減速の影響やユーロ、人民元などの為替変動による換算影響があったものの、日本の主力工場の稼働率が向上し、特にタップの生産及び売り上げが大幅に増加したことが業績拡大に貢献した。なお、19年11月期通期業績予想は、売上高1370億円(前期比4.3%増)、営業利益240億円(同6.6%増)、純利益153億円(同4.0%増)の従来見通しを据え置いている。

■北の達人 <2930>  611円 (+22円、+3.7%)

北の達人コーポレーション <2930> が続伸、5日移動平均線を足場に上値追いの動きを継続している。ネット通販を手掛け主力の「カイテキオリゴ」をはじめとする健康食品や化粧品などを自社企画し、製造をアウトソーシングするビジネスモデルで高成長路線を走る。刺すヒアルロン酸化粧品が大ヒット商品となっているが、同社は9日取引終了後、先行予約が2万個を突破した眉間専用のエイジングケア化粧品「ミケンディープパッチ」を同日から発売することを発表、これが株価を刺激した。

■日東紡 <3110>  2,325円 (+72円、+3.2%)

日東紡績 <3110> が6日ぶりに大幅反発。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は9日、同社株のレーティングを新規「バイ」でカバレッジを開始した。目標株価は3000円とした。5G関連デバイス向けグラスファイバー製品の需要増大で新たな成長フェーズに入ると予想している。今後5Gの普及に伴い、半導体デバイスには高周波特性に優れたガラスクロスが求められる。同社は高機能のグラスファイバー製品をヤーンからクロスまで一貫製造する能力を持つ。5Gの本格普及で高性能半導体パッケージとプリント基板の需要が拡大するとともに、同社のグラスファイバー製品の需要増が見込める。また、メディカル事業も成長力が高まりつつある。20年3月期の連結営業利益は前期比2.4%減の80億円(会社予想85億円)を見込むが、21年3月期は90億円、22年3月期は110億円と業績は拡大基調に入ると予想している。

■日本オラクル <4716>  8,810円 (+210円、+2.4%)

日本オラクル <4716> が3日ぶりに反発し新高値に買われた。SMBC日興証券は9日、同社株の投資評価「2」を継続するとともに、目標株価を8600円から8900円に引き上げた。同証券では、市場のクラウド化はオラクルデーターベースが使われにくく、ネガティブな市場変化だが、ようやく日本でもデータセンターを開設し、今後IaaS(仮想化技術を利用しITインフラをインターネット経由で提供するサービス)の伸び率は高まる可能性があることを指摘。データベースソフトの需要はIT投資を背景に強く、20年5月期の営業利益は652億円(前期比4.6%増)と最高益更新を見込んでいる。

■ビジョン <9416>  4,980円 (+80円、+1.6%)

ビジョン <9416> が4日続伸。10日、「グローバルWiFi」の鹿児島空港での受け渡しと返却、及び当日申し込みを開始したと発表しており、これを好材料視した買いが入った。従来、鹿児島空港から海外渡航する利用者に対しては、主に宅配での受け取り及び返却ボックスでの返却だったが、出発時に直接空港での受け渡しや当日申し込みを開始することで、より便利に海外でのインターネット通信を利用できるようになる。また、IoTを活用した独自開発の無人受け取りロッカー「スマートピックアップ」による受け渡しも行うとしており、利便性の向上による利用者層の拡大が期待されている。

■コンコルディ <7186>  422円 (+5円、+1.2%)

コンコルディア・フィナンシャルグループ <7186> が上伸。10日付けの日本経済新聞で「地銀首位の横浜銀行と同3位の千葉銀行が包括提携する」と報じられており、横浜銀行を傘下に持つコンコルディアFGには、報道を好材料視した買いが入った。記事によると、営業面で協力関係を深め、中小企業向けの事業承継や個人向けの遺言信託で幅広いサービスを提供できるようにするほか、運用商品の共同開発も検討するという。この報道に対してコンコルディアFGでは、「当社および横浜銀行が発表したものではない。業務提携を検討していることは事実だが、現時点で決定した事実はない」とコメントしている。

※10日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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